見出し画像

AI時代のビジネスマネジメト術

ビジネスマンは、常に新しいビジネスモデルの提案を求められますが、それは容易なことではありません。

最近ではChatGPTなどAIが浸透しはじめ、私たちの思考を大きく変えないと、的外れなアイデアを思いついてしまうことになります。

今日は、今後イノベーションを起こすために、AIとどのように関わっているいけば良いのか考えてみました。

是非、最後までお読み頂けると嬉しいです。

1.これまでイノベーションは、どのように生まれきたのか?

これまでのイノベーションは、次の2つのパターンに分けられます。

一つ目のパターンの代表例は、Uber eatsです。
Uber eatsは、すでに海外で成功しているビジネスモデルを日本の需要や文化に合わせてをカスタマイズし、日本で成功しました。
これを「タイムマシン経営」と言います。(以下参考文献参照)

二つ目のパターンの代表例は、テスラです。
従来の自動車メーカーが持っていない視点で、電気自動車という新たな技術と独自のデザインを組み合わせました。

また、制御システムをオンラインでアップグレードするなど、ソフトウェア産業のやり方を取り入れて、従来の自動車産業とは異なるビジネスモデルを構築しました。これをアナロジー経営と言います。(以下参考文献参照)

(参考文献)
わかりやすい例が海外で成功した先進的な事例を、まだそれが導入されていない日本国内に導入するという、(ソフトバンクの孫正義さんが唱えていたといわれる)「タイムマシン経営」というものです。

ー中略ー

このように、一見関係なさそうな商品やサービスの売り方や特徴を別の商品やサービスに適用するのがアナロジーです。

『問題発見力を鍛える』 著者:細谷 功   講談社

2.AIが浸透するとイノベーションはどう変わっていくのか?

Uber eatsは、以下の3つの変数を体系化して、イノベーションを起こしました。

変数1.スマートフォンの活用:
スマートフォンアプリを通じて顧客と配達者を繋なぎ、どこからでも料理の注文ができるようにした。

変数2.GPS機能の活用:
GPSを活用して、顧客の最寄りの配達者と繋げ、注文先の場所を特定して、最適ルートで配達を行えるようにした。

変数3.時間という価値の提供:
顧客の「買い物から解放されたい」という欲求を満たした。

Uber eatsが提供した価値とは「顧客の時間」ですが、多くの顧客は「時間」にお金を支払ったという意識はありません。

つまり、今後のビジネスモデルは,、顧客の「言語化されない価値」を商品化することが求められる時代になっていきます。

さて、ここからが本題です。

これからAIが私たちの生活に浸透してくると、「変数」の数が増えてきますが、脳科学では人間が同時に扱える変数の数はせいぜい10個だそうです。

これに対してAIが同時に扱える変数の数は、半導体の数と比例して100億個とも1000億個とも言われ、もしAIがマーケティングを行えば「言語化されない価値」がどんどん可視化され、イノベーションを起こしやすくなります。

(参考文献)
人間 が 想像 できる のは 3 次元 の 空間 まで です し、 方程式 の 変数 が 100 個 も 1000 個 も あれ ば 直観的 に 理解 する こと は でき ませ ん。 せいぜい 10 個 くらいが 限界 でしょ う。

ー中略ー

この よう に、 これ まで 人類 は「 なるべく 少ない 変数( パラメータ) で 世界 を モデル 化 する こと」 を 追い求め て き まし た。  

ところが、 人工知能 の 急速 な 進歩 により、 その 状況 は 変わろ う と し て い ます。 人工知能( ディープラーニング) は、 数 百 億 や 数 千億 という 膨大 な 数 の 変数 を 活用 し て 世界 を モデル 化 し ます( さらに 多く の 変数 を 持つ 人工知能 も 山 ほど 存在 し ます)。

この よう に、「 大量 の 変数 を 用い て 世界 を モデル 化 する 科学 の あり方」 を 丸山 先生 は「 高 次元 科学」 と 表現 し て い ます( 図 3‐29)。

紺野大地; 池谷裕二. 脳と人工知能をつないだら、人間の能力はどこまで拡張できるのか . 講談社

3.ビジネスマネジメントにおいて、AIとどう付き合えば良いのか?

世間では、AIに人の仕事が奪われると騒がれています。

もちろんルーティンワークはAIに代替されていくと思いますが、クリエイティブワークにおいては、現時点では私はあまり心配していません。

なぜなら現状のAIは、人間が作ったアルゴリズムに従ってディープラーニングした結果をアウトプットしているだけで、AIに主観(意識)がないからです。

もし、近い将来AIが主観や意識を持つようになり、しかも悪い主観をもったAIが現れたときは、メディアが言うようなリスクが生まれるでしょう。

いずれにせ、AIが良い主観を持てるかどうかは、質の良い情報のインプットと良いアルゴリズムを作る人間次第ということになります。

そのためには、今からAIに良質な情報のインプットと、アルゴリズム教育(チャットGPTのプロンプトなど)をすることが重要になります。

●良い主観を持ったAIになるように、AI教育とアルゴリズム(プロンプト)を設計する。
●良質で偏らないビッグデータ(定量情報、定性情報)を学習させる。
●良質な情報でディープラーニングさせる。

こうすることでAIと信頼関係を構築すれば、「言語化されない欲求」を言語化してイノベーションを起こせるようになるはずです。

恐れているより、満更悪くない時代になりそうな気がしませんか?

皆さんは如何お考えでしょうか?




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?