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2022年末日記 1225-1231

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24日も25日も、「牧村憲一発言集成」+「ベレー帽とカメラと引用(06号)」のハッピーセットが売れた。
二冊いっぺんに読んでくれる人がいるのは、作る側として大変に嬉しい。


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「ベレー帽とカメラと引用」のブックガイドに書ききれなかったことをメルマガにつらつら書いているうちに、あと15冊ほど付け足したくなってきた。

安田講堂の占拠を内側から描いた「安田講堂 1968-1969」(中公新書)と、外側から描いた「安田講堂攻防七十二時間 東大落城」(文春文庫)を両方あわせて読む。


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「#図書館カード紐付けに反対します」というタグがあって、あれだけ怪しいマイナンバーカードとの兼用には自分も反対する。

その一方で、借りた本のリストを誰かが読んでも意味が分からないのではと思う。わかる「誰か」がもう存在しないような国だからこそ、紐づけしたがるような国になったのではないだろうか。


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赤田祐一「証言構成『ポパイ』の時代」(太田出版)を読む。これはちょうど「ベレー帽とカメラと引用」06号の9-10ページ辺りの話の背景を詳しく書いている、本来はブックガイドに入れるべきだった本。雑誌が生きて、動いて、読者と共に育つような時代を思うと羨ましい。


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西川長夫「決定版パリ五月革命 私論 転換点としての1968年」(平凡社ライブラリー)という本を見つけた。日本と比べると「本場」と感じられるパリの1968年。出てくる人物も役者が違う。

「車を焼かれたことにパリの市民はなぜあれほどまでに寛大なのだろうか(P.146)」と書かれていたが、そうした光景を見ても今までは単に「ゴダールの映画だから……」としか思っていなかった。


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図書館から借りた「渋谷の秘密」(パルコ出版)を読む。タイトルも装丁も良くないが、内容は充実している。地形や歴史、建築や音楽や映画館の変遷が鋭く深く、明解に描かれている。漠然と考えていた〇〇藩との関連が思いがけない方向から説明されていて、心底から驚いた。


今日は大瀧詠一の命日でもあるので、ツイッターで関連する発言をいくつか目にするうち、「ナイアガラ・カレンダー」の「'78」をサブスクで初めて聴いた。聴き慣れた方よりも、ずっと親しみを感じる。



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今年は何と言っても「牧村憲一発言集成」を出せたことが一番で、20歳や30歳の頃の自分に会って教えたいくらいの一大事であった。

しかも来年にはもう一冊、別の本が控えている。

N4書房の本を読んでいただいた全ての皆様、有難うございました。


*近況や販売開始の告知などはメルマガで行います。


*noteでの日記は当分休みます。


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