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『キュビスム展』に行ってきました

上野の国立西洋美術館で開催されている『キュビスム展—美の革命』に行ってきました。正式には『パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展—美の革命 ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ』だそうで、えらい長いです。
会期は、以下の通り。
2023年10月3日[火]~2024年1月28日[日]
その後、
京都市京セラ美術館 2024年3月20日[水・祝]~7月7日[日]

を巡回するとのこと。

平日の昼間だったので、結構空いてました。客層は思いのほか男性も多く、老若男女あまり偏りが無く感じました。グループで来た外国人観光客らしき人たち(言語は英語)もいました。日本に来たついでにパリの美術館にも行かれると考えたのでしょうか?

とりあえず見始めてすぐは右手の震えが止まりませんでした。持病の本態性振戦のためです。この病気は緊張、興奮、そして感動で症状が出やすいのです。ちょっと恥ずかしいので、しばらくは右手を左手で押さえながら歩きました。

僕は美術の専門家では無いので語る言葉を持ちません。ただ、宗教絵画に始まるヨーロッパ絵画の順当な変遷からは逸脱しているのは感じました。この突然変異的な奇怪なものにリアルタイムで触れた当時の人たちも、すんなりと受け入れられる訳もなく、随分と揶揄の対象としたようです。そんな記録も展示してありました。
これまで確立してきた表現技法を敢えて捨て去っているので、「原始的」と評されるのも致し方ないのかも知れません。しかし同様にかなり自由で大胆な構図や簡素化などを駆使した浮世絵をありがたがったフランス人が? と不思議に思わないでもありません。

芸術と研究というのは、よく似ている部分があるな、と思います。あまりも突飛なことを始めると周囲から認められず、理解が得られない。既存の事柄に頼らず1から始めていくと、達成するまでに時間がかかり、上司からも部下からも責められる。ついには職を追われ、食べていけなくなる。適度に革新的、しかし理解を得られやすいギリギリの線を狙う。もしくは、すぐに結果が出る簡単な仕事で食い扶持を稼ぎつつ思い切り自分がやりたい前衛的なことをする。どちらの戦略を取るか、どういったバランスで進めていくか。それは決して芸術と研究に限らないけれど、この2つの職種はその特性上、個人のアイデア・裁量で行わなければ意味が無い。そんな事も思い返させられる『キュビスム展』だった。

「手帳」を持っていると、本人+介助者1名まで無料です。
ちなみに上野の森美術館で開催中の『モネ 連作の情景』は長蛇の列でした。いま調べたら基本オンラインでの日時指定予約でした。それでも、こんなに混むんですか! ってくらい並んでました。そして、こちらは「手帳」を持っていても半額です。


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