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ラジオ体操の話

ラジオ体操はじめました。

少し前まではいくら食べても肉がつかず、体重が増えないことを気にしていたものですが、あの頃とは体質が変わってしまったみたいです。
先日の免許更新の際に顔が横に長くなったな……と感じて以来、あらゆる場面で健康を意識せざるを得なくなりました。
肩や首の凝りにも悩まされていることだし、自ら動かさないと健康を維持できないお年頃です。

という理由は嘘ではないのですが、後付けです。
8月になったことだし「季節感を感じたかった」のが一番の理由になります。
実際に始めてみて感じる一番のメリットは、寝坊を防げるようになったことなのですが。

目覚ましのアラームに気づいた時点では、まだまだ二度寝の射程圏内。
だいたい25分あたりでradikoを起動し、当たり障りのないリスナーの日常投稿や、特に聞く必要のない天気予報を流していると、起床に向けて脳がゆっくりと覚醒していく感覚があります。
そして6時半のラジオ体操の歌で起き上がり、毎日ランダムな補助体操→第1体操→首の体操→第2体操。
適当に落としたスタンプアプリで今日の日付をぽちっと押す頃には、もう完全に覚醒できているわけです。

ここ数日の朝はこんなルーチンで動いています。
そろそろ支度しないと間に合わなくなるから、と消極的な気持ちで布団から出るよりは、ずっと心身に優しい朝を迎えられています。

実際にラジオの時間に合わせて体操するのは、それこそ小学生の頃以来です。
当時は全国各地を回ってご当地から放送していた気がするのですが、実際に学生の夏休みに合わせて「夏期巡回ラジオ体操」を行っていたみたいです。
が、このご時世で去年からは中止されているようで。うう、こんなところまで影響が。


実のところ、元々ラジオ体操のことは好きです。
あの曲をピアノで弾けるようになりたくて練習していた時期もありました。

特に第2体操の「腕を前から開き回す運動」が好きで、直前の「腕と脚を曲げ伸ばす運動」の旋律が後ろで鳴ってるところも最高です。
まさにラジオ体操のサビといっても過言ではないと思っているのですが、人から納得を得られたことはありません。どうして。

ラジオ体操に愛着を持っている理由は単純で、楽しかった夏休みのイメージと強く結びついているからです。

小学一年生の夏休み。起きたことのない時間に早起きしてみれば、いつも見ている景色とは色彩が違う、涼しく静かな夏の早朝。
学校で配られたスタンプカードを首に下げ、親や友達と一緒に公園まで歩いた道のり。
大人たちの見様見真似で体操し、終わった瞬間にダッシュして、一番にスタンプを貰おうとする駆け引き。
「今日は何して遊ぶ?」「誰の家に集まる?」と相談しながら一旦帰路につくときの楽しい空気。
いつの間にか降り注いでいる夏の陽射し。朝が終わり、今日も夏休みの一日が始まるんだという、あの感覚。

……実際は子供なりの悩みや苛立ちもあったはずですが、今となっては綺麗な上澄みだけが思い出として残っています。
死ぬまで変わらずに抱えていく宝物のような時間。
そこから「今」も取り出せるものを日常に取り入れて、思い出との共通項を持ちたがる気持ちは、多少なりともあるのかもしれません。


三日坊主の壁は乗り越えたことですし、もう習慣になっただろうと自分を信じて書いてみました。
これで来週あたりに途切れたら情けないオチが付いてしまうので、今月一杯は頑張って続けていきます。

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