嫌悪_途中で書き辞めた

別れ際にぎゅーっと抱き着く。
暖かくて、落ち着けて、幸せで。
安心感のある、安定感のある空間。
離れるのが寂しくて、つらくて、嫌で。
本当はずっと一緒に居たかった。
美味しいお茶を飲みながら話したのは
楽しくて、幸せで。
ありのままで居れた気がした。
埋まらなかったパーツが綺麗にハマったように、
心の穴、のようなものが、埋まった気がした。
ずっとずっと一緒に居れるのなら
どれだけ生きていたいと思えただろうか。
好きで、好きで、仕方がなくて。
恋しくて、愛しくて、どうしようもなくて。
車内の壁際に立ち尽くし揺らされているいまも、
また、会いたくて。
『 会いたい 』『 一緒に居たい 』『 離れたくない 』
そうとしか、思えなくて。
気を紛らわせようと外を見ても
プレイリストをいじって、聴いてみても
混ざらなくて。
しんどかった。
反射して映るぼくは今にも泣き出しそうだった。
目を逸らしたら、溢れてしまうのではないか。
そう思う程、瞳に涙が溜まっていた気がした。
目的地まで2駅。
この時間が長くて長くて。
座り込んでうずくまりたい気持ちを押し潰し、耳に挿したワイヤレスイヤホンの音量を上げる。
好きな声が、好きな音が、鮮明に聞こえる。
こつん、と壁に頭をぶつける。
ぼんやりと外を眺める。
何も変わらない。
街並みが変わるだけで、
心情も、感情も。
何も変わらなかった。
帰ったら何をしようか、そう思わせるように明日のことをかんがえる。
…なにも、かんがえたくない。
毎日会いたい。毎日一緒に居たい。
それしか考えられなかった。
どうしようもなく馬鹿だと想う。
けれど、それがぼくの本音なのだ。
親や友人、知人になんと言われようとも。
これだけは、曲げたくても曲げられない本音。
曲げたくない。
下に敷かれる大きな石ころ。
少し錆びた銀色の線路。
はやく過ぎていく地面。
この隙間に落ちてしまえば。と反射的に思う。
落ちてしまえば、苦しい思いも、痛い思いも、この先感じることはなくなる。
けれど、会えなくなるという大きなデメリットがある
それを考えると、死ねない。
こんなことを考えてしまう自分がばかばかしくなり
スマホ画面に視線を落とす。
母親からのメッセージ、友人からのメッセージ、そして、カタワレからのメッセージ。
トトっと画面を叩き、母親と友人を未読スルーしカタワレにだけ返信する。
ポコッと可愛いスタンプが姿を現す。
そんなスタンプを見てくすっと笑う。
傍から見ればただ笑っている変人だろう。
けれど気にしない。
気にする必要が無い、そう判断したから。

( お家着くまでに、飲みきらないとなあ… )

半分程残ったペットボトルの水をたぷんと揺らす。
何故これを選んだのだろうと少し後悔した。
味の無いものが苦手なのに。
駅のロータリーに出るなり電車の待ち時間でちまちまと飲み込む。
生ぬるくなってしまった水は温水に似ていて。
安定に、美味しいと思えなくて。
先程飲んだお茶が恋しくなる。
姿勢を変えるとバキッと痛い音がした。
痛くは無いけれど(
同じ姿勢でいればそうなるだろう。
通過した電車が長く下ろしたぼくの髪を揺らした。
その風が生ぬるくて、不快に感じた。
ぼくはどうしようもないやつだ。
迷惑をかけて、
独りなんだと思い詰めて、
切って、飲んで、
 体調を崩す。
自分語りの過ぎる話ばかり書く。
いやだな。ぼく。
締める言葉に悩み、適当に終わらす。
だから、まとまりのない文章が、話が、
出来上がる。
いまだって
そう。
もう嫌になってしまって
会いたい時に会えない世の中の不条理にも、
ずっと一緒には居られないという現実にも。

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