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コロナとの日常:職場にて

インターネットのニュースでも、同僚や友達との会話の中でも、80%コロナウィルスが話題になる今日この頃。個人的には、ウィルスそのものよりも、非常事態の空気に不安になる。Volkshochschule(直訳すれば「国民大学校」やけど、カルチャースクールといえば一番しっくりする感じがする)で申し込んでいたコースが一時中止になり、通っているジムも閉鎖、映画館や美術館も閉まり、外出禁止にはまだなってないけど、ここ数日は家と仕事場の往復以外どこにも行ってない。いつものくせで、あいさつのために握手をしようとすると、戸惑った顔をされ、一応握手してもらったけど、そのあとその手を服で拭われたりとか(それやったら、今回はやめとこうって言ってくれればよかったのに)。

私の生活に(間接的ではあるけど)コロナがしっかり入り込んできたのは、けっこう最近になってから。具体的には先週の金曜日、職場で。私はオーガニック食品の買い付けにかかわる仕事をしていて、本来は店舗に立ったりはしてないんやけど、先々週から店舗での研修に入っている。ドイツでは日曜日は、ごく一部の例外を除いては、すべてのお店がお休み。なので、食料品を扱っている店では金・土・月が忙しい。で、先週の金・土。いわゆるハムスター買い(ハムスターが頬に食べ物をためているところから来ている言い回し。極度な買いだめのこと)で店はごった返し。パン、野菜、果物は14時ごろの時点でほぼ完売(店は20時まで)。その店舗の同僚いわく、クリスマス前に似たような混雑ぶりで、ただ、クリスマスの場合は予想がつくけど、これはまったくもって予想不可能の事態やったらしい。私は主に野菜と果物のコーナーで商品の補充をしてたんやけど、補充した矢先にどんどんものがなくなっていって、補充するものすらなくなり、品切れのものが続出っていうほんまにあまりない状況やった。

私が住んでるバイエルン州では、この緊急事態に際して、生活必需品を扱う店では、例外的に平日22時までと日曜日の営業を認めることになったんやけど、うちの会社では営業時間の延長はしないという通達があった。国民の基本需要を確実に満たすため、という理由での例外措置やけど、この際の「国民」は消費者のことで、提供をする側のことはあんまり考えられてないんじゃないかなあと感じる。他のスーパーがどうするのかは知らんけど、うちの会社に限っていえば、営業時間を延長するための余分の人手なんてない。学校や保育園・幼稚園が閉まる中で、その年齢の子どもがいる従業員は、手伝ってくれる人がいない限り、仕事を休まんとあかんわけで、そのままの営業時間でも回していくのが大変な店舗がでてきたりするかもやのに。

今入っている店は、先週の店に比べてまだそんなに混雑していない。でもまだ週の半ばやし、金曜日がどんな感じなんかドキドキする。



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