クラウドワークスの思い出 その3 良い文章と良いメディア、良い編集者の定義とは?
良い文章=読みやすい文章。これ、意外と勘違いしている人が多いみたいですが、良い文章とは読みやすい文章ではありません。というか、読み易い文章を書くなど、ライターとして当たり前の事です。
問題はその先、読み進めていく中でいかに読者を惹き付けられるか?なのです。
いまネットメディアでは、なんにも中身が無いけれども、水のようにザーと読めてしまう文章が氾濫しています。で、読後はまったく心に残らない。
読者が何を求めているか?などはどうでも良く、とにかくアクセスを集めたいが為に過激なタイトルのみに腐心し、いざ中身を見ると、ガクっと来るような記事がズラッと並んでいる。
こういうメディアは工業製品を作る様に複雑極まりないマニュアルでライターをがんじがらめにして、まずライターの個性を消し去り、消し去った後で「良い記事を書いて下さいね」などと言う編集者が多いです。こういう案件は速攻でパスしましょう。
何故なら労多く得るものが少ないからです。これはあくまで私の意見ですが、新人ライターの良い所はライターとしての素養がまだ未知数であるという事で、まずは自由に書かせてみて内側にある素質や才能を見るのが先だと思うのです。
それはいま多くのメディアが採用の際に行っている1記事や2記事のトライアル記事ではまず分かりません。実際に10記事、20記事と作っていく中で、見えてくる物だと思います。
「それじゃあ商売にならんよ」という編集者が大半だと思いますが、それこそがネットメディアの大きな弱点で、単純に目先のアクセスのみを追い、記事の中身はどうでも良く、ライターなどは使い捨てだ。と、言っているのと同じの様な気がします。
つまり、良いメディアとは、まずマニュアルありきではなく、特定のジャンルの記事をある程度自由に書かせてくれるメディアだと思います。特に新人ライターの場合は、そういう特化メディアの方が今は人気になりやすく、縛りが緩いので長続きしやすいです。
そしてメディア側もある程度本気で新人を育て、良い記事を書かせたいという意図がありますから、厳しいフィードバックをビシビシ返してくれる編集者にぶつかる可能性も出てきます。
◆良い編集者は安易に教えない
新人の頃は書き直しを要求される事もしばしばだと思いますが、それで腐らず、逆にドンドン質問して相手の要求は何か?をキッチリと把握したほうが良いです。
それがゆくゆく自分自身の糧になっていきますし、良い記事を書くきっかけにも繋がり、良い記事を書けば、その編集者の信頼も自然に得られる様になります。例えば以前私も、担当編集者との業務チャットのやり取りの中で、こんな事がありました↓
編集者「煮えてないですね」
私「え… 煮えてない?」
編集者「文章は読みやすくて綺麗だけど、ただそれだけ。生煮えだから美味しく食べられないって意味です」
私「なるほど… じゃあ、何処をどう直せばいいですか?」
編集者「それを考えるのもライターの仕事だと思いますよ?」
これ、何が言いたいかと言えば、良い文章か悪い文章かを見極める目を養う事こそがライターの第一歩だと、遠回しに言ってるんです。
この編集者はとても厳しい人でしたが、私にとっては大恩人で、こういうやり取りを何度か重ねる事で、だんだんと人気記事が書けるようになっていきました。
つまり良い編集者の定義とは、ライターに足りない部分を安易に教えるのではなく自主的に考えさせることができる者。という事になるのでしょうか。
いまでも時々この編集者とのチャットログを見返す事がありますが、相手を怒らせたり腐らせたりせず、臨機応変に的確なフィードバックを返せる人はかなり少ないと思います。
次はこうやって案件を黙々とこなしているうち、突然思い付いた収入アップの方策を書きたいと思います。
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