なぜ「理論」は、「現場」で役に立たないのか
こんにちは、ベーちゃんです!
今日は、「なぜ経営学の理論は現場で役に立たないのか」について
優秀な人事やマネージャーの方ですと、様々なビジネス書を読んでいる方もいらっしゃると思うのですが、そうした著作のジレンマとして
言ってることはわかるけど、ウチでは役に立たないなあ……
っていう状況けっこうありませんか?
抽象度が上がりすぎた理論だと、実際に活かせず
具体的なケースによりすぎると、自社に合わない。
という状況ですね。
なぜこういう自体になってしまっているんでしょうか??
構造を理解すると、対策を講じることができる可能性があります。
そこで、今回はその理由について、考えてまとめてみました。
目次
0. そもそも「研究」とは何か
1. 研究者と、ビジネスマンの◯◯が異なる
2. 有用な理論があっても、ビジネスサイドがうまく利用できない
3. シチュエーションが会社によって異なるため、研究対象にならない
4. 研究に対するビジネスサイドの◯◯◯が低い
5. ビジネスサイドから上がってくる◯◯◯◯◯が悪い
0. そもそも「研究」とは何か
そもそも研究とはなんなのでしょうか?
これを正確に理解しないままでは、ビジネスとのちがいを理解することは叶わないでしょう。
研究の定義は、辞書辞典を見てみるとまちまちなのですが、総括すると、
研究とは、何らかの事実や事象を、
根拠を持って明らかにしていく作業である
と言えます。
似た概念である「勉強」は、勉強はすでにわかっていることを学ぶことですが、「研究」は未知の事象を解き明かすことなのです。
つまり、これまでわかっていることを全て俯瞰した上で、何らかの未知の物事に新しい解釈を加えていくことが研究なんです。
研究では、Aという事象とBという事象の因果関係に最も関心があるので、その間にある変数を可能な限り明確にしていきます。(そういう点で、ビジネスは研究対象としてかなり適性が低かったりします)
研究はほんとうに地道な作業ですが、世界に対する僕たちの視界を広げていくために、最も重要な営為なのです。
1. 研究者と、ビジネスパーソンの関心が異なる
研究者とビジネスパーソンでは、関心の対象が大きく異なることが、根本的な要因として考えられます。
これについては、慶應SFC 経営学准教授 琴坂教授が話していらっしゃいます。
(ビジネスパーソンは、)どうやって売り上げや利益を上げるかということを考えると思います。どのような経営チームを作ろうか。価格をどう決定しようか。どのようなプロダクトをどう提供すれば良いだろうか、というような実務に直結することが関心の中心かと思います。
一方で、研究者として経営戦略を捉えるということは、「経営という行為とそれを行う組織と個人」の本質を明らかにしようとする行為の一環なのです。知りたい事は、普遍的な法則性で有り、多数の個体に時間を越えて当てはまる一定のパターンです。経済学が経済の本質を探究し、社会学が社会の本質を探究するように、経営学、そしてその一領域である経営戦略は、経営戦略という言葉が示す概念の本質を探究しているのです。(以下の記事よりばっすい)
ただ、関心の対象についてよく理解した方の著作であれば、ビジネスに生かせるように著作をつくることは可能なようです。
こちらの『経営戦略原論』は、琴坂教授が理論と実践の統合を本気で行った著書なので、実際に生きる知識が得られると思います。
また、朝倉さんの『ファイナンス思考』も非常に読みやすく、面白かったです。
ベンチャーに少しでも関心がある人、ベンチャースピリットを理解して会社に取り入れたいという人は、必読の書となっています。
2. 有用な理論があっても、ビジネスサイドがうまく利用できない
これはかなり大きな要因を占めていると考えています。
だって、学術的な理論や研究に関連した読み物って、専門用語や独特の文体で読みづらいんですよ。
あとグラフがすごい見辛い。
説明が入っていないままグラフだけがどかっと載っていて、「見ればわかるでしょ?」と言わんばかりの体裁を取っていることもままあります。
まあこれは、発信する側の問題でもありますし、受信する側のリテラシーの問題でもあります。
研究者の側からすれば、読んでもらう対象は同じく研究者なので、独自言語が共有できていればそれでいいやってことなんでしょうか。
研究者の方はそれでも読めちゃうから(でもビジネスパーソンは読めないんだよ〜涙)
とはいえ、有用な理論はいくらでもあるので、使えないのは勿体無い。
「英語がわからないから、海外には行かなくていいや」っていうのと同じくらいの機会損失ですね。
ビジネスパーソンも最低限のデータリテラシーはもっておかないと、プライベートでもデータに騙されますからね!
騙されないためのデータ分析力を身に付けたい方はこの本オススメ
最近ではデータサイエンティストのニーズも非常に高まっていますし、ここらでいっちょ、学術的な学びを深めてみるのもいいですね。
3.会社によってシチュエーションが異なるため、研究対象にならない
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