小学校における評価

小学校教師の評価の課題について、田村(2022)は他校種の教員と比較した見解を次のように示しています。


さほど厳密さにこだわらない傾向があるように思います。
子供の学びに寄り添おうとする意識は強いように思うのですが、信頼性と妥当性の高い評価を実現しようという意識はやや弱い傾向を感じます。
そのため、評価規凖を適切かつ的確に設定し、子供の学びをより精緻に見とって指導改善につなげていくという点で若干の弱さがあるように思うのです。

田村(2022)

中学校や高校であれば入試があるため、小学校と比べると評価の精度が高いということではないでしょうか。

数値で評価しやすいペーパーテストに評価の重きが置かれることは避けないといけませんが・・

信頼性と妥当性の高い評価を実現するための方法の一つにルーブリックがあります。

だからといって何でもかんでもルーブリックを作って評価すればよいというわけではなく、現場の負担を加味した上で評価場面を精選し、ここぞという場面でルーブリックを作る必要があります。


ここからは、3つの資質・能力の中でも主体的に学習に取り組む態度に関したルーブリックについて述べたいと思います。

田村(2021)は、主体的に学習に取り組む態度の評価規凖のフォーマットとして

「『〇〇について(おいて)、△△しながら(して)、□□しようとしている』(〇〇は活動や場面、状況など、△△は態度に関する非認知系の知識など、□□は『主体的に学習に取り組む態度』として表れる行為)」

田村(2021)


を提案しています。


このフォーマットに当てはめて考えることで、1から考えるよりはルーブリック作りが 容易になると考えます。

ルーブリックはいくつかのレベルで成り立っているため、レベル間での差が必然的に生まれます。


そこで、田村(2022)は上記のルーブリックの△△しながら(して)の部分い着目しています。


「〜しながら」の部分で「〜したり、〜したりしながら」というように書くということです。
そうすれば、「〜たり、〜たり」の部分で、複数を示すことができます。

田村(2022)


この部分を学年間で話し合うことで、信頼性と妥当性を高めた評価の実現により近づくのではないでしょうか。



参考文献

田村学(2021)『学習評価』東洋館出版社

田村学(2022)「『ゴール→導入→展開』で考える『単元づくり・授業づくり』」小学館


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