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チケット施策でベイスターズはファンを掴む

お断り

今回の記事の中には一部の方に不快な印象を与える記述がございますことを予めお断り申し上げます。あくまで1ファンの私見ですので科学的根拠や歴史的史実に裏付けられた記述でないことをお詫びいたします。

5連敗と苦しい中でもハマスタが満員の理由

日本の野球といえば放映権収入と親会社からのミルクマネーで経営が成り立っているというのが20年ほど前までの常識でした。近鉄とオリックスの経営統合で、楽天が誕生したのが2004年の終わりでした。2005年からは経営危機に立ち向かうために、まずはパ・リーグがビジネスモデルを変化させていきました。2004年にはダイエーも球団を手放し、ソフトバンクが買収しました。2004年に北海道に本拠地を移した日本ハムが、入場者を増やすファン施策を打ち、移転3年目にはリーグ優勝、日本一に輝きます。2007年にはパシフィックリーグマーケティング社を立ち上げ、動画配信などを共同に行い、共同イベント、プロモーションなどをしています。その中でソフトバンクがアジアのプロスポーツチームトップクラスの350億円を売り上げる企業になり、NPBのビジネスをリードしています。セ・リーグは巨人戦という放映権のドル箱があったため、2000年前後までは努力なく収益が上がる構造でした。しかしプロ野球中継の視聴率が急降下して、2005年ぐらいには地上波全国放送でゴールデンタイム野球中継はどこの局も放送しなくなりました。この煽りをモロに受けたのが、親会社をTBSHDに変えたベイスターズです。親会社が視聴率のいい横浜スタジアムの巨人戦を全試合キープできる上に、球団は放映権で潤うという図式が、球団買収早々に破綻してしまったのです。DeNAが球団を買収した時の累積損失が25億円で、売上は50億程度でした。5年で黒字化できたのは、ベイチケというネットでのチケット販売によるマーケティング強化でした。5年で売上は倍以上110億円になりました。コロナ禍で150億前後の売上で伸び悩みましたが、ウィング席の完成で3万人以上を収容することができるようになり、シーズン通してフル動員が可能になった2023年には200億円近い売上が期待できるのではないでしょうか?横はスタジアムの経営権を買収したことで、飲食、グッズの売り上げも球団の収益となり、球団の経営に寄与しています。選手もハマスタでの観客動員、グッズ販売が自分の年俸に結び付くことを知っているので、球団主導のファンサービスには積極的です。それだけでなく、選手からファンサービスの提案もあります。ファンサービスの中には勝った試合でしか受けられないものもあり、ファンのチーム勝利のための応援のインセンティブにもなっています。応援団と球団とも密接にコミュニケーションして、球場内とスタンドが一体化した応援ができる仕組みになっているところがハマスタのすごいところです。

#日経COMEMO #NIKKEI

チケット販売企画と座席改修企画

チケット企画グループの山岸氏は「観客動員に関しては1試合ごとに目標が設定されています。その目標に向けて日々情報をウオッチしながら、球団公式チケットサイト『ベイチケ』と様々なプレイガイドの在庫の調整を行っています。試合日によってイベント内容やターゲットが異なるため、各チケットサイトの顧客層の特性を生かしながら、チケットの在庫を最適化することはとても大切な業務です」と語ります。また今までスタジアムに来たことがないファンを集客してファン層の拡大にも努めます。「観客動員のために、招待施策を行っています。招待施策には2つの意味合いがあります。まず、まだスタジアムで野球を観戦したことがない方などに体験してもらい新たなファンになっていただくこと。そして、来場していただくことで飲食や物販など球場内での収益の伸長を狙っています。当初想定した券売需要や発売後の券売状況に基づき、様々なセグメントやターゲットへのアプローチ方法を検討しながら、招待を実施する試合を決定しています」オープン戦などを使った招待企画でハマスタの楽しさを知ったファンが、公式戦にも来場するという効果が相当あるようです。座席改修施策では「毎年の券売分析を行い、販売の需要に応じて座席改修場所の候補を決めています。既存座席との差別化を考えながら、新しい座席を企画していきます。今季は横浜スタジアムの全体を見渡すことができ、前後左右に仕切りがありプライベートな空間となっている『パノラマBOXシート』やテーブル付きの『Bテーブルツインシート』などを新設しました。どちらも好調で完売が続いています」とのことです。失敗した施策もあるようですが、マーケティングに基づいたチケット施策で確実に球団の売上は上がっています。

ファンを呼べる選手作りとチームになること

ベイスターズがファンを呼べるチームになるには、優勝争いの渦中にいることがとても大切になります。2016年ラミレス監督が就任して以降の7年で4度クライマックスシリーズに出場し、日本シリーズに1度出場しています。3位、2位2回、Bクラスも4位2回、最下位1回とAクラスにはいるようなチームにはなってきました。後は優勝です。そして選手はチームを強くするだけでなく、ファンを呼べるようなアピールが必要です。最もいい例がバウアーです。ユーチューバーとして国内外のファンを増やし、球団と提携している自らのブランドの売上を伸ばしています。220万円とも言われる高額な個人ファンクラブも想定以上の加入者がいたようです。ファンサービスが素晴らしく、メディア対応もうまい山崎康晃がチームの人気を牽引してきましたが、ファンを呼べる選手を作ること、或いは獲得してくることも重要になるでしょう。

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