【日常茶飯事】友達、恋人、家族、ペット。
相手を、自分のことのように、想うことができたら、素敵ですよね(^^)
健康のことや、心のことはもとより、今の現状、すべてを。
苦しみや、悲しみ、喜びも、すべてを受け入れ、流していく。
やがて、心の内側が、ほのかに光ってきて、身体の内側から、光がもれてくる感じがするはずです。
輝いた手のひらから出た癒しの光が、相手を包み込むみたいな感じでしょうか?
全体が、輝き始め、心地よい波が、漂っているのでしょうね(^^)
大切な人たちを、もっともっと大切にしよう。
【今日の俳句】
■友達
オスカル・メリカント「夏の夜 Op.1」/【今日のクラシッ句・リターンズ】『友笑い はしゃぎ歌いて 夏の夜』
椎の花同病友達眸に深く/斎藤玄
花広し呑友達は尽くるとも/調水
遺されし男友達業平忌/山田弘子
妻にある男友達三十三才/上野一孝
春来とも友達言葉の友失ふ/及川貞
友達と柿を頬張る吉良の寺/田中恵子
友達のやうな夫婦や玉子酒/山田弘子
友達の多くはない子麦の秋/二村典子
母にある幼な友達赤のまま/大橋敦子
終生の遊び友達筆はじめ/玉井アツコ
双六の友だち来たり坊が春/羅蘇山人
大雷雨女友だち来てをりぬ/須川洋子
億光年の風が友達騎馬少年/岸本マチ子
友達の影やはらかく犬ふぐり/川崎展宏
友達は男ばかりや麻刈り女/長谷川秋子
句友達にて恋仲や子規祀る/成瀬正とし
友だちを汚せし烏賊の泪かな/攝津幸彦
支那粥やかすみのやうな句友達/渡辺恭子
雪虫にはうばうかざしゐる友達/杉野一博
去りたがらぬ虻も友だち危いな/金子兜太
マイホーム似すぎはだめよ男友達/江里昭彦
撫子や吾子にちいさき友達出来/加倉井秋を
秋夜寒オートバイだけが友達なの/栗林千津
夜学師に歌の友だち来て居りぬ/吉岡禅寺洞
撫子や吾子にちひさき友だち出来/加倉井秋を
■恋人
ジョルダーニ「カロ・ミオ・ベン(愛しい私の恋人)」
立冬や体温高き恋人よ/三池泉
兄以上恋人未満掻氷/黛まどか
恋人のいつか後に立て居る/山店
春水の影も手を組む恋人ら/林翔
恋人に近づく冬の象の鼻/皆吉司
恋人と書院に語る雪解かな/泉鏡花
恋人をかくした芒かれにけり/一茶
成人の日は恋人の恋人と/如月真菜
妻は恋人一人静の深山口/原子公平
恋人のからだの丘も春の暮/正岡豊
恋人のスミレは只に菫色/攝津幸彦
白芙蓉今日一日は恋人で/宮田朗風
空中に虻とどまれり恋人来/小澤實
麦秋の耳に陰もち恋人よ/久保純夫
三歳に恋人がゐて水遊び/都築智子
恋人の肌覗きけり二日灸/川合仙子
恋人の舌重き満水の禁猟区/安西篤
その日より恋人の消え鎌鼬/窪田英治
綿虫を見ずや森ゆく恋人ら/堀口星眠
春の雪吾子の恋人餉に加へ/田中純子
恋人も仮眠の蝶も指で突く/新庄佳以
恋人と別の水汲む夕ぐれは/久保純夫
恋人は飛のような靴で来る/瀬間陽子
恋人よ椿の落ちる湖がある/柿本多映
恋人の乳守出来ぬ御田うヘ/井原西鶴
一掬の水をダリアに恋人に/小林貴子
働いてきて恋人ら薔薇公園/和知喜八
初電車子の恋人と乗り合はす/安住敦
恋人の大きな臍を守りけり/岡田秀則
古き古き恋人に逢ふ春の夢/草村素子
恋人へ小さな滝を与えたり/鳴戸奈菜
恋人の踊りの帯を直しやる/伊藤通明
鴨濡れて恋人の傘細かりし/瀬間陽子
雑喉ねせし其の恋人のよぶ声か/蝶夢
恋人よ雪が時間が降りつもる/鳴戸奈菜
恋人よ電信柱はしづかに晴れ/桑原三郎
恋人よ鴨の頭をさげてゆく/宇多喜代子
恋人よ麦分け行けば岸がある/安井浩司
恋人はアネモネに似て喘ぐかな/三池泉
火を噴くは檜の墓標恋人よ/鈴木六林男
秋風や背に恋人のうすあぶら/江里昭彦
恋人も海市も待つは幸ならむ/橋本榮治
薄紅葉恋人ならば烏帽子で来/三橋鷹女
恋人が去り部屋中に恋そだつ/高柳重信
恋人となるにふたとせ薄紅葉/満田春日
恋人とひとり間ををく踊りかな/清水浩
恋人のああ何の瞳ぞ薔薇映し/高柳重信
恋人の肌はつかしきひるね哉/正岡子規
恋人はめんどうな人さくらんぼ/畑耕一
恋人よ有る時をこそ木賊立つ/安井浩司
恋人を待たせて拾ふ木の実かな/黛まどか
シャガールの恋人たちの冬木立/石原八束
シャガールの月恋人に夜が白む/橋本榮治
泪羅の淵に夕べ逢いたる恋人よ/寺井谷子
老いてゆく恋人よ葡萄棚の下/今井杏太郎
右側に恋人の居る冬景色/ともたけりつ子
折りたたむ音楽隙間に恋人たち/伊丹公子
抹香くぢらの裏から帰る恋人よ/攝津幸彦
恋人の顔して待てりさくらどき/柴田奈美
恋人は見ざりしといふ流れ星/遠藤若狭男
恋人や額にあおい木がしげり/津沢マサ子
水の流れる方へ道凍て恋人よ/鈴木六林男
恋人も枯木も抱いて揺さぶりぬ/対馬康子
恋人と骨のかけらを取り換える/中田美子
椿いくつも嗅ぐ恋人のなき旅は/宮坂静生
恋人はおいてけぼりや鱒を釣る/如月真菜
犬掻きよ十年後の恋人よ/土肥幸弘
デモすすむ恋人たちは落葉に佇ち/宮坂静生
ポプラ並木枯葉と踊る恋人たち/千葉ちひろ
月はまだレモンのかたち恋人たち/川崎展宏
猫の恋人目なんぞにおかまいなく/高澤良一
恋人を待つマフラーをゆるく巻き/柴原保佳
恋人たち言葉ヨットのように過ぎ/前川弘明
落日はげしくて黙る廃礦村の恋人/伊丹公子
鳰見てゐるは母子その他は恋人達/鈴木栄子
恋人たちにレモン月夜の飛行船/草薙朱砂郎
恋人たちに海猫はふと沖の絵の具/吉田透思朗
フリージア子に恋人のできたるらし/宇咲冬男
わが恋人涼しチョークの粉がこぼれ/友岡子郷
恋人奪いの旅だ/菜の花/菜の花/海/坪内稔典
千万年後の恋人ヘダリヤ剪る/三橋鷹女
虎の尾を一本持つて恋人来/小林貴子
透明な温泉壺に沈ませている裸形の恋人も/橋本夢道
■家族
プッチーニ「歌劇「ジャンニ・スキッキ」私のお父さん」
ニールセン「劇音楽「母」Op.41, FS 94-霧が晴れていく」
清貧の幸せ家族染卵/田中博之
雪晴や椋鳥家族庭前に/堀口星眠
日曜の家族の揃ふ薬喰/満田玲子
初苺家族の数の匙ひかり/河前隆三
雨戸して三人家族根深汁/坂本宮尾
鳥雲に家族が囲む車椅子/岩波文子
初雪や家族の数の藁帽子/大図四星
一日を遊ぶ桜と疑似家族/高澤晶子
沈丁花家族四人が庭の内/瀧井孝作
馬も家族村は霰を迎へけり/有働亨
家族みな揃はぬ年の改る/稲畑汀子
花杏冥途の家族ねむからむ/石寒太
家族ごと家空け隣家夏休/高澤良一
家族従者十人ばかり墓参/正岡子規
椋鳥を仰ぎ墓参の二家族/藤田湘子
花南瓜雑居家族の飢深し/小池文子
家族みな使ふ一つの胼薬/香山節子
福寿草家族のごとくかたまれり/蓼汀
星凍つ下煉炭とれぬ幾家族/古沢太穂
鰯雲死者の家族は海見つつ/椎橋清翠
女正月家族出払ひ一人酒/坂井原秀互
春の山一列に来る鹿家族/梶山千鶴子
飛び走る小犬も家族汐干狩/鈴木御風
春嵐鳴りとよもすも病家族/石田波郷
霧は家族の匂ひ峠の木下闇/広嶋爽生
父に向く家族の膝や敬老日/中山良章
病家族二つの蚊帳を高低に/石田波郷
母系家族水仙の芽の同形に/宮坂静生
雛飾る女系家族のなかの俺/中村重義
家族和解す湿原に降りゆかば/仁平勝
雑炊や頬かゞやきて病家族/石田波郷
家族皆一声づつの初電話/中野美智子
灯して絨毯暗し帰化家族/下村ひろし
レモン吸う難民家族聖家族/対馬康子
菜の花に足の隠れる家族かな/笠/学
月明の四つの影を家族とす/寺井谷子
釣宿の家族にまじる春炬燵/小林勇二
緑蔭に書き訓へ聖家族めく/高橋睦郎
歯刷子も三人家族夏至の雨/鈴木鷹夫
写真館の家族写真や啄木忌/内田美紗
幻想遺跡枯草色の家族住む/伊丹公子
形代に記す家族の年を聞き/荻江寿友
彦根城入れて家族の初写真/安居幸
恙なく家族居ぬ昼花うばら/寺井谷子
凡家族たり夏潮に臍浸けて/清水基吉
納豆の糸ひく朝餉断絶家族/中台春嶺
三人は家族の初め団子花/上田日差子
川漁の石を叩いて冬の家族/樫谷雅道
加湿器を裾に油彩の聖家族/大島民郎
簒奪の砦に遊ぶサリー家族/伊丹公子
扇風機首振る幅に家族をり/金子潤
匙音を立てては水着家族散る/桂信子
移り来し団地家族のかき氷/仙田洋子
手花火のあと深閑と病家族/尾崎光尋
天井扇の風圧混血家族寄る/伊丹公子
朝早く家族のそろふ墓参り/釜田茂喜
墓洗ふことの露けき聖家族/杉山岳陽
壁穴のいとども加へ聖家族/平畑静塔
散るために家族集うか初日記/峠素子
夜の目の家族青柿硝子越し/桜井博道
秋草に穴居の家族鶏飼へる/西島麥南
花筵敷きて平らな家族かな/後藤立夫
鴫焼きや家族菜園手前味噌/中村温子
いち抜けて長女が嫁ぐ春家族/鈴木鷹夫
福寿草家族の如くかたまれり/福田蔘汀
秋ざくら牛も家族の大藁屋/柴田白葉女
秋冷の家族にわかつ箸のかず/飯田龍太
くわゐ堀家族総出の泥まみれ/細見綾子
秋潮に揺れつゝ船の家族診る/元島君子
さるすべり女系家族に塀高き/大角泰子
箱庭に家族せつなく向かい合う/秋尾敏
缶切るやいずれが脆き桃/家族/渋谷道
胡瓜喰らひ息の涼しき貧家族/澤木欣一
舟家族陽炎ふ水に梯を垂れ/肥田埜勝美
花芥子や家族のみ知る隠し鍵/山田弘子
蒲団干す学生だけの留守家族/高間礼子
蟋蟀や壁へだて住む二タ家族/川村紫陽
西日家族督促状のひらひらす/守屋明俊
聖家族垣なく住めり胡桃落つ/堀口星眠
釣糸をその数垂らし避暑家族/行方克己
長身の喪の家族なり菊日和/赤松けい子
トロ箱に田水張る日の家族です/倉本岬
雛飾る女系家族のにぎやかに/岡村淑子
雪嶺を慈母とす開拓の聖家族/岡田日郎
ペーチカに鶏も遊べり聖家族/沢田経生
青芝や家族賑やかなりし頃/富田のぶ子
青葉どきの夕飯家族顔浮いて/川崎展宏
一と朝の紙漉き家族の蜆殻/加倉井秋を
養蜂家族いま紫の野花に暮す/金子皆子
鶏頭を太らせ女系家族かな/志村あい子
一茶忌の雀の家族焚火越す/秋元不死男
七種を祝へば散つてゆく家族/稲畑汀子
並び立つ画家の家族に秋の風/高澤晶子
二家族うち連れ戻る墓参かな/高野素十
今年また家族に加へ軒つばめ/池村惇子
今年また須臾の家族や夏料理/池田守一
休日の家族藺草のスリッパで/棚橋澄子
元日の服喪家族に午後長し/玉置かよ子
麦秋の首のあたりに棲む家族/栗林千津
冬菫家族が増えるかも知れぬ/瀬谷博子
冬鵙が家族のごとし喪の終り/中山純子
冷まじや視線異なる家族の絵/平林孝子
麦蒔の牛も家族として憩ふ/金子伊昔紅
麺麭家族祭農家にはさまれて/右城暮石
北窓をあけて喪にある家族かな/森田峠
台風に活気づいてる家族かな/深町和子
喪の家族三人冬芽の紅とあり/橋本榮治
黄落やジーンズ家族に空の青/藤田直子
黄金週間岩の平らに家族寄り/池田秀水
夏楊ヤクと共寝のひと家族/伊藤いと子
夜咄の河童に家族なかりけり/岡崎桂子
夢さめて家族と丹頂鶴をよび/阿部完市
七草の家族はやわらかい樹海/小林一村
太箸や家族たしかめ合ふ正座/今木幸子
嫁してより家族は二人玉子酒/荒昔英子
家族ある森へ皆去り春鴉/阿部みどり女
家族という四角い隅の煤払う/粥川青猿
家族の数割れば小揺らぎ寒卵/中村明子
家族ゐて十一月のはじまりぬ/藺草慶子
家族皆法被着て売る晦日蕎麦/関口美子
寒鮒飼ひ出稼家族音もなし/能村登四郎
山吹のただよう朝の雑居家族/中島伊都
工事幕の内側ともす梅雨家族/桜井博道
枇杷の肛門すすり家族ら霊迎/江里昭彦
揃ひたる家族九人の雑煮かな/稲畑汀子
摘出癌見入る家族の余寒かな/秋葉舟生
暑気払ひ皆呑む家族楽しき時/高浜虚子
朝ざくら家族の数の卵割り/片山由美子
朝寒家族道化雀に救はれて/堀井春一郎
獅子舞に家族起立の町工場/菊地美恵子
柿山にをり日曜の家族たち/中戸川朝人
栗煮えて食後の家族また集ふ/高橋悦男
桐あふち薄暑夕餉の家族見ゆ/宮武寒々
梨を剥く家族に昔ありにけり/出口善子
椅子の脚砂におちつき避暑家族/桂信子
母の日の家族が囲む往診医/山田ゆう子
母系家族は白のあけくれ油照/長谷川双
汗ばみて薨去を語る家族かな/渡辺水巴
炎天へ出揃いチェホフ忌の家族/徳弘純
産衣着てはやも家族や蝉涼し/渡辺水巴
病むわれが核の家族や冬支度/今村俊三
病家族あげて紫苑に凌がるゝ/石田波郷
白息交し貯炭場家族煤け果つ/小林康治
砂漠の家族/ガラスに指紋/高橋比呂子
うす味に土筆を炊いて不和家族/長谷川双
柚子湯出て家族の中に戻りけり/藺草慶子
洪水の明るさを行く家族を連れ/森田緑郎
葱の花の天ぷらのいろ喪の家族/小高沙羅
聖菓の円切るに家族は二人きり/品川鈴子
葡萄棚の地面の紫紺家族老いて/伊丹公子
酸味つよく家族いる夏のまないた/渋谷道
ゆふべ鰯かこめば古代家族めき/楠本憲吉
郭公や家族の朝餉まちまちに/松倉ゆずる
れんげうや十大家族いまひとり/小松市子
軒つばめ家族みんなの顔見知る/守屋井蛙
オリオンも三人家族あたたかし/鈴木渥志
見えぬ垣をめぐらし芝の家族かな/伊藤和
肉食家族に黄砂は夜を流れおり/寺井谷子
山の馬車晩夏の家族のれば満つ/宮坂静生
新しく家族となりて聖果切る/上田五千石
手を振りし家族のために大夕焼/櫂未知子
蜂飼の家族をいだく花粉の陽/福田甲子雄
落葉焚き家族守らむ燃えながら/対馬康子
一人居は家族と言へず冬牡丹/前田千恵子
水草の花ゆらゆらと母子家族/海老名衣子
冬川につきあたりたる家族かな/手葉皓史
汐干狩家族は距離を置きて和す/龍野龍
動く歩道に家族の詰まる晩夏光/大石雄鬼
茎の石見えて家族ら誰もゐず/百合山羽公
藁焼けばむらがる日影留守家族/成田千空
盆北風や尾灯遠のく子の家族/本多チヅ子
看護婦もわが家の家族屠蘇の膳/市村不先
紅葉狩女ばかりの家族かな/長谷川零餘子
着ぶくれて女系家族の主たり/中野貴美子
睡蓮やどこからどこまでが家族/二村典子
砂浜に砂の椅子など運ぶ家族/高桑婦美子
核のなき家族となりぬ鳥雲に/市野沢弘子
風邪引いて家族の絆戻りけり/菅原くに子
家族ゐぬとき冬日の忍び寄る/百合山羽公
暑休家族の幸福同形カヌー反る/伊丹公子
離農家族炎天に犬をのこし去る/細谷源二
家族みな朝寝坊勤労感謝の日/南まさとし
父少しけむたがられて避暑家族/千原叡子
杉より杉生れ夕霧のなかの家族/桜井博道
風呂吹や家族三人は輪になれず/白岩三郎
風通るテラスにてピザ避暑家族/高澤良一
家族いま五人半なり屠蘇を酌む/山田弘子
男ばかりの家族となりて針供養/荻山忠男
女家族は紙屑多し山茶花散る/中村草田男
女家族に熊手のおかめ加はりぬ/毛塚静枝
大向日葵めぐらし家族みな長身/吉野義子
病む妻に家族に花の過ぎにけり/嶋田一歩
歳晩の月まるまると家族かな/小田中柑子
春の灯がともる似た家似た家族/田沼文雄
我が出生に咎なし冬陽の聖家族/平井さち子
籐椅子の家族のごとく古びけり/加藤三七子
憲法記念日砂鉄のやうに家族寄る/田中哲也
紫雲英田に家族の素足揃ひけり/豊田曳峰
常節を煮るなまぬるき家族かな/小泉八重子
柚子味噌やひとの家族にうちまじり/岡本眸
月下美人母系家族の声の張り/鍵和田ゆう子
崖したのさみしき花下の跪坐家族/下村槐太
蝉の羽化視てゐる家族十四の瞳/伊藤いと子
河口家族へあかあか燃える師走の/伊丹公子
小綬鶏の家族らし谷ゆきどまり/加藤瑠璃子
蚊帳の中たちまち家族濁るなり/岡崎るり子
更けて揃ふ宿の家族や山女吊る/平井さち子
見舞はれて家族の揃ふクリスマス/後藤一秋
逃げ水のあときれぎれに喪の家族/渡辺純枝
遠き田にのびちぢみして鶴家族/上野さち子
煙草にがし寄り合ひ食らふ黴家族/小林康治
長城足下養蜂家族がいるわいるわ/金子兜太
お雛さま飾り家族の増えしごと/伊藤トキノ
さくら満ち薄くれなゐに家族ゐし/中山純子
ひとりづつ家族を覚ましひとつの蚊/金子潮
ひらひらと金今日より家族なり/山口超心鬼
クリスマスわが箸まじる箸家族/磯貝碧蹄館
ストックを家族で仕分け吠える犬/川崎展宏
年祝ふ家族の増ゆることもなく/山口波津女
バスタオル華やかに干し避暑家族/堀内雄之
バンツァン湖の約束の青移住家族/伊丹公子
ポインセチア画中に暗き聖家族/上田日差子
風邪うつしうつされわれら聖家族/伊藤白潮
一標札に混み合ふ家族名日向ぼこ/香西照雄
処暑の風入れて家族の帰り待つ/阪尻勢津子
守宮窓に家族減りゆくばかりなり/鈴木和恵
馬橇家族どれも老父のうちかがみ/堀口星眠
土地つ子の犬にかまけて避暑家族/行方克己
眠る家族われとごきぶり寝遅れて/川村紫陽
木菟きいて皆ねむげなり家族なり/中山純子
気の合ひし三組家族やキャンプ行/松木正雄
気の強き家族みんなでバタフライ/櫂未知子
笑ひあふ家族がありて四月馬鹿/柴田白葉女
帰り来て無言の家族いちじく食ふ/松崎鉄之介
胡桃割る栗鼠となりゐて夜の家族/猪俣千代子
繭運ぶ雲の家族ら峠越ゆ/武田和郎「黒文字」
賀状色刷り家族の名前また殖えて/小沢多留男
盂蘭盆の家族そろひし朝はじまる/福田甲子雄
柚湯たて家族すくなくなりにけり/上井みどり
ゆふやみ来てひたひた並ぶ夏の家族/平塚幸子
高く杉あり列なしてわが家族の飢え/阿部完市
蒔かざりし花種も萌え喪の家族/鍵和田ゆう子
未知の地に家族かたまり干鱈裂く/村上喜代子
煮え過ぎのおでんに減つてゐし家族/稲畑汀子
藁塚も家族かわれらのヘッドライト/香西照雄
殖えてまた減りゆく家族雑煮食ふ/大橋桜坡子
土用うなぎ家族ぐるみの夜となれり/中島宗々子
ポインセチアもぐらのような家族たち/渡部陽子
家族とは両の手にとりこんだ洗濯もの/段証琴子
キャンプ張る家族揃ひのシャツを着て/宮田俊子
オゴポコ出ないか暑休家族に湖の晩餐/伊丹公子
秋の灯に寄りてみたりの家族かな/長谷川かな女
うなづき合ふ家族欲しき夜とろろ汁/中川須美子
早口家族ぽっかり穴があき/さくら/金谷サダ子
峡深く住む家族みなちやんちやんこ/鍵和田ゆう子
防空頭巾の家族写真ざりがに食みし/ひらきたはじむ
■ペット
ショパン「ワルツ第6番 変ニ長調 「子犬のワルツ」 Op.64-1」
アンダーソン「ザ・ワルツィング・キャット(踊る子猫)」
夏休みペット病院満員に/塙きく
身に添ひて窪みしペット冬籠/上野泰
マンゴー売るペットの鸚鵡肩に止め/服部郁史
ペット屋におたまじゃくしのおたま哉/高澤良一
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?