ユメ_05/13

ユメを見ていた。

閉じていた瞳を開くと真っ白な空間に居た。
何処を見渡しても限りなく真っ白な空間。
いつも見せられる夢とは違うせいか少し恐怖心が揺らいだ
なにも考えずに歩き出した時、異変を感じた。

…身体が軽い、足首が痛くない、歩く度感じていた視界の歪みを感じない。

嗚呼、これは “ ユメ ” なんだ。
現実で在ればどれ程喜ばしい事だったか。
軽度とは言えどパーキンソン病を患ってしまっているぼくはこの夢を見たくなかった。
みても構わないから、リアルな感覚だけ無くして欲しかった。
1度見始めてしまったこの夢はどうしたら覚めるのか不特定。だから体力を消耗するしかないと思っている。
ただ、いつものユメとは違ってよくわからない。
何故この夢を見てしまったのか、何故こうなっているのか、一体なんの夢なんだろうか。
ふと以前見た夢を思い出した
真っ白なネグリジェのような服を纏ってふわふわと舞っていた夢。
白いものを見ることが多いのだろうか。
だが段々と真っ白なネグリジェは灰色へと、黒へと染まっていく。
…この世界も、そうなってしまうのだろうか。
そんなことを思った。
嫌なことを考えないように思考を振り払った
空間より先に心の方が黒く染まり始めた
酷い頭痛と眠気に襲われ飛び降りた時のように堕ちた

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