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【3DCG】ヒットエフェクトにおける差分表現【Tips】

はじめまして、BBDSクリエイティブディビジョン・エフェクトセクションの小崎と申します。
今回はゲームエフェクトの中でも、
ヒットエフェクトを作る時のコツについてお話をさせていただこうと思います。


【1】ヒットエフェクトとは!

ゲームをプレイされる方なら見る機会が多い、
あの「殴ったらビシッと出るエフェクト」です!
攻撃対象にダメージを与えた、あるいは与えられた事象を視覚的に伝える役割を担っています。

ただ「当たった!」事が分かるだけではなく、付加的要素として
ダメージ量、相性、効果など
”プレイに必要な情報”をユーザーに瞬時に理解してもらう事も重要です。
(ゲームをスムーズに楽しくプレイするためにも、情報は分かり易いほうが嬉しいですよね!)

今回はその要素の中でも、ダメージ量(攻撃の強さ)に絞り、差分のつけ方を解説いたします!!

↓今回はこちらのエフェクトに沿ってご説明いたします↓

エフェクト(弱)
エフェクト(中)
エフェクト(強)

▼上記をつなげた一連の動き(エフェクト)はこちら

※スマホでご覧いただいている方は動画での閲覧をおすすめいたします

【2】どんな差分をつけるのか

結論から言ってしまうと、複数の変化の要素を足すことを意識します。

●粒子の動きに変化をつけること

これは、動きが違って見えるというだけでも良いです。
早いものや遅いもの、動きのちがうものが一緒に存在していると、比較して差を認識しやすくなるものです。
奥行きや、力量の差や、エフェクトの成分(炎や雷、水などの違い)などを意識して差をつけます。

●向きの変化をつけること

上記の項目に近似していますが、これは「ヒット」のちからの向きに対応したものになります。
今回のモーションでは、強攻撃中攻撃が当てはまります。
攻撃側から見て前方向へ力が向かいますので、
攻撃を受けた側のお腹から背中へ突き抜けるような見た目を作ります。

今回は汎用を想定して、単純な構造ですが、
空中から地面への攻撃や、武器で横振り、突き上げなどなど…
攻撃(判定)がどちらへ伸びるか、どちらへ吹き飛ぶ攻撃であるのかを考えて作ります。
範囲攻撃、地面・壁のたたきつけなど…
場合によってちからの方向が変わることもありますが、
その場合はプログラマさんや企画さんと相談です!

●シルエットに変化をつけること(違うものを足す)

強さの強調として、衝撃波だったり稲妻だったりを付け足します。
ただし、やりすぎると別の属性なんかに見えてしまいますので、相性とバランスは確認しながら…。

もう1度最後に、冒頭でお見せしたヒットエフェクトの動画を見てみましょう。
複雑に見えていたモノも、要素として整理されて構成されているのが見えてくるかと思います。

GIF版

※スマホでご覧いただいている方は動画での閲覧をおすすめいたします

また、ここに違う部分に手を付け(られ)るならば、
カメラ(画面)に対してエフェクトをつける・というのも激アツ!です是非やってみて下さい!

【3】エフェクトに求められること

ここまでユーザーに求められるエフェクトの要素(差分)についてお話してきました。
ここでとっても大事なお話・・・現場で求められるエフェクトの役割についても触れておきます。

3Dリソースの中でもエフェクトは、最終工程に近しいポジションです。
開発の現場において、リソース(キャラや背景、モーション等)の更新は決して少なくありません。
その影響を受けてエフェクトを再調整することもしばしば。
そのため変化に”素早く臨機応変に”対応できる、柔軟なデータ造りが求められます。

今回はテクスチャやマテリアルが主役ではありませんでしたが、工程のお話も少し…。
昨今、技術が進むにつれ、エフェクトの工程も複雑になってきている場合も多くあります。
1つのエフェクトを作成するのに、複数のツールを用いたり、シミュレーションを駆使したり
エンジンでマテリアルを組むことも。
ノードベースのものは主流になりつつある…!?
リソースをより良く昇華するのはエフェクター冥利。大変な工程も多いですが、
これを乗り越えた満足感と喜びはひとしおです…!!

デザイナーは、ニーズに応じた変化が求められるものなので、
日頃常により良い方向へ変化・進化し続けられると良いですね!
※”柔軟なデータの造り方”については、また…いずれ…どこかで…。

【4】最後に

今回の内容は『ヒットエフェクトを作る時のコツ』でした!
少しお堅いお話も入ってきましたが、ほんの少しでも”現場の生の声”をお楽しみいただけたでしょうか?

実在する炎や砂埃など”再現する”制作も楽しいですが、
現実世界にない”物を生み出す”制作も大変楽しいですね!

エフェクトをよく知らない方も、触れたことのある方にもエフェクトの理解の一助になれば幸いです。

今回の記事はここまでとなります!次回をお楽しみに!

▼▼今回お借りしたリソースはこちら▼▼
・キャラモデル/モーション:Adobe社 Mixamo
・背景モデル:Epic Games コンテンツ サンプル

▼過去の【Tips】記事もぜひご覧ください!



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