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ドイツでのシェアハウス事情

私は18歳で実家を出てから、一人暮らしというものを今までに1度、2年ちょっとしかしたことがない。

日本の大学時代は寮に住んでいて、一部屋に2人から4人が同居で、1回生の時点で50人いた女子の同回生が卒業の時点で8人になっていたということからも、いろんな意味で4年間「濃い」寮生活やった(笑)。

大学卒業後は、就職先の同僚の家に転がり込んで同居をさせてもらい、ドイツに来てからは学生寮(個室!)、アパートメントや家のシェアをして、2人~最大で15人暮らしをしてきた。

ドイツでは、アパートメントや家を他人とシェアして共同生活することをWG(=Wohngemeinschaft(居住共同体)の略)と呼んでいて、特に学生時代のうちはけっこう多くの人が経験するんじゃないかなあと思う。主な理由としては経済・物理的なメリット(一人暮らしよりも家賃が安い、キッチンが大きめやったり、リビングルームがあったりして、共同ではあるけど使えるスペースが一人暮らし用アパートより広い、電化製品や食器、鍋、インターネットなど共同で使うので家賃以外でもコストが抑えられるなど)がまず第一に挙がってくるけど、一人で住むよりは人と住む方が楽しいっていうのも理由としては大きい。特に私みたいに、大学をとっくに卒業して、年も30以上で、仕事が手にあって、経済的に無理しなくても一人で住めるのに、「わざわざ」シェアしている人たちにとっては、経済的事情よりも社交的理由のほうが大きい。ただこういう人たちは、ドイツでもどちらかと言えば少数みたいで、この年になると自分に合うWGを見つけるのが、10年前よりもむつかしくなったなあというのが私の個人的な経験。

友達と一緒に住み始めるというのもあるけど、たいていの場合、自分が入居したいWGを見つける、もしくは自分が住んでいるWGの新しい同居人を見つけて、それまで全く知らなかった相手と住むことになる。そのために、ローカル新聞に募集をかけたり、近所のお店に張り紙をしたりってこともできるけど、やっぱり主要はインターネット。私がいつも使っている専用のプラットフォームでは、同居人募集中のWGが、条件(どこの町、家賃、部屋の広さ、入居可能日などに始まって、同居人の数、性別、年齢、学生か社会人か、たばこを吸うのはOKかなど)をけっこう細かく入力できるようになっていて、WGを探す方も、自分の希望条件にチェックを入れることで山のようにある募集をフィルターにかけることができる。

ためしに、今ベルリンで同居人を募集しているWGを何の条件もなしに探すと、3138ある。

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そこに条件として、住む期間無期限、4月1日以降の入居、部屋の大きさ15平方メール以上、家賃500ユーロ以下、自分の年齢39歳と入れると、その条件に合うのは197のみ。

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入居を5月1日以降にすると、数は67まで減る。同居人を探すWGはけっこうぎりぎりに募集出してくるところが多いから(3月25日に募集開始して、4月1日から入居できる人探してますとかざらにある)、自分がWGを探す方で、余裕を持って2か月、3か月先に入れるとこって探すと、あんまり数が多くなかったりする。

プラットフォームでは、WGを探している個人が、「私、WG探してますよ~、私はこんな人です。気にいったら連絡して」っていう募集を出して、WG側からのコンタクトを待つこともできる。私がWGを探すときは、この個人募集をかけつつ、同居人を探しているWGの募集も読んで、気にいったところに自己紹介メールを送る。返事がもらえへんことなんてよくあるから、それにへこまずにいくつも書く。

ポジティブな返事をもらえたら、直接会う日時を決めてご対面。いくら募集の内容やメールのやりとりがいい感じでも、会ってみたらなんか違ったってことはいくらでもあるから、直接話してみるのは大事やと思う。

第一印象はOKやったから一緒に暮らし始めてみたけど、なんか合わんくてすぐにまた引越したっていう経験も私はある。一緒に暮らしてみて初めて、1回の顔合わせでは見えんかった、良いところ、悪いところが見えてくるのは当たり前。私にとってWG生活は、(ちょっとビジネス用語っぽいけど)人間関係におけるスキルを高める場所でもある。


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