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 どうも近所の藪に、おおきいスズメバチが巣をかけたようで、長雨の切れたいかにも夏休みな晴れた日、我が家の回りはハチだらけになりました。しかも、どうも、五百蔵のあせのにおいが好きらしく、外でぼーっとしてたらいきなり顔の横にきているし(とにかく出し抜けに羽音が聞こえてわっ!と気がつく状態だから、大声たてるな、大きな動きするな、といわれても無理……!)、一歩でもベランダに出ようものなら、そっこーで2匹は偵察に来るから、おそろしくて外にも出られない。

 それどころか、なにがどうなったか、いつのまにか家にはいってきちょるんだもん!
 たぶん、換気扇のすきまから入ったのではないか、と思われます。
 秒で、親子で義父宅に避難しました。いまもこわくて避難中です。

 

 いまのところ、はっきりとハチが動かないとわかっている夕方から明け方の間しか、安心して外に出られない状態です。
 まるで、B29 がいつ来て機銃掃射するかわからんから気をつけろ!と同じように感じます。
 いつ家に入ってくるかわからないのも、ベトコンゲリラに怯えた米軍のような気持ちです。

 たかがハチですが、殺傷能力がつよいヤツだけに、日常が一気に戦争状態になってしまいました……私だけ。夫や義父が外にいても、ハチのやつめ、ふつーにスルーですからね。
 平和な日常って、もろいもんですね。
 冗談で、「スズメバチって、戦闘機みたいなもんやんか。機動力高いし、一撃必殺のミサイルあるし!」とたとえていた日々がなつかしいです……遠い目。

 

 そんなスズメバチも、木酢液のにおいをきらうようなので、購入して、大量にスプレーしています。だけど、ここ2日、雨なので、効果があるのかどうかよくわからない……スズメバチは、雨の日は、そもそも活動したがらないのです。
 そしておそろしいことに、もし、オオスズメバチだったら、木酢液も効果ないそうです。

 でもまあとりあえず、木酢液にたよるしかない。
 安全な時間帯である夜中にトイレに起きたら、ついでにベランダや窓や出入口に木酢液をスプレー。
 日中ももちろん、出入りのたびにスプレー。
 なんなら自分にも、木酢液スプレー!

 それと、木酢液の効果がはっきり見定められるまでは、家のなかでもつねに身近に殺虫剤携行かな……義父宅に避難したときは、ハチが飛んでるむこうに殺虫剤があったから、おそろしくて持ち出せなかったのですよ……(T∀T)。

 

・◇・◇・◇・

 

 てなことで。
 当面こんなのがうちの、

 新しい生活様式

 になりそうです。

 外に出る = 敵地、なので、武器(木酢液と殺虫剤)携行だし。
 不要不急の外出(ベランダでぼーっとする)も禁止だし。
 洗濯物だって、スズメバチがはいったら困るから部屋干しせざるをえません。
 布団も外に干せそうにないし……。

 正直、新型コロナの外出自粛のほうがまだましでした。スズメバチのせいで籠城している今のほうが精神的にキツいです。スズメバチが来て以来、心身ともに疲労が深く、毎日朝も昼も爆睡です。今日やっとましになってきました。

 

 この件で、敵がきたら、生活のほうを変えるっきゃない……ってのは、なにも新型コロナにかぎったこっちゃない、って痛感しました。
 スズメバチは形が見えて、殺傷能力もはっきりしてるので、考え方を切り替えせざるをえないことが否応なくたたきこまれます。
 だけど、ウィルスは見えないから……ねぇ。

 with コロナ、なんて調子のいいこともあり得ないな、というのがこの件をとおしての実感です。
 ほれ、あーた、with スズメバチ、なんて生活、想像できますか?
 私はどう考えても無理なので、まったくの本意ではないですが、敵全滅を目指してハチノスコロリも設置しました……設置した翌日から雨降ってますが。

 

 命にかかわる敵は、減らすか、遠ざけるしかあり得ません。
 命にかかわらないくらいとおくにいたら with もありえましょうけど、身近で飼っていて、しかも絶賛増殖中で、かつ、with なんて、どだい無理です。

 with コロナ は、

 隣の家にスズメバチの巣があるかもしれない……
 もしかしたら、むこうの家にも、隣の町にも、
 もう、新しい巣ができてるのかも……

 なんて疑惑と隣り合わせ暮らすと等しいのではないでしょうか。
 こんな風に考えると、そんな日常をろくに対策せぬまま放置するなんて、スズメバチに怯える私からするとありえないです。 

 

 新型コロナについて甘く考えている人、もしいたら、スズメバチに置き換えて考えてみてください。

 感染者 = スズメバチ
 クラスター = スズメバチの巣

 そして、都会のみなさん、ごめんなさい……いま、地方在住者にとっては、

 都会 = 日に日にスズメバチが増えてる地域
 都会 = スズメバチに刺される可能性が高い地域
 
 都会から来たひと = スズメバチかもしれないからこわい

 です。

 こう置き換えてみると、新型コロナ感染者の拡大に感じる危機感は、セアカゴケグモやヒアリといった外来の害虫の侵入の場合に似てるかもしれしれませんね。
 とにかく、命にかかわる害虫にたとえみて、私はヒリヒリするくらい、新型コロナもちゃんとせんとヤバイわ、と感じました。
 自分や他人の命を守るためにも、地域同士の分断をおこさせないためにもです。

 

 その一方で、ちゃんと対策すればどうにかなる、という感覚も得ました。
 つまり、

 クラスター潰し、感染者隔離 = スズメバチの巣の撤去
 検査による感染者のあぶり出し = 地域ぐるみの巣の撤去

 マスクや消毒 = 木酢液

 と、置き換えられますから。
 新型コロナについては人類全体が未経験ですが、スズメバチの防除なら日本中で経験も積み重なっているし、いまも全国各地でまさに進行中のはずです。
 経験は、成功におごって横着すると痛い目にあいますが、おこたりなく応用すれば強力な武器になるはずです。

 

 敵の形はなんであれ、自然界の敵とのたたかい方には共通するものがありそうです。
 だとしたら、農作物や全飼育動物を全滅させかねない害虫やウィルスとのたたかいの経験には、新型コロナとのたたかいのヒントになることがたくさんあるのではないかな、と。

 そんな知恵を、もっと共有できたら、と思います。

 義父の家も庭が雑草……もとい、となりの藪から侵入したツルだらけでカオスになってるんですけど、こいつとのたたかいも、新型コロナとのたたかいと、たぶん原則は一緒。
 侵入初期に潰しきれなかったのが、いまになって痛いゼヨ!

いま、病気で家にいるので、長い記事がかけてます。 だけど、収入がありません。お金をもらえると、すこし元気になります。 健康になって仕事を始めたら、収入には困りませんが、ものを書く余裕がなくなるかと思うと、ふくざつな心境です。