「舟を編む」
舟を編む を鑑賞
2013年公開 石井裕也 監督作品
原作は、三浦しをんの小説である
日本アカデミー賞最優秀作品賞など様々な賞を取っている、有名作品だ
随分前だが、紙辞書を使っているときに辞書作るって大変そうだなあ、とぼんやり思ったことを思い出した
一部ではあるが、製作工程をこの映画の中で実際に目の当たりにすると想像以上だ、と思った
新しい辞書「大渡海」を作る
真面目が取り柄の「馬締」が辞書作りに没頭する中で、
言葉の大切さを再確認し、人間関係や恋愛に向き合っていく姿を描く
映画の中で「馬締」は''辞書作りに一生を捧げる''と宣言し、
下宿先の大家「タケ」は''一生の仕事を見つけられるのは幸せなことだ''と言っているのだ
自分はその通りだと思うし、
そこまで熱意を燃やせるものを仕事にし、続けていくことを世の中で何%の人が出来るのだろうと思った
本作では辞書を作るのに10年以上の時間を費やしている
途方もない作業にのめり込む姿はしんどさを感じるものの、少し羨ましさも感じてしまった
セリフ量や音数なども少ないとは思うのだが、
辞書を捲る音、文字を書く音に懐かしさを感じ、それも映画の雰囲気を際立たせる
また、主演の松田龍平をはじめとする演者たちの目線、表情、ひとつひとつの仕草での演技が光るのだ
そして宮崎あおいが演じる「香具矢」と「馬締」の恋愛描写も素朴ながらもとても素敵だった
「馬締」が書いた「恋」の語釈も合わせてほっこりする
辞書を作るという難しいテーマながら、分かりやすく、観る人を選ばないと思う
静かに話が進む中で、何かに打ち込む熱意とひたむきな姿が心に残る
つられて自分も何かそういったものを見つけたいと熱くなる映画だ
マジメって、面白い。
(※画像は公式Facebookより引用)
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