特別活動に取り組んでみませんか?

先日、「特別活動に取り組んでもあまり教育的効果はない、それよりも国語や算数に力を入れる方がよい」という趣旨の発言を聞いたため、特別活動のよさをまとめたいと思います。

テストの点数という目に見える学力に関して、国立教育政策研究所教育課程研究センター(2019)は特別活動に取組む良さを示しています。


特別活動に熱心に取り組む教師の学級や特別活動の取組に対して肯定的に回答した児童が多い学級ほど、多くの教科において平均正答率が高いという分析結果が出ています


国語や算数に力を入れれば良いという安易な考えには言い返すことができるかと思います。

ですが、最近は目に見える学力だけでなく、非認知能力などといった目に見えない学力が重要視されつつあります。

その点に関して、清水(2018)は特別活動で繰り返す大事なことを述べています。


意思決定と合意形成
自分のこととみんなのことを関係させながら考えて生きていきます。
わがままもダメ、集団に埋没するのもダメ、集団の中で自分らしく生きる力をつけるのです


こういった力はテストの点数に直結するわけではありませんが、社会において重要視されている力ではあります。

むしろ、こういった力の方が大事な仕事もあるのではないでしょうか。

そもそも、テストの点数に一喜一憂することがナンセンスなことであり、子どもが社会に出るときのことを考えて教育にあたることが望ましいと思いますが・・・



特別活動の良さについて、清水(2020)は自己存在感についても言及しています。


子供が自分の居場所だと感じるには、自分が役に立つという実感が必要です。だから、役割をもって活動することや、協力してみんなでつくり上げることが必要なのです。
日々の特別活動を一連の活動として振り返りまで丁寧に行うことで、子供たちは学校の中に自分の居場所を見つけることができます。


他者との関わりの中で育まれる自己肯定感にも通ずるものもあり、現代の子どもたちには必要なものです。

また、子どもたちが学級の諸問題を解決することを踏まえると、特別活動だからこそ身に付く資質・能力があると考えます。

学校全体で取り組むと学校が落ち着くと思うのですが、私をはじめ取り組むきっかけがないとなかなか取り組もうとは思えないのが現状です。

4月からぼちぼち取り組んでみたいです。



特別活動における振り返りの重要性について、清水(2018)と清水(2020)徐々に視点を広げることが肝要としています。


振り返るのは話合い活動で「私は~から、私たちは~へ」
学級づくりには個の成長と集団の成長の両方が必要です



振り返りを共有して具体的にその先の生活へ影響を及ぼせるように、体験を学びにしていくのが振り返りという活動の意義です。そのためには、活動の目標やねらいが明確であることがポイントです。
・自分自身を見つめる視点
・友だちを見つめる視点
・集団を見つめる視点
・次へつなげる視点


まずは自分自身を振り返ることから始め、視点を広げるように教師が問うなどする必要があると思います。

子どもの実態に応じて取り組んでいきたいです。


参考文献

国立教育政策研究所教育課程研究センター(2019)「みんなで、よりよい学級・学校生活をつくる特別活動(小学校編)」文溪堂

清水弘美(2018)「新学習指導要領対応 小学校「特別活動」の年間指導モデル」学事出版

清水弘美(2020)「子どもの心を伸ばす特別活動のすべて」小学館

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