【SALZ製作日誌】2020.06.27 電子工作のラストワンマイル
そんな大げさな話ではないのですが、私にとってはワンマイルぐらいの距離があったっていうお話です。
SALZ3の作成を粛々と進めています。頭の中ではほとんどできているのに、あともうちょっとがモヤモヤしていて進めません。
今回の製作テーマは
・実演可能な装置を作る。
・できれば、たくさんの人が作れる方法を提示したい。
ということで始めていたのですが、はじめてみるとこれがなかなか難しく、今までのように自由な発想で作ることができません。
まず最初につまずいたのが、配線についてです。
SALZ1/2の時は、とにかく動くものを作りたい一心で自分の能力の範囲内で作業を進めていました。問題が発生すると、ネットで調べ、ホームセンターへ行き、何か改善策はないか考え、一つずつ前へ進んできました。
SALZ3では、そこにもう一つ「できれば、たくさんの人が作れる方法を提示したい。」がのっかてきました。
・高い材料は使わない。
・専用工具を必要とするものはできれば避けたい。
・工作が難しいものは(元々できませんが)挑戦しない。
というハードルです。
これぐらいなんとかなると高を括っておりましたが、ノウハウが乏しい現状では思いつく選択肢が少なくうまくいかないんです。
今悩んでいることは、配線をうまくまとめたい。ということです。
何の迷いもなく、ブレッドボードを使うつもりでいました。
ただ、水分量の閾値を変更するため6軸センサーを用いるため、設定時にはM5Atomを左右に傾けて、最後にボタンを押す操作が入ります。このため、配線をきれいにまとめて扱いやすくしておかないと使えないのではないかと思い始めました。また、今回使用するマイコンM5Atom Matrixは今までのマイコンと異なり、プラスチック筐体にくるまれています。これもまた、配線を汚くしてはいけない。エレガントに工作しなければいけない。というプレッシャーになっています。
そんなこんなで、ネットで調べていると「ブレッドボードをパーマネントで使うべきではない。」というような情報がありました。
はんだ付けがへたくそな私にとって、ブレッドボードを取り上げられるのはとてもつらい話です。でも、振り返って思い出すと、ブレッドボードを使っても、最終的にピンをボードに固定できないため、ホットボンド付けにしていました。また、各パーツの端子はまちまちです。コネクタだったり、被覆線のままだったり。このあたり、最後にはきちんと処理したい。と考えるようになりました。となるとこの際、ユニバーサル基板を使ってベースを作るのもよいかなと思い始めました。
でも、そもそもM5Atom Matrixのピンに線を直接挿していけばよいのではないか?という考えも浮かんできました。その場合問題となるのはV5やGNDの線をまとめる必要があることです。
線のまとめ方を全く知らない私はネットをさまよいました。水槽の情報、バイク・自動車の工作系の情報。調べ方が悪いのか、当たり前のことすぎて誰も書かないのか、答えに全然行き当たりません。
ホームセンターでようやく見つけたのが、この閉端接続子でした。
これは、時々見かけます。配線をまとめるための部品だったのです。例えば、今回の工作の場合、3つのGNDを束ねてまとめたいので、4本の線をこの閉端接続子に入れ、電工ペンチでカシメてやるとよいのだという想像ができました。
選択肢は広がりましたが、あれこれ勉強しているうちに、ようやく考えがまとまりました。
最初の仮り組みの間はブレッドボードを用い、本組みの時にはユニバーサル基板を使う方針で進めます。
次に、水中ポンプの配線についてです。
正直、キットの水中ポンプをうまく扱える自信がなかったのです。
・電源をどのようにして採ったらよいのか。
・水中で電線をつなぐ方法をどうしたらよいのか。理由は二つありました。
SALZ1で、obnizから四苦八苦して、電源を取り出し水中ポンプとつなぎました。モーターを長時間回していると、原因不明のリセット掛かるため、短い時間の動作を繰り返す方法で乗り切りました。しかし、給水量は少なく、SALZ2のUSB電源方式にはかないません。でも、これも問題があり、USB電源方式にすると、一つの装置に2つのUSBコネクタが必要となるのです。USBの電源もなかなか大きいものです。できることならば、一か所から給電した方がよりスマートに収まります。
まずは、M5Atomからの給電にチャレンジしてみることにします。Cでプログラムできるので、問題が発生しても、あれこれできることは多いでしょう。
そして最後の課題。
水中で電線をつなぐ方法についてです。
キットの水中モータの線の長さは20cmです。装置の水深は15cmぐらいなので、単純計算ではOKですが、ホースに巻きつけたりしていると、どうしても、水没状態で線をつなぐ必要があります。できれば、工作ベタ、はんだ付け嫌いの私でもできるよい方法はないものか、いろいろと頑張ってみました。
家には、以前購入していた熱収縮チューブがありました。見よう見まねで配線してみましたが、工作ベタ全開でグダグダです。収縮チューブの選定が間違っているのか、隙間が空いてます。また、ここに至るまで、中央のはんだ付けの際に退避させていた熱収縮チューブが銅線を伝ってきた熱で溶け出し、退避場所でくっついてしまう事がありました。これでは、使い物になりません。
ほかにも、家に以前買っていた防水コネクタがありました。線の被覆を剥かなくても、差し込んでペンチで押し込めばよいという代物。中にジェルが入っており、これで密閉効果があります。
これで解決したと安心しておりましたら、ふと製品情報に目をやると、防水効果はIPX4と書かれていました。日頃はあまり気にしていない防水表示。
IPX4は生活防水レベルらしいです。使おうと思っているのは水の中、IPX8相当が必要らしいです。IPX8の防水対策を見ていると、結線後、レジンを流し込んで固めてしまうとか、とても大がかりな対策ばかりです。
これはまいりました。
こういうことは当たり前にあるはずなのに、どうしたものかと探していると、SALZ1で使った水中ポンプが出てきました。これはキットではありませんが、共立エレショップで購入した電子工作向けのものです。
E20943の文字が見えます。
ネットで調べると、熱収縮チューブが出てきました。
やはりこれかな。これでキッチリと密閉してみるしかないな。それにしても、とてもきっちりされています。今まで気づかなかった職人の仕事ぶりを理解し感銘を受けました。
電子工作がキッチリできる方はこの方法で、できない方はUSBポンプを用いての方法でという事ですすめることにいたします。
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