愛猫「メーテル」記念詩(2010年9月12日/改定版)。A memorial poem for the beloved cat "Maetel" (September 12, 2010 / revised version).

メーテルが我が家へ 恐る恐るゲージから出る 難破した宇宙船から出る地球人のよう 敏感に慎重に優雅に好奇心を隠さず 暫くすると部屋の探検 くんくん匂いを嗅ぐ 肉球の裏全体で感触を確認 瞳を見れば彼女の頭脳の高速回転が知れる 走り止まる跳ねる 解き放たれた野獣が自由を謳歌 しなやかなシベリアンタイガー ベッドの下の畳に積もった挨を撤き散らす サンクトペテルブルクの音のない初雪 机の脚と脚の間を駆け抜ける 触覚的なパソコンケーブルを甘噛み 支配者であると宣言 音のない青い稲妻  鳴きもせず媚せず足音もせず 時々不安げに振り返りつつ 帝政露西亜の蒼い痩身美猫 懐古趣味を悶えさせる アナスタシアのお気に入りの蒼か 

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