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「不正行為」は「正当防衛」であるかもしれない

※この記事を書いている私のスタンスは、基本的に「面白い・楽しいことだけやる」、「つまらないことはやらない」です。私はつまらないことは可能な限り「楽しくなるように調整」することで対応します。この調整のせいで迷惑をかけている人たちには申し訳ないと思っています。

大学の授業で課題を出すと、他人のデータをコピーしたり、完全に写させてもらう、あるいはデータが出たことにして実験結果にはそれっぽいグラフを載せるなどの不正パターンがあります。これは、社会に出て一人で仕事を任されると、ほとんど意味がない能力にみえます。さらにはその写し作業をやる時間は全然面白くない、楽しくないと思います。

自分はそんなことをやっていても「楽しくない」ので、不正行為はやらないで、わかる部分だけで出すとか、必死に読み込んで楽しくなるまで勉強するとかの方法をとっていました。ほかの人に聞くくらいはやっていましたが。

楽しいことをやるのが原則とする自分が「その科目に取り組んでいる時間が楽しいか」を考えたときに、一番つまらない方法である不正行為をなぜやるか、ということを考えると、実は「貧しさ」からきているのかなあと思います。

※ここからは、個人の意見かつ想像になるし、若干差別になるかもしれません。

どういうことかというと、「不正行為」をやるのは、「忙しい運動部をやっている学生」や、「日本語が不自由な留学生」に多い印象で、部活にも何も入っていない、特に日本人の学生は「不正行為」を行わないで単純に理解してよい成績をとるか、悪い成績をとります。

忙しい運動部の人たちは、部活のせいで成績が落ちると、怒られることがありそうですし、留学生は多分成績が悪いと留年して在留資格を失うので、絶対に留年などはできないのに、、貧乏でありアルバイトをしないといけない、そもそも日本語ができないので授業が理解できない、など勉強だけに自由に取り組む環境が整備できていないと思われます。

「正攻法」できちんと成績をとっていたり、あるいは悪い成績になっている人たちは、その点で自分が理解したことをアウトプットして成績をとっているし、理解できなかったひとは成績が悪い結果を甘んじて受けています。結果として留年になっている人もいます。

多分「正攻法」で授業を受けている人たちは、授業成績がどうであっても、人生の基盤を脅かされるようなことはないでしょう。自分のプライドみたいなものはあると思いますが、経済事情や親の外圧などに振り回されることはないだろうということです。そうなると、理解できない科目があったら、少し時間をかけて勉強しようとか、自由に勉強の取り組み方をえらぶことができます。

一方で、一定数いる「日本の大学を卒業する」ことが人生で必須になってしまっていて、なおかつ「日本語が下手だし、学力も経済力も不足している」人たちは、どうでしょう。「正当防衛」として「不正行為」を行っているのではないでしょうか。具体的には理解できない科目があった時に、丸一日その科目だけに取り組むとか、あるいはその前提になる数学や物理を復習するとか、教科書をじっくり読むとか、いろんな方法をやる時間も能力も不足しています。日本の進学制度はよくできていて、そういう色々不足している人はほとんど大学に入れないようになっているのですが、留学生に関しては、日本人より入学のハードルが低いところが多いようで、入学後、このように追い詰められている学生が多そうです。

そこで重要なのが、追い詰められた学生のケアですが、これはすぐにはできません。

現状では、「不正行為は摘発する」、「なんとか(教員側が妥協して)単位は出す」、「卒業後、会社に押し込む」という、とても雑な方法となっています。本来ならば入学時にすべて弾くべきなのですが、一度留学生優遇用に設計された入試制度の中では(筆記試験免除などがあります)、非常に難しくなっています。もっと言うと、大学自体が生き残るための「正当防衛」として、留学生を大量に受け入れて大学の評価点をあげたり、AO入試や推薦で学力のない日本人を大量に受け入れて、学費収入を増やしているのですから、相当に根深い問題です。

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