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管理せず規律を正す青学野球部復活に学ぶ


お断り

今回の記事の中には一部の方に不快な印象を与える記述がございますことを予めお断り申し上げます。あくまで1ファンの私見ですので科学的根拠や歴史的史実に裏付けられた記述でないことをお詫びいたします。

ソトがロッテへ移籍お疲れ様でした

ベイスターズの話題では自由契約になっていたソト選手がロッテへ移籍となりました。2018,19年本塁打王、2019年打点王のソト。2023年は14本塁打でしたがまじめな選手です。6年間ありがとうございます。ロッテで頑張ってください。

春秋東都大学野球1部を制した青学野球部

オリックスが長い低迷期から3連覇したように青学野球部も2023年復活しました。常廣、下村とドラフト1位を2人出し、大学4冠(リーグ戦春秋、全日本大学選手権、明治神宮大会)に挑んだ明治神宮大会では、決勝で慶大に敗れて準優勝だったものの14年秋のシーズンを最後に2部に低迷するチームをどう再建したのでしょうか?

安藤監督の管理しない野球とは?

一時は2部リーグに低迷した名門を復活させたのは安藤監督の手腕です。学生時代は選手として活躍できず、学生時代から青学高等部の監督に就任して、20年でベスト8までに進出できるチームを作りました。そして低迷する大学野球部の監督に就任したのが19年です。低迷を続けていた野球部は惨憺(さんたん)たる状況で、「特に生活習慣がぐちゃぐちゃだった」とのこと。不規則な食生活や門限破りが常態化し、安藤が学生を起こして授業に向かわせることもあったようです。規律のなさを「無法地帯だった」と安藤監督は言います。生活を根本から見直そうと、安藤監督自ら寮に住み込み部員たちと向き合いました。例えば「幼稚園児に説明するように」アスリートとして食べることの重要性、作ってくれた人への感謝を一から説いたそうです。部員たちの箸が進むように、安藤自ら寮の食事を作る会社に頭を下げてメニュー改善を頼み込むなどの努力もして選手との距離を縮めます。

#日経COMEMO #NIKKEI

選手と真摯に向き合うことで管理せずとも選手は自生する

改革も実り、生活には改善が見られると。野球の結果にも結びつき、20年秋には2部で優勝し13季ぶりの1部昇格も達成しました。安藤は「話せば分かってくれたのが大きかった」と教え子たちをたたえますが、指導者が選手と真摯に向き合ってこその成果といえます。青学大はスポーツ推薦の枠が少なく、その枠を強い部活同士で分け合います。低迷が長くなれば当然枠は減りますし、駅伝部のように常勝チームになれば枠が増えます。そのため、運動部の選手として自分がすべきことを安藤監督は選手に問います。「指導・教育はしても管理はしない」寮生活への不満を訴えてきた部員に対して、安藤監督は、その口ぶりに横柄さを感じ「寮に住まわせてもらっている」という感謝の念を抱くことを学生に説きました。共同生活を送ることができるのも、大学側の金銭的負担があってこそ。そういった基本を教えることを「指導・教育」と捉え、指導者の重要な役目と考えています。「管理」は学生に委ね、「『人』も含めた環境」で青学野球部は強くなったと安藤監督は強調します。


管理野球は破綻する

管理野球で一世を風靡したチームでは、選手に玄米と野菜中心の食事で肉は食うなという指導者が、キャンプ中自分の部屋に大量の酒を持ち込み、肉も食べ痛風になり、選手の私生活にまで厳しくチェックをしていたのに、首脳同士が女を取り合い中互いするという姿に選手は呆れていたそうです。結果を残せていたからよかったものの、もはや管理野球では通用しない時代であると青学野球部は教えてくれます。

ベイスターズは自分の年俸はどこから来ているか教育している

ファンサービスは野球で勝つことだけ、グラウンドで笑顔を見せるななんていう指導者も流行りましたが、ファンにスタジアムに足を運んでもらってこそのプロ野球です。DeNAが親会社になってからは、どの席が一番高いお金を払っているかを選手に意識させているようにしているそうです。高いお金を払ったファンは、その対価の楽しい思い、ファンサービスを受けなければ、二度と来てくれません。試合前に笑顔で手を振る、ファンのカメラを意識して目線を配る等々、今のベイスターズの選手たちは意識できています。ファンあってのプロ野球。だから試合後のセレモニーも笑顔で行い、満足してファンは帰宅します。ファンを裏切りたくないから私生活でも羽目を外すことなく、グラウンドでもプロとしてファンが納得するパフォーマンスをしようと努力しています。結果として優勝できていないという部分でファンも選手も首脳陣も納得はできていませんが、そのゴールを目指して、新たなファンを開拓しながら強くなろうとしているベイスターズの選手たちは、管理されながらではなく、青学野球部のように選手自らが自制し、まだ見ぬ高みへ挑戦しようという姿は見受けられます。

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