その子らしさが伸びる教室

最近読む本の種類が偏っているような気がするので、ここでいったんまとめたいと思います。

自分のテーマのある分野が「子ども理解」だと感じています。

裏を返せば、これまで徹底した子ども理解ができていなかったと感じているからかもしれません。

皆さんは、「HSC」という言葉をご存知でしょうか?

HSCの定義とその気質について、杉本(2023)は次のように説明しています。


思慮深く、人の気持ちや刺激に敏感な気質の人たち

平均的なクラスなら、一クラスに7.8にいると考えていいでしょう。

HSCは生まれ持った先天的な気質なので、大人になっても変わることはありません。


なるほど、1クラスに7~8人いるのであれば、HSCの子どもたちが過ごしやすいようなクラスを作る必要があります。

また、林・川上(2023)では、一人ひとりの子どもに応じた接し方のヒントがまとめてあります。



「○年生ならできて当たり前」といった学年主義には要注意


運動に必要なスキルは、 それだけを繰り返し反復するよりもスキルを分解してスモールステップで習得を目指す方が効果的


その子なりの受け止め方に理解を示しつつ、行動は別の選択肢もあるのではないかと提案する


大切なのは「どんな時でも、あなたはあなた」「何かを決めるのは自分、でも決めないこともできる」という姿勢で常にそばにいること


「できないからさせない」のではなく、「別の方法で参加できる内容はないか考える」という視点を持つことも大切


子どもの嘘は怒られないための必死の知恵と知っておく、何度嘘をつかれても信じぬく



どの視点も確かに大切なことではありますが、その全てを意識して普段の教育活動にあたるのは至難の業と言えるのではないでしょうか。

少なくとも、私は意識して子どもに関わることができる自信がありません。

そう考えると、「個」の支援に努めることはもちろんですが、「集団」への支援のレベルを上げることが結果的に「個」の支援の充実につながると考えます。

つまり、教室環境と人的環境のユニバーサルデザインを推し進めることで、カバーできる範囲を広げるということです。

ですが、個人的に「個の理解」にできる限り努めたいと思っています。

その背景には、杉本(2023)の指摘があります。


HSCの敏感さは、矯正すべきものではなく、よさとして伸ばすべきものだということです。


HSCに限らず、学校という場所は「子どもの幸せ・ウェルビーイング」を目指す資質・能力を養う場所であると考えると、その子らしさが伸びる環境であるといいなと思います。

良くも悪くも横並び主義の日本、出る杭は打たれることが多いです。

中には飛び抜けることで打たれなくなる方もいますが、全員がそんなタフではないでしょう。

自分という存在がありのまま受け入れられる、安心して自分を伸ばすことができる、そんな教室を子どもと創ることができればと思います。



参考文献

林真未・川上康則(2023)「一人一人違う子どもたちに『伝わる』学級づくりを本気で考える」明治図書

杉本景子(2023)「HSCがありのままでいられる教室」東洋館出版社

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