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ホワイトナイトーーロシアの旅(日記)

ロシア旅1 サンクトペテルブルグ

飛行機がサンクトペテルブルグに到着した。11PMだというのに、まだ空はうっすらと明るい。5月はホワイトナイトが始まる月。夕日が沈むのは午後10時過ぎ。サンセットタイムは10時半。気温は摂氏5度。今日は1日晴れていたらしいが、気温が低い。どうやら明日は雪が降るらしい。

イミグレーションはとても簡単で、カスタムを出て迎えの車に乗る。ステイ先は、少し郊外にある、「German House」というプチホテルのような可愛いビル。アットホームなサービスで料金も中心地に比べるとずっと安い。そのホテルに着いたのは、12時。部屋に着くなり、ロッジのような部屋に入った。私は長いフライトでの疲れから、すぐに眠りに着いた。

DAY1
5月14日(水) 雪、雨、曇り 摂氏4度

旅の朝はいつも早く目が覚める。昨日は1時過ぎに寝て今日は6時半に目が覚めた。外は曇り。気温はやはり昨日より寒そう。ヨーロッパでは沢山のこのくらいのレベルに泊まった経験があるが、ここの朝食は私の期待よりはるかによかった。メニューが6種類くらいあり、そこから選べるし、毎日違うメニューも楽しめる。コーヒーもおいしい。

食堂には禁煙室、喫煙室があるが、喫煙室の方が、開放的なので、そこで毎日食べることになる。

冬の身支度をして外に出かける。夫とはこれが最後の旅行になるだろうと意識してからか、初日から良いことはあまりない。友達のポリーナのオフィスを探すのに一時間もかかり、その為いろいろな人に聞くが、その間、ドアのバウンドで買ったばかりのUVレンズは割れ、使えなくなるし、オフィスだと思っていた住所は自宅で、結局迎えのドライバーが来てくれる事になった。

ムードが悪いままオフィスに着くと、夫の友達のポリーナがやさしく迎えてくれた。受付の若い女性はコートをとり、お茶やクッキーまでサービスしてくれ、気分は少しずつ回復に向かう。ポリーナはファイナンスカンパニーのディレクターで、ここのオフィスではトップである。

私達はここで、これからのプランを立て、今夜彼女の自宅でディナーを食べる約束をし、観光に出た。外は寒く、帽子と手袋が必要。体感温度は0度くらいだ。晴れたり曇ったり、変りやすい天気で、私達は傘を準備してきたにもかかわらず、何度となく、横嬲りの雪で体がずぶ濡れになった。それでも、初めてのロシアということもあり、二人とも興奮していたので、リバーサイドをずっと歩き、エルミタージュ美術館まで、無言で写真をとりまくっていた。

あまりにも変りやすい天気に疲れが加速しだした。3時過ぎているのに、まだランチも摂ってなかったので、通りかかりの良さげなカフェで休憩する。ボートの中のアップスケールなレストラン。私達にとって、ここでのランチがオフィシャルな出費になるのだが、あまり宿題をしてこなかった私達は、その値段を見て驚いた。たかがスープで$20くらいするのだから。

結局私達は、ハーフスープでボルシチとマッシュルームスープを食べ、この眺めが良いボートのカフェで、寒さと餓えを満たした。 全部で1000ルーブル、約$40のランチ、それも量が少ないのだが、質はトップクラスだったので、とりあえず満足した。それにしても、ロシア料理の知識があまりないので、これから研究してもっとリーズナブルなランチにありつきたいものだ。

濡れていた髪や服も乾き、元気を取り戻して再び歩き出した。5月はチューリップの季節で、あちらこちらにチューリップの花が並んでいる、ただ、先週まで22度だった気温が今週は(私達が来てから)急に下がったので、どの花も固く閉じていた。エルミタージュー美術館前に着くと、さすがに多くの観光バスと観光客の団体にお目にかかった。でもまだシーズン前なので、それほど多くない。

その広大な広場の敷地に圧倒された。エルミタージューは緑と白とでデザインされたビルで、ヨーロッパの3大美術館の一つ。とりあえず今日はもう時間がないので、インフォだけ確認して明日またで直すことにする。

ここでもう5時だったので、とりあえず一度ホテルに引き返すことにした。地下鉄で約30分、そして徒歩20分。あまり便利では無いのだが、このまま8時まで美術館に居るには時差ぼけもあって持たない気がしたので、リフレッシュの為に戻る。ベットを見るとそのまま飛び込み、45分間熟睡した。

ポリーナの自宅は、中心地から近く、オフィスにも近い絶好のロケーションにある。しかしロシアのビルはどれもとても古く、チーフディレクターであれど、このようなビルに住むには、アメリカ(私はアメリカ在住)では考えらない。

何がすごいかというと、エントランスが鉄の倉庫のそうなドアでそれも何十年も掃除をされてないくらい汚い。
中に入ると悪臭がして、思わず鼻をつまむくらいの臭い。多分ネコのオシッコの臭いなのだが、だれもそれを改善することなくここに住んでいるのだろう。

エレベータも暗く狭く、まるでお化け屋敷に入ったようなきみの悪さ。彼女の部屋番号を見つけノックする。

すると、その中はこのビルとは全く異なったモダンできれいな内装だった。もちろんリモデルをしているのだと思うが、この違いに少々圧倒された。

ポリーナは17歳の息子、エバンと同居している、数学が得意なエバンは、今秋数学専門の大学に行くらしい。そんな学校があったのかろ少々驚き。ディナーはインバイトしてくれたポリーナの手作り。

ポークソテーにポテト、サラダのシンプルなメニューだった。食事が終わるとポリーナの長女一家も合流し、お互い通じないロシア語と英語のユニークな会話になった。それでも少しは英語が分かるので、楽しいひと時を過ごした。

今日は特別の日で、地元のサンクトペテルブルグのサッカーチームがヨーロッパカップでの決勝の日だった。試合は夜10時半から中継が始まる。ポリーナとエバンはそれに備えて興奮気味だった。試合が始まって45分間いっしょに観戦した。

二人とも奇声を飛ばし、応援したが、得点にならなかったので、ハーフタイムになったところで帰ることにした。そこからまた地下鉄に乗って帰ると12時半で、慌ててテレビをつけたが、丁度試合が終わったところらしく、サンクト ペテルブルグのチームが優勝して、町中が大興奮していた。私達はすぐポリーナに電話をし祝福した。 また今日も一時過ぎにベットに入った。

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