中日ドラゴンズプロスペクトランキング~2024春編~
皆さんこんにちは。ついこの間始まったキャンプもあっという間に中盤、各チーム本格的な実戦が始まっています。
立浪政権も契約最終年となる3年目を迎え、今年こそ結果が欲しいところ。そんな竜の未来を担う若手選手達をピックアップし、ランキング形式で紹介していこうと思います。
今回のランキングをつけるにあたって、以下のように基準を設けました。
今回の基準に該当する支配下選手は13人でした。皆さんも誰が何位になるか予想しながら読んでみてください。
8位
8位 根尾 昂
根尾 昂:選手名鑑 - 中日ドラゴンズオフィシャルウェブサイト (dragons.jp)
これまでの活躍
根尾投手は2018年にドラフト1位で指名された、6年目を迎える選手です。
6年目とは言いつつも、4年目となる2022年の途中までは野手として出場しており、シーズン中に投手へ転向しました。転向したその年に一軍でも初登板・初先発を経験し、そのオフに正式に投手登録となりました。昨季は転向した2022年とは違いシーズンの大半を二軍で過ごし、終盤に先発をしました。オフにはアジアウインターリーグにも参加しています。
選手の特徴
本人も自称するように変化球投手と呼ぶべき投手であり、スライダー、フォークといった曲がりの大きい変化球を中心に投球を組み立てます。
制球やスタミナといった能力については、投手転向からかかった時間を考えても順調に伸びてきていると言えます。
順調にイニングを消化する一方で、四球を多く出す試合があったり、1試合で暴投4回・死球1という記録が示すように再現性に課題を残しています。
本人は打たせて取る投球を理想としており、完成形は本格派というよりは技巧派の投手なのかもしれません。
今季の目標、将来像
先述したように、ここまで基本的な能力は順調に伸びてきています。
今季の課題としてはやはり再現性を高めて投球を安定させることではないでしょうか。
根尾投手本人は新たな変化球としてカーブの習得に着手しており、今中臨時コーチに弟子入りしているようです。
今季についてまず前半戦は二軍で課題克服、後半から投球間隔を空けつつローテを回すというステップを踏ませたいところです。
将来的には先発ローテーションを担う投手になっていくでしょう。
7位
7位 仲地 礼亜
仲地 礼亜:選手名鑑 - 中日ドラゴンズオフィシャルウェブサイト (dragons.jp)
これまでの活躍
仲地投手は2022年にドラフト1位で指名されたプロ2年目を迎える投手です。
1年目となる昨季は二軍スタートとなりましたが順調に経験を積み、5月にはプロ初登板初先発を達成、7月にはプロ初勝利を挙げました。
シーズンを通して見てみると一軍二軍を往復する形とはなりましたが、大きな怪我もなく順調に経験を積めていおり、2年目となる今年は更なる飛躍が望まれます。
選手としての特徴
体格は小さい寄りではあるものの、一軍平均球速は147.4キロ、二軍平均球速は145.2キロと先発投手としては速い部類にあります。
変化球はツーシームとスライダーが中心であり、特にプロ入り後習得したツーシームはストレートに近い球速帯ながら手元で鋭く変化し三振も奪えており、投球の支えとなっています。
打者一巡すると極端に成績が悪化するという課題があり、オープナーやショートスターターといった短いイニングでの限定的な起用をするのも面白いかもしれません。ただやはり長いイニングを投げる先発として完成を目指すならばこの課題克服は至上命題となります。
今季の目標、将来像
昨オフの仲地投手はみやざきフェニックスリーグやアジアウインターリーグに参加し、カーブ、チェンジアップといった緩い変化球やカットボールの精度向上に挑戦していました。
仲地礼亜、カーブで三振、チェンジアップで三振 第3、第4の武器の習得に手応え【中日】:中日スポーツ・東京中日スポーツ (chunichi.co.jp)
中日の仲地礼亜、理想のカットボールへ「どんどん試していきたい」台湾で改善誓う:中日スポーツ・東京中日スポーツ (chunichi.co.jp)
先述した課題については仲地投手自身も変化球の種類を増やすという形でアプローチしているようです。プロ入り後に習得したツーシームが通用していることからも、指先感覚・変化球のセンスは優れていると思われるので、更なる期待が高まります。
今季は根尾投手同様に前半で二軍を卒業し、後半から一軍でローテ入りというシナリオが理想でしょうか。
6位
6位 鵜飼 航丞
鵜飼 航丞:選手名鑑 - 中日ドラゴンズオフィシャルウェブサイト (dragons.jp)
これまでの活躍
2021年のドラフトで2位指名を受けた、3年目を迎える選手です。ルーキーイヤーから一軍で出場機会を得ると4本塁打を放ちました。
2年目となる昨季は1年目とは打って変わって二軍を主戦場としましたが、一軍でも3本塁打とコンスタントに本塁打を記録しています。
オフにはドミニカやアジアで開催されるウインターリーグにも参加し、アジアWLでは4本塁打で本塁打王に輝きました。
選手としての特徴
182センチ100キロというドラゴンズでも上位の体格の持ち主で、見た目そのままのパワーを活かした豪快なバッティングが自慢の外野手です。そのポテンシャルについてはプロ野球の歴史に名を連ねる強打者のOBからも高い評価を受けています。
突出したパワーを有している反面、"儀式のような空振り"と称されるようにコンタクト能力や選球眼には1年目から継続して課題が見られます。
大柄な体格ながら足も速く、肩も強いという高い身体能力も持ち合わせていますが、その能力を守備に活かせてないという点もあります。
課題は多いですが、日本人離れしたパワーは他にはない彼の強みであり、昨オフ2つのウインターリーグに参加していることからも首脳陣の期待が伺えます。
今季の目標、将来像
鵜飼選手に関しては、粗がありつつも「二軍で経験を積む」から「一軍である程度投資をするべき」段階に来ているという存在です。そして選手の特性上、代打や途中交代の少ない出場機会で結果を出すよりはスタメンの4打席で結果を出すという形の方がマッチしているでしょう。
懸念点となってくるのが守るべきポジションであり、外野のレギュラーに細川・岡林の両選手がおりレフトは激戦区、守備がさほど上手くないことを考えても、高校時代に守っていたファーストも視野に入れたいところです。
ファーストのレギュラー候補がビシエド・中田のベテラン2人であることを踏まえても、鵜飼選手がファーストに収まるのはチームにとって長い目で見た時大きなプラスになるように思えます。
今季の具体的な数字目標は10本塁打を目指したいところ。
将来的にはモノになればシーズン30本塁打、もしくはそれ以上のアーチを描けるかもしれません。
5位
5位 上田 洸太朗
上田 洸太朗:選手名鑑 - 中日ドラゴンズオフィシャルウェブサイト (dragons.jp)
これまでの活躍
上田投手は2020年に育成ドラフト2位で指名された、4年目を迎える選手です。
2年目の2022年に支配下登録されると先発として8試合に登板し、プロ初勝利も記録しました。昨季はシーズン途中から一軍に合流し、全13試合でリリーフとして登板しました。
選手としての特徴
184センチ91キロとどっしりしており、左右問わずチーム内でも上位の体格を誇ります。
その体格とは裏腹に、制球力を活かした技巧派ピッチングが自慢の投手です。ストレートの球速は最速143キロ、平均140キロとさほど速くないですが、ボールのキレで打者を打ち取ることが出来、技巧派とは言いつつもしっかり三振が取れる投手です。
投球についてストレートとそれに近い球速帯のカットボールを軸に組み立て、他にはスライダー、カーブ、チェンジアップを巧みに投げ分けます。
更にはツーシームの習得にも挑戦しているようです。
昨季は起用法が定まらなかったこともあり、思うように先発の経験を積むことが出来ませんでしたが、先発投手としての実力は若手でも1,2を争うレベルにあるでしょう。
今季の目標、将来像
昨季は先発経験に恵まれませんでしたが、やはり2年目を見ても彼が生きるのは先発投手でしょう。本人もその意欲を見せています。
【中日】上田洸太朗は最多勝DeNA東克樹と自主トレ 同じ左腕の共通点「全てにおいて吸収したい」:中日スポーツ・東京中日スポーツ (chunichi.co.jp)
2022年のパフォーマンスが発揮出来るならば開幕からローテ入りを目指せるでしょう。今季は15先発・80イニング・防御率3点台を目標にして欲しいところ。
将来は同世代の髙橋宏投手とWエースという形でローテーションの柱を目指して欲しいです。
4位
4位 田中 幹也
田中 幹也:選手名鑑 - 中日ドラゴンズオフィシャルウェブサイト (dragons.jp)
これまでの活躍
田中選手は2022年にドラフト6位で指名を受けた、プロ2年目を迎える選手です。1年目となる昨季はキャンプの時点から猛アピールを続けて首脳陣からも高い評価を得ていました。その能力を遺憾なく発揮したのが侍ジャパンとの強化試合であり、第一打席で今永投手(現カブス)からヒットを放つとそのまま二盗を決め、次の打者のヒットで先制のホームを踏み、最終的に4打数3安打2盗塁という成績を残しました。この活躍は記憶に新しい方も多いのではないでしょうか。
オープン戦でも一時首位打者に浮上するほど高いパフォーマンスを発揮していましたが、帰塁でヘッドスライディングをした際に肩を脱臼、手術を余儀なくされ、終盤に二軍で復帰をしたものの1年ほぼ全休という形でシーズンを終えました。
選手としての特徴
166センチ68キロと小柄な田中選手のプレースタイルで特筆すべきは"忍者"とも称される、抜群のスピードを活かした守備走塁です。足さばきを活かした広い守備範囲が持ち味であり、二遊間の両方を高いレベルでこなします。ただ足が速いだけでなく、細かな走塁や盗塁の技術もしっかりと持ち合わせており、その守備走塁でお金を取れる選手と言っても過言ではないでしょう。
打撃に関しても小柄ながら、速球にも振りまけず捉えたらフェンス際まで飛ばせるパンチ力があり、ひとたび外野の間を割れば瞬く間に次の塁を陥れます。コンタクトにも長けており粘ることが出来るのも強みで、田中選手にドラゴンズの黄金期を支えた"アライバ"の2人の姿を重ねる方も多いのではないでしょうか。
今季の目標、将来像
守備走塁に圧倒的な強みがあり、控えにいたら重宝され少ない出場機会でも結果を出すことが出来るタイプでしょう。しかし彼の強みはそこだけに限らないところであり、打撃の能力も考えるとレギュラーで起用していきたい選手です。
病気のことも考えると無理させることは出来ませんが、負担も考えて実質1年目となる今年は守るポジションをセカンドかショートの片方で固定、スタメン試合数を決めるなど起用に制限をかけて50試合・20盗塁あたりを目指して欲しいところです。
将来的にはチームの二遊間レギュラーだけでなく、日本代表で守備走塁のスペシャリストとして代表入りするビジョンも描けます。
3位
3位 石橋 康太
石橋 康太:選手名鑑 - 中日ドラゴンズオフィシャルウェブサイト (dragons.jp)
これまでの活躍
2018年にドラフト4位で指名された6年目を迎えるキャッチャーで、ルーキーイヤーからコンスタントに一軍の試合に出場しています。
年々一軍での試合数を増やすと、昨季は怪我で出遅れたものの自己最多の39試合に出場し、自身初となるホームランも記録しました。
また、オフにはアジアプロ野球チャンピオンシップのメンバーにも選出され世界一を経験するなど、数字以上にインパクトを残す1年となりました。
選手としての特徴
181センチ94キロと大柄な捕手で、年々打撃成績を伸ばしてきており、バンテリンドームのスタンドに放り込めるパワーなどを考えても、十分に打てる捕手の部類にあるでしょう。
打者としてはインコースに強く、引っ張り方向に打球が伸びる天性のプルヒッターであることが最大の特徴です。コンタクト能力も改善の傾向が見られ、ドラゴンズの打者でも屈指のプロスペクトといって良いでしょう。
キャッチャーとして魅力的な高い打力はもちろんのこと、肩の強さにも定評があります。
リードについても経験を積んだことで評価されてきており、日本代表入りなどもしたことでキャッチャーとして順調な成長曲線を描けています。
【岩瀬仁紀チェック】ドラゴンズ・石橋に「キャッチャーとしての落ち着きが出てきた」:中日スポーツ・東京中日スポーツ (chunichi.co.jp)
キャッチャー以外にも二軍ではサードの経験があり、個人的には他にはコーナーもやれるくらいの打力は十分備わっているとみています。
今季の目標、将来像
正捕手には攻守に優れる木下選手がいるものの、衰えなども踏まえるとやはり今季の石橋選手には第二捕手としての立場を確立してもらいたいところです。
首脳陣から信頼を勝ち取り木下石橋併用体制を敷く、個人的にはスタメンマスクはこの2人のみでいいくらいだと思います。
数字的な目標だと70試合に出場しキャッチャーの守備イニングとしては500イニング、打撃では5本塁打あたりでしょうか。
将来的にはチームの正捕手を任され、シーズン2桁本塁打も視野に入る球界屈指の打てる捕手になりうるでしょう。
2位
2位 松山 晋也
松山 晋也:選手名鑑 - 中日ドラゴンズオフィシャルウェブサイト (dragons.jp)
これまでの活躍
2022年に育成ドラフト1位で指名された、プロ2年目を迎える選手です。
ルーキーイヤーから二軍で成績を残し続けると支配下登録され、初登板を三者連続三振という圧巻のデビューで飾りました。その後離脱があったものの、終盤まで一軍に帯同しました。
選手としての特徴
188センチ92キロと縦にも横にも大きく、長身を活かした高い角度から豪快なテイクバックで最速156キロのストレートを投げ下ろす本格派リリーフ投手です。
非常に高い奪三振能力が魅力で、昨季は一軍でK%34.2%・K-BB%24.7%という驚異的な数字を残しました。
投げているボールのみならず、「打てるもんなら打ってみろ」と言わんばかりの鬼の形相や雄叫びにも迫力があり、相対する打者はこの上ない恐怖を感じるでしょう。
投球の9割をストレートと落差のあるフォークが占めるツーピッチスタイルであり、ここは強みでもあり伸びしろとも言えます。ほぼツーピッチながら抑えているのはそれだけボールが強いという証明でしょう。抑えを目指すならばR.マルティネス投手のように他に使える球種が欲しいところ。本人も投球の幅を広げるため、パワーカーブ習得へ意欲を見せているようです。
また、ハングリー精神やドラフト当日に大学グラウンドのマウンドで眠った独特のエピソードから伺えるメンタリティも強みのひとつで、その点においても抑え向きの投手と言えます。
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オフの名物企画であるS-PARKのNEXTブレイク部門ではチーム内外から評価を受けており、投手のNo.1プロスペクトで間違いないでしょう。
今季の目標、将来像
1年目に一軍、二軍合わせて59登板で56.2回を投げており、投げているボールの強さなども考えると、やはり怪我が怖いです。逆に現状それ以外は大きな懸念材料がありません。
今季は勝ちパターンに入り目標としている50登板を防御率1点台で達成したいところ。パフォーマンス次第ではオフのプレミア12でも勝ちパターン入りが見えてきます。
将来的にはR.マルティネス投手の後釜が必要になるドラゴンズに限らず、日本代表でも抑えをやれるくらいの投手になっていくでしょう。
1位
1位 ブライト 健太
ブライト 健太:選手名鑑 - 中日ドラゴンズオフィシャルウェブサイト (dragons.jp)
これまでの活躍
ブライト選手は2021年にドラフト1位で指名を受けたプロ3年目を迎える選手です。ルーキーイヤーは怪我もありあまりまとまった出場機会を得られていませんでしたが、2年目となる昨季は二軍での出場機会に恵まれ、シーズン途中で一軍デビューも果たしました。
選手としての特徴
184センチ88キロの身体に抜群の身体能力を備えており、特に広い球場でも放り込めるパワーと脚力を活かした高い攻撃力が最大の持ち味です。1年目から2年目にかけて大きく成績を伸ばしており、成長スピードはNPBでもトップクラスと言えるでしょう。
その反面守備力はまだ強みを出せていません。身体に出力が追いついていないせいなのか、怪我が多いのも懸念材料のひとつですが、それを差し引いても圧倒的なスケールの大きさは他にはない魅力と言えるでしょう。
また、声掛けを欠かさずチームの盛り上げ役に徹するスタイルも魅力のひとつです。
今季の目標、将来像
鵜飼選手同様に一軍で投資する対象となる選手であり、絶対的なレギュラーのいないレフトのポジションでも優先して起用していきたい存在です。
数字だと100試合で20二塁打・10本塁打・10盗塁を目標にしたいところ。高すぎるという意見もあるかもしれませんが、これくらい期待してもいいと思います。
将来的なポジションは岡林選手の存在を考えると両翼に落ち着きそうですが、攻撃面でチームに貢献してレギュラーを狙える存在です。底知れぬポテンシャルが開花すれば日本代表入りも見えてくるでしょう。
まとめ
今回は8人の選手を紹介しました。いかがでしたか?皆さんが予想した選手はいたでしょうか?
今回の基準では打席の関係で漏れてしまった龍空選手や村松選手、オールドルーキーとして指名された福永選手など、対象外となってしまった選手にも魅力のある選手がたくさんいます。
何かと話題の尽きないドラゴンズではありますが、「若い選手はこんなにも魅力的なんだぞ!」ということを知ってもらえれば、このnoteを書いた甲斐があります。
若竜の飛躍とドラゴンズの明るい未来を願って、今回は締めさせていただきます。読んでいただきありがとうございました。
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