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03号と04号の間をフラフラ日記 0103-0109

0103

「ベレー帽とカメラと引用」04号は、まだ本格的な製作に入っていないようないるような、少し取り掛かりつつ「考え中」でもあって曖昧な状態のままフラフラしている。

 

並行して03号の再版も考えている。誤字脱字の訂正に加えて、表紙のデザインを一新するつもりなので「新装版」と言うべきか。

 

ユニクロで靴下を買ったら、レジの横に置くだけで値段が出てきた。もうバーコードを読みすらしない時代になっているのだった。

 

 

0104

長めの原稿の方からメールで初稿が届き、読んでみる。「ビッグ・バッド・ビンゴ」への言及がないのはいかがなものか、と返信すると「ご指摘頂き、今回の論旨に合うことに気づき、驚きました」とのこと。この原稿は04号の大きな柱(の一つ)なので、より良い内容にするために磨きをかけたい。

 

明らかにiPhoneのバッテリーがおかしいので、バッテリー交換にソフトバンクの店に行ったら「アップルの店に行ってもらうか、怪しげな店でないと交換できません」と言われる。あれこれあって結局、機種変更して第二世代のiPhoneSEを持って帰ってくることになった。

 

スマホの機種変更はデータの移行が面倒だなと思ったが、これもユニクロと同様に、古い機種と新しい機種を並べて置くだけで移行ができた。

 

 自分が頭の中で考えている程度のことは、読者の頭に早くコピーしてしまいたい。つまり、短く言うとデータ移行のためである。「ベレー帽とカメラと引用」を製作している理由の大半はそういうものだ。

 

 

0105

歌詞について、その内容をあれこれ論じるという作業は難しい。ある歌詞を読むのは誰でもできるし、好きか嫌いかの判断もできる。

しかし、心の中にある好悪や感動を言葉や理屈に変換はなかなかできないものだ。

そこで、あえて「優れた歌詞を下手な歌詞に書き直す」というお題で作品を募集するという企画はどうか。

きちんとメロディに乗せて歌えるように改悪してもらう。これなら理屈は必要ないし、「下手な歌詞」を目指して書くことによって元の歌詞の良さをより明瞭にできるし、よく味わい鑑賞することができる。引き立て役を作ることで元を輝かせる。これはふざけ半分の遊びではあるものの、批評性も多分に含まれているではないか。

 

例:

通り雨がコンクリートを染めてゆくのさ

僕らの心の中にも沁み込むようさ

この通りの向こう側

水をはねて誰か走る

 

 

雨が急にコンクリートに落ちたポタポタ

僕たち心の中だってジ~ワジ~ワ、ビ~チョビチョ

この道路のあっち側

水たまりを踏んじゃう奴

 

 

書いているだけで頭が悪くなりそう……。そして、怖ろしいほどスラスラと書けてしまう。

これは「くすぶれ!ダメリンピック2021」とでも題して、募集してみよう。優秀な愚作は04号に掲載し、一部お贈りするので奮ってご参加ください。

 

ルールを整理してみると、次の通り。

 

1.よく知られている歌詞をなるべく意味を変えずに改悪し、酷くすること(上記の例にならって「元の歌詞」→「改悪版」の順に書いてください)。

2.必ず、元のメロディに乗せて歌えるようにすること。

3.歌詞の全部を改悪するのは読む側もしんどいので、長くてもせいぜい上記の例の2倍ほどの字数の範囲で。

4.ペンネームで参加したい場合は「ペンネーム:何々」と冒頭に書くこと。

5.おひとり様5作まで。〆切りは1月30日まで。

6.優秀な酷さを持った作品は04号に掲載し、04号の印刷が出来次第お贈りします(何らかの形で先行販売するよりも、さらに早く読めます)。

7.N4書房の「CONTACT」からお送りください。件名は「ダメリンピック参加希望」とご記入ください。


8.編集部一同、皆さんのご健闘を心よりお祈りしています。

 

 

0106

婦人公論の長嶋有のインタビューを読んでいたら、自分が03号に書いた内容とそっくりな発言があって、長年のファンなので嬉しい。

『トクサツガガガ』で描かれているものがいみじくも表しているのは、連載開始の頃は、主人公のOLがじつは特撮好きで、余暇の時間を全部特撮に費やし、部屋の中はフィギュアだらけ。だけどそのことが世間にバレないようにしているというコメディなんです。つまり数年前まで女性のオタバレっていうのは社会の中でかなり特殊なものがバレちゃうことで、隠すことが当たり前の振る舞いだった。それが、しだいにオタク的なことやネット的な言説みたいなものが語られるようになってきた。

念のために書いておくと、同じような漫画を読んで同じような時期に同じような考えにたどり着いた、そこがファンとしては嬉しいということです。

 

 

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改悪の作詞の件は、村上春樹のエッセー「意味がなければスイングはない」で似たような試みを読んだことがある。スガシカオの歌詞を、あえて下手に改作する例があったはず。その発想に倣っている。

 

読みかけだった売野雅勇の「砂の果実  80年代歌謡曲黄金時代疾走の日々」の続きを少し読んだら止まらなくなり、深夜まで読みふける。 河合夕子 の「東京チークガール」は子供の頃にテープに録って以来ずっと忘れられない。

この曲あたりが最初期の仕事で、同じ頃に佐野元春がデビューしている。さらに続いて、大瀧詠一、井上大輔、チェッカーズ、沢田研二、矢沢永吉、中森明菜 、坂本龍一、筒美京平、マイケル・ジャクソンなど有名どころが次々と登場する。

 

意外なところでは矢沢永吉の「時間よ止まれ」のレコーディングに坂本龍一と高橋幸宏が参加していたと知った。一時、売野雅勇のもとに弟子入りしていた人が三島由紀夫のご子息だったというのも意外。

 

 

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03号の原稿を読み直して、再版用の修正をする。「ドゥワッチャライク」のサブタイトル一覧表の☆を中央寄せにするとか、ページ番号の位置を少し下げるとか、誤字脱字の修正など。ページ数は変わらないが、少し読みやすくなった。

 

ついでに表紙も変えて、我ながら良い表紙になった。自分で買いたいくらい惚れ惚れする。しかし、自分に販売したり自分から購入はできないので、ただじっと指をくわえて見ているだけ。購入する喜びをくれ。

 

 

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80年代の曲をまとめて聴いているうちに、原田真二と佐野元春の印象が、一時期ちょっと重なっていたことを思い出した。

 

ウィキペディアによると、

「原田真二バンドと佐野元春のバンド、ハートランドをドラマーとして掛け持ちした古田たかしは、ブレイク前の佐野を「すごいんだよ、マインドが真二とそっくりなんだ」と評した」

とのこと。いま聴くとスティーヴィー・ワンダーとポール・マッカートニーと堂島孝平っぽさを同時に感じる。

 

 10日の夜11時からの「music is music」で「ベレー帽とカメラと引用」の告知をしていただける予定なので、わくわくしながら放送を待つ。

 



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