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円は主要通貨に対し下落、ドル円は146円台へ 外国為替(FX)・デイリーレポート2024.10.3(2024.10.2)

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市況概況
 2日の外国為替市場では引き続きドルが上昇。一方、円は主要通貨に対して下落した。中東地域の緊張の高まりを受けてリスク回避のドル買いが継続するなか、米国時間帯には米ADPリサーチ・インスティテュートが発表した民間部門雇用者数が市場予想を上回って前月から増加したことを受け、ドルは主要通貨に対し上昇幅を拡大する展開になった。ドル円(USD/JPY)は、143円台中盤で方向感を探る展開が続いていたが、石破首相が植田日銀総裁との会談後に「個人的な意見としては金融緩和路線を継続することが望ましい」と述べたことを受け円売りが優勢となり、米国時間帯終盤には146円台中盤まで上昇した。また、植田日銀総裁も記者団に対し「経済・物価が日銀の見通し通りに動いていけば金融緩和の度合いを調整するが、本当にそうか見極めるための時間は十分にあると考えている」と述べ、金融政策決定会合後の会見で語った「金融緩和の調節には時間的余裕がある」との姿勢を改めて示したことも円売りを支援する要因になった。また、この日は米大統領選の副大統領候補によるテレビ討論会が行われたが、両候補ともに落ち着いた姿勢で穏やかな討論に終始したことで、明確な勝利者はなく、市場への影響はほとんどなかった。
 米ADPリサーチ・インスティテュートが2日発表した9月の全米雇用報告によると、民間部門雇用者数は14万3000人増となり、市場予想の12万人増を上回った。また、8月の雇用者数は9万9000人増から10万3000人増へ上方修正された。

 ユーロドル(EURUSD)は続落。10月の欧州中央銀行(ECB)の理事会での追加利下げがほぼ確実視されるなか、米国の大幅利下げ観測の後退やリスク回避のドル買いがユーロを圧迫、一時は1.10325ドル付近まで下落した。一方でユーロ円(EUR/JPY)はNYクローズにかけて162円台まで上昇した。

 ポンドドル(GBPUSD)は前日の下落は一巡したものの、1.32445~1.33060ドルのレンジ内で方向感を探る展開となった。一方、対円や対ユーロでは上昇しており、引き続きイングランド銀行(BOE)やベイリーBOE総裁が利下げに慎重な姿勢を示していることが引き続きポンドを下支えする要因になっている模様。ポンド円(GBP/JPY)は194円台中盤まで上昇した。

(当レポート1時間足のチャートは全て日本時間で表記しています)

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