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今季初のサヨナラ勝利も、采配で浮かび上がった疑問

こんにちは、ばやのりです。
2022年4月2日のゲーム、vs広島東洋カープinバンテリンドームナゴヤに関して、特に選手起用について思ったことが色々あるので書いていこうと思います。


1.試合の大まかなまとめ

試合は先発投手のマッチアップが広島が森下選手、中日が笠原選手でした。
試合は初回から動き、広島が新外国人マクブルーム選手の犠牲フライで先制しました。しかしその後は序盤は両チーム淡々とアウトを積み重ねました。
そして中盤に差し掛かる4回ウラ、中日が先頭の岡林選手のスリーベースでチャンスメークに成功すると、阿部選手が犠牲フライを打ち同点としました。

5,6回はそれぞれ広島が末包選手、中日が大島選手のホームランで1点をもぎ取りました。(末包選手はプロ初ホームランおめでとうございます!)
その後は両チーム中継ぎ投手を打ちあぐね、バンテリンドーム初の延長戦となりました。延長戦10,11回では両チームが譲り合うような展開でスコアが動きませんでした。

しかし、広島は12回に先頭菊池選手の四球、直後に選手のフィルダースチョイスなどを絡めて3塁へランナーを置きます。そして坂倉選手の犠牲フライで1点を返し、遂に勝ち越しを決めました。そして迎えた12回ウラのマウンドへは、去年中日戦無失点の「ドラゴンズキラー栗林選手が登ります。

しかし、この試合にはまだまだドラマが待っていました。石垣選手は初球で打ち取られたものの、続く溝脇選手が驚異的な粘りを見せ四球をもぎ取ります。そして打席にはこの日、節目となる通算250盗塁を決めるのみならずホームランを含む猛打賞と絶好調の大島選手。調子そのままにスリーベースヒットを放ち、同点としサヨナラのチャンスを演出します。最後は中日ファンに「天才」と称される岡林選手がプロ初のサヨナラヒットを放ち、試合を決めました。
栗林を「初めて」打ち、岡林の「初」サヨナラ、森選手の「初」勝利など、「」のものが多くチームにとって大きな勝利になったと思います。

試合には勝ったので、良かったように見えますが、いくつか気になる采配が見受けられたのでピックアップしていこうと思います。

2.早くも「3連投」解禁、「ブルペン根尾」の意味

まずは投手起用から。先発した笠原選手は打たれはしたもののホーム球場の広さにも助けられ、6回2失点でQSを達成しました。7回は清水選手、8回は勝ちパターンのロドリゲス選手が無失点に抑えます。

そして同点で迎えた9回ですが、今シーズンは新たに投手コーチに就任した落合英二コーチが基本的に「3連投」はしないという方針を定めていました。

https://radichubu.jp/spoooooon/contents/id=40762

前の2試合で連投をしているのは守護神のR.マルティネス選手のみであり、私は「方針もあるので誰が9回行くんだろう?」と考えつつ試合を見ていました。私は「まあ抑え経験のある田島だろう」と思っていましたが、なんとマウンドにはR.マルティネス選手が上がりました。方針のみならず、31日の横浜戦では同点の場面で登板し1回26球を投げ1失点で敗戦投手となっており、前日の試合でも調子がいいようには見えなかったので、私はとても心配でした。

しかし彼はそんな不安を吹き飛ばすかのように今季最速の156キロを投げ、1番から始まる打順を3者連続三振に抑えベンチに帰ってきました。まさに「絶対的守護神、ここに復活」と言ったところでしょうか。

結果としては今季のベストピッチングとなったものの、やはり8試合目にして決めていた方針を破っていたのが気になりました。このような起用は前日が大野選手、明日が柳選手でないと出来ない起用だったと思います。もちろんブルペンでの投球や本人とコミュニケーションを取っての起用だったと思いますが、優勝争いをしている時期でもないのに序盤からの起用は先行きが不安になります。現状の中日の中継ぎ陣は岩嵜選手の離脱祖父江、谷元選手の二軍調整などがあり盤石とは言えません。しかし田島選手、藤嶋選手など勝ちパターンの経験がある投手もいるので、決めた方針は「重要な場面以外ではしない」ということを心掛けて欲しい、その上で若手に色々なチャンスを与えて欲しいと私は思いました。

またもう一つ気になったのが12回に2番小園~5番坂倉の左打者が終わり、福投球に交代が告げられた際に根尾選手がブルペンで投球練習を行っていたことです。結果としてその交代では森選手がマウンドに上がり、最後まで抑え切りました。

しかしここで根尾選手がアップをしていたのはどういう意味だったのでしょうか。確かに根尾選手は高校時代「二刀流」として話題になり、名門大阪桐蔭で通算4度の甲子園出場、うち3度の優勝、3年時には投打で活躍を見せ春夏連覇を達成し大きく話題となりました。春のキャンプでは投球練習もしていたようです。

メジャーリーグではしばしば大量ビハインドで野手が登板することがあります。イチロー選手や青木選手といった名選手も過去には公式戦での登板があります。また日本でも、2020年に巨人が控えのユーティリティ選手である増田選手を登板させ話題になりました。

https://number.bunshun.jp/articles/-/844575

おそらくこの例にならっての根尾選手の投球練習だったとは思うのですが、増田選手とは違い、ビハインドはたったの1点、しかも打低球場のバンテリンドームでは1点の重みが格段に違います。このような場面で根尾選手を投げさせるのはどうかと思いました。現場としては森投手が投げられない場合の代わりとして考えていたのでしょうが、点差だけでなく投球には岩嵜選手のように怪我のリスクがつきまとうことなど、もう少し状況を見極めて欲しいなと私は思いました。

3.本来の守備位置とは違った守備陣

また野手の守備位置に関しても思うところがありありました。
9回ウラ4番ビシエドに代走髙松選手、7番石川に代打平田選手を送った場面です。
9回表の内野守備が一塁ビシエド、二塁阿部、三塁石川、遊撃溝脇という布陣でした。
対する10回表の守備位置が一塁阿部、二塁髙松、三塁溝脇、遊撃石垣という布陣になりました。

これがなぜ疑問になっているかと言うと三遊間の守備位置です。
去年の守備イニングは以下のようになっています。

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去年石垣選手が一番多く守っていたのは三塁で、遊撃との差は歴然としています。
溝脇選手が一番多いのは二塁で、遊撃は圧倒的に少ないです。
この数値を見ても、三塁石垣遊撃溝脇が妥当であるように思えます。

点を大量に取れるチームではないので、落合博満政権のような守備陣とは言いませんが、守備のレベルは控えでもそこそこあるので最低限試合を守り切れるような守備陣を形成して欲しいと思いました。打撃ではなく、守備に関しては奇抜な采配などいらず、守れる選手を順当に置いていくだけなので難しいとは思いません。若手選手のサプポジションの関係も含め、ここは見直して欲しいと思いました。

大きく2つに分けて疑問に思ったことをまとめてみました。開幕から数試合、細かい部分で采配が目立ちます。長いシーズンを戦うために、1試合1試合を全力で戦い抜くためにも、こういった起用も注目していこうと思います。読んで頂きありがとうございました。


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