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気候大災害を避けるために、すべての人にできる重要なことは、政治プロセスに参加すること

あらゆる人の将来への不安をなくすというのがライフテーマな私にとって、環境問題は常に高い優先順位を持つ関心事です。

環境問題と一口に言ってもいろいろなテーマがありますが、多くの人が今メディアなどで触れる機会が多いのは、やはり地球温暖化に起因する気候変動ではないでしょうか。

地球温暖化の原因となる分野は、建築、エネルギー、食料生産、モビリティーなど多岐にわたります。

こうしたさまざまな分野の現状や課題を丁寧に整理しているのが、マイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツさんの書籍です。

この書籍では、温室効果ガスを排出する人間の活動をセグメントごとに丁寧に分析し、今、私たちが知っておくべきことを網羅的に整理しています。

ゼロにしなくてはいけない理由

そもそも、なぜ温室効果ガスの排出量を実質ゼロ(ネットゼロ)にしなくてはいけないのでしょうか。

この書籍に書かれている内容を自分なりに解釈すると、「タイタニック号」の物語が思い浮かびます。沈むはずがないと信じられていた豪華客船タイタニック号は、氷山に衝突した際、乗客と乗組員に対して十分な救命ボートがありませんでした。その結果、多くの人が命を落としました。

温室効果ガスの排出を続け、温暖化を止められない地球は、まさにタイタニック号のような状況なのです。

地球全体で見ると、気候変動が農地一エーカー(約〇・四ヘクタール)あたりの収穫量に与える影響には幅広い可能性がある。北方の一部地域では収穫量が増える可能性があるが、ほとんどの場所では数パーセントから最大で五〇パーセントほど減ることが予想される。

地球の未来のため僕が決断したこと 気候大災害は防げる

人口が増え続ける地球において、食糧生産が脅かされるというのは、まさに沈みゆく船で救命ボートを奪い合うような未来を意味します。

もっと資源やエネルギーを必要とする人がいる

もう一つの重要な前提は、「今よりもっと資源やエネルギーを必要とする人がいる」という点です。

インドの人たちに、明かりなしで子どもたちに勉強させろというのはおかしいし、エアコンは環境に悪いから熱波で何千という人が死んでも仕方ないというのもおかしい。

地球の未来のため僕が決断したこと 気候大災害は防げる

つまり、同じ地球に生きる私たちは、発展途上国の人々も先進国と同様に安全で快適な生活を享受する権利があり、それを持続可能な方法で実現する必要があります。

個人としての努力の限界

まずは個人として、パリ協定に即した2050年までのカーボンニュートラルを目指し、自分の生活を見直し、優先順位の高い取り組みを知るためにさまざまなリサーチを行いました。

そんなリサーチの中で見つけた以下のレポートは、求められるライフスタイルと現在のライフスタイルのギャップを知る上で非常にわかりやすく(そして衝撃的に)まとめられていますので、興味のある方はぜひ一読してみてください。

このレポートにも、そして書籍にも書かれている最も衝撃的な点は、個人がライフスタイルを変えることは重要ですが、本当にこの問題を解決しようとするならば、個人レベルの努力だけでは不十分だということです。

気候災害を避けるためにできることは、政治プロセスに参加すること

個人レベルでのエコな取り組みには限界があります。それでは、私たちは何をすればよいのでしょうか?ビル・ゲイツさんはその答えを次のように示しています。

気候大災害を避けるのを手助けするために、すべての立場の人にできる何より重要なことは、政治プロセスに参加することだ。

地球の未来のため僕が決断したこと 気候大災害は防げる

このメッセージは、私にとって非常に衝撃的でした。

自己満足ではなく、本気で世界を良くしたいのなら、大きな枠組みを作っていく必要があります。その最も重要なプロセスが政治です。

言われてみれば当たり前のことですが、これまで不平や不満をぶつける対象でしかなかった政治に自分たちが関わるというのは、なかなか想像できるものではありませんでした。

ただ実際に、規制を作り、毎年大きな支出を行う行政組織は、個人とは比べものにならないほど環境に影響を与える存在です。

だからこそ、その大きな存在に直接的に影響を及ぼせる市民として、政治プロセスに積極的に参加することが、地球の未来を築くのだというシンプルなメッセージは、環境問題を語る上で避けては通れないものだと深く心に刻まれました。