DIY奮闘記。 失敗ばかりしながら作ったナイフラック
憧れのキッチンは、生活感があってちゃんと使い勝手がよくて、雰囲気があるキッチン。散らかっていても、なんだかいいな〜と思える瞬間があるといい。
そんなキッチンを目指して、少しずつカトラリー立てや調味料入れを新調してアップデートしていたけれど、なんだかパッとしない。
大きな原因は、目線の高さにあるキッチンの前の壁がシンプルだということ。
目線がよくいく壁にアクセントがあると一気に垢抜けるけれど、何もないと印象が弱くなってしまう。
例えば、壁に飾り棚があるキッチンや、タイルが貼ってあるようなキッチン、壁に窓があるようなキッチンが魅力的に見えるのは、目線が行きやすい部分に、ポイントとなるものが配置されているから。
印象に大きく影響する部分を変えないと、細々とした部分を変えてもパッとしないということは分かっていたけれど、まあいいやと思っていた。
「キッチンに窓がついた家に住めたらな〜」と理想は膨らむけれど、仕方ない。現場回復の負担が少ない範囲で、今できることを考えてみることにした。
作業効率を上げてくれるもので、壁を埋めてくれるもの。そんな時にパッと目についたのが、壁に取り付けるタイプのウッドのナイフラックだった。
ナイフラックを調べていると、基本的には壁に釘を打つものばかり。
既製品は分厚くてある程度重量がありそうなので、両面テープだと心許ない?でも、さすがに壁にキッチンの壁に穴を開けるのは気が引ける。
欲しかったアイテムがなかなか入荷しなかったこともあり、ひとまず自分で作ってみることにした。失敗しても、金銭的なダメージも少ない。
建築関係に勤めている友人に相談して、しっかり設計図を書いて、工具の段取りまでしてもらった。(詰めが甘々のざっくりとしたプランだったから、頼れる友人がいて本当にありがたい。)
両面テープでとめても耐えられる軽量設計になるよう、ホームセンターで薄い木を買い、半分に切ってもらった。友人に用意してもらった工具を使って穴をあける。
初めて使う工具にドキドキ。板に刃を当て、木を削っていく。最初はなかなか開かなかった。
粘り強く待っていると急にバキッと音を立てて、工具が木を貫通していた。とつぜん来る衝撃は、なかなか怖い。
恐る恐る他の穴も開けていく。ビビリな私は、小さな恐怖と戦いながら、途中で板が割れたりしながら(幸い割れは目立たなかった)なんとか全ての穴を開けることができた。
数日後、ワトコオイルを購入し、色を塗る。
赤みのあるブラウンカラーにしようと思ったら、予想以上に赤くなり慌てた。
残っていた別のワトコオイルを引っ張り出してきて、一度ヤスリで削った後に塗り直したら、少し赤みが抑えられた。
思っていた色とはちょっと違ったけど、好みに近づいてホッと胸を撫で下ろした。
最後の仕上げで、ボンドをつけて板を貼り付け、穴を開けている部分には、電池を埋め込んでいく。ボンドをつけて重しを乗せる。
4時間ほど経った頃、ワクワクしながら重しをどけると、なんと2枚の板がズレてしまっていた。
「ああ、なんでえええ…!」
と、半泣きになりながら、くっついたボンドを必死に剥がした。慌てている私を横目に冷静な妹のアドバイス。妹の知恵に助けてもらって、なんとか綺麗に剥がすことができた。
そんなこんなで完成したナイフラック。1工程ごとに失敗していた気がするけれど、予想以上にいい感じになっていて驚いた。
途中投げやりになってごめん、と思いながら早速キッチンに設置してみる。
「おお、なかなかいいじゃん!」と呟きながら写真を撮る。
失敗するたびにそわそわして、慣れないことをするもんじゃないと何度も思ったけれど、完成したナイフラックを見ていつの間にか「作ってよかった」という気持ちに変わっていた。
失敗しそうなことは、予めやらないという選択ももちろんできる。普段はそんな選択をしてばかりだなあと思う。
でも、失敗しながらなんとか作ったことで、学んだことも多かったし、何よりこのナイフラックに思い出ができた。
きっとネットでポチッと買っていたら、味わえなかった体験と記憶たち。
思い出やエピソードがあればあるほど、愛着へと変わる、と私は思う。愛着が増すとお部屋で過ごす時間がより豊かになる。
不器用で、効率的ではないけど、これからもそんなお部屋づくりをしていきたいなあと思った。
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