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「人気記事になる、読者への7つの視点」

自分のnoteを読み返すと、書いたときは満足いく記事だと思ったのに、読み返すと「意味がよく分からないなぁ」とか、「最後まで読む気がしないなぁ」とか、「押しつけがましいなぁ」とか感じることがあります。

しかし、世に言われる名著は何年経っても新たな発見をすることができます。この違いはなんでしょうか?

このことをずっと考えてきて、今やっとその答えが見つかりました。それはクリエイターが持つ読者への視点の多さです。

今日は、それについて書いてみました。

1.ビジネス書と小説の違い


私は、ビジネスマネジメントのセミナー講師を生業としているので、普段はビジネス書ばかり読んでいるのですが、3冊くらい続けて読むと見る見る脳が疲弊して、スカスカになっていく感覚に陥ります。

こうなると思考レベルが一機が下がり、真剣に読んでいるつもりがふと気がつくと全然頭に入っていないことに気づきます。

ところが、小説を読んでいるときはこういう感覚はまったくありません。読み進む内に、頭の中の映像が明瞭になっていき脳が栄養で満たされていくような感じになります。

先日、20年ぶりに司馬遼太郎の「竜馬がいく」を読み返えしましたが、竜馬の生き様が映画のように映し出され、気がつくと8巻を4日間で読み終えて、いまも余韻に浸っています。

この違いが分かれば、もっと伝わる文章をかけるはずです。

2.「読者への視点」の数の多さが、伝わる文章の鍵になる。


自分の記事を読み返すと、読者と向き合う視点の少なさに気づきます。恐らく私の視点はせいぜい次の2つの視点しか持ち合わせていないと思います。

視点1 正面
個別指導の塾講師のように、読者に対座して物事を伝える視点です。

視点2 側面
読者の真横に立ち、同じ方向を一緒に見ながら物事を伝える視点です。

私は、なるべく読者に寄り添って執筆するように心がけていますが、それでも視点2のように読者の横に立って同じ方向を見てお話ししている程度です。

しかし、村上春樹、司馬遼太郎、井上ひさしの小説を読むと、彼らの視点の多さに驚かされます。正面、側面の視点はもとよりさらに5つの視点があることに気づきます。

視点3 後方
読者の後ろに立って、同じ方向を見ながら耳元で囁くように物事を伝える視点。

視点4 右斜め前
理屈を説明するとき、読者と主人公の間に立って説明する視点。

視点5 左斜め前
共感感動を促すとき、読者と主人公の間に立って説明する視点。

視点6 上方
読者の頭上から、状況を鳥瞰して説明する視点。

視点7 ワープ
相手の思考にワープして、その人の視点で物事を観る。

優れたクリエイターは、この視点を最適なタイミングで使い分けて文章を組み立てることで、読者の脳みそスカスカ化が起こらないようにしています。
※もっと沢山の視点があると思います。

3.ある編集者に言われたことの意味がやっと分かった件


私は、2018年に『ゴルフで覚えるドラッカー』を商業出版しましたが、当時の私は会社の報告書しか書いたことがなく、文章力には全く自信がありませんでした。

そんな状況で出版が決まり、約10万文字を書き上げて編集者に送って言われたことは、こんなクレームでした。

「読者は飯田さんの自慢話、日記帳、自説を読みたいとは思いません。」

「これでは本が売れません。」

「飯田さんの文章には、リズムがありません。これじゃ読む気がしません」

これは、キツかったぁ。。。。。
とくに意味が分からなかったのは、文章にリズムがないということでした。

そもそも文章にリズムなんてあるの?としか考えられず、いつまでたっても意味が分かりませんでした。

ところが、今やっと分かったのです! 遅すぎですが。。。

文章のリズムとは、先に説明した読者への視点なのです。
読者の理解、共感、感動を得られるためにどのタイミングで、どの視点を使って見せるか?説明するか?を使いこなす気配り、気働き。これが文章のリズムになっていくのです。

村上春樹の小説を読むと、常人では表現できない幽玄な世界を、見事に視点を使い分けて表現してくれています。

ビジネス書の世界でも、7の視点を使いこなせるクリエイターになりたいものです。

皆さんはいかがお考えでしょうか?


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