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「メンバーがいつも黙って頷くだけ」の職場の特徴。

あるセミナーで、受講生の方からこんな質問を受けました。

「ミーティングで、メンバーに意見を求めても、ただ黙って頷くだけで意見をまったく言わないんです。」

「結果、私の意見の一方通行で、プロジェクトが停滞してしまうんです。どうしたらいいんでしょうか?」

現役時代、私にも同じ経験があります。50代のころ、これまで一度も扱ったことのない製品を担当する事業部の責任者に赴任したとき、ベテランの部員達は私の話を聞くだけで、何も反応がありませんでした。

多分、彼らの心中は「何も知らない部長が、なに偉そうなこと言ってんだ?」「適当にあしらっておけばいいんだよ」なんて思っていたのかもしれません。

今日は、このような状況が生まれる原因と解決法についてお話をします。

1.なぜメンバーは、心を閉ざすのか?

結論を先に言ってしまうと、それは職場に「心理的安全環境」がないために起こります。

最近、組織マネジメントで「心理的安全環境」という言葉が頻繁にでてきますが、逆説的ですが次の4つの環境がある職場は「心理的安全環境」がないといわれています。

  1. 無知だと思われる不安:質問すると無知だと思われる不安

  2. 無能だと思われる不安:失敗すると無能だと思われる不安

  3. ネガティブだと思われる不安:反対意見を言うと、面倒な奴と思われる不安

  4. 邪魔をする人だと思われる不安:意見を言うと、邪魔をする人と思われる不安

2.「心理的安全環境」がない職場の特徴

では、この4つの不安が何故生まれるのでしょうか?

それは、リーダーがメンバーのことを「知らない」、「知ろうとしない」意識が、メンバーに伝わり、職場に「心理的不安環境」を作ってしまうからです。

このリーダーの意識は、以下の4つのマネジメントに縛られるがゆえに無意識のうちに醸成されていきます。

  • 上下関係の厳しさ:日本の企業文化では、上司と部下の間に厳格な上下関係が存在します。このため、部下が上司に対して意見を言うことが難しいと感じることがあります。

  • 失敗を許さない文化:失敗を厳しく責められる文化があると、部下はリスクを避けるために黙ることを選びます。これにより、チャレンジ精神が失われ、保守的な姿勢が強まります。

  • コミュニケーションの不足:日常的なコミュニケーションが不足していると、部下は上司に対して心理的な距離を感じ、意見を述べることが難しくなります。

  • 評価システムの問題:個々の意見やアイデアが正当に評価されないと、部下はモチベーションを失い、意見を言わなくなります。

「心理的安全環境」を作る方法

さて、ここから本題です。どうすれば「心理的安全性」を高められる職場環境ができるのかについて、次の4つのアプローチを解説します。

オープンなコミュニケーションの奨励

  • 日々、メンバーの「やったこと」「できたこと」「気づいたこと」を記録し、それを元にして日常的に対話し、意見を聞く機会を増やすこと。つまり、記憶だけでメンバーとコミュニケーションしないことです。

失敗を許容する文化の醸成

  • 失敗を責めるのではなく、学びの機会として捉える文化を育むこと。これにより、部下はリスクを恐れずに挑戦できるようになります。

評価システムの見直し

  • 意見やアイデアが評価される具体的な基準を設定し、その基準に基づいて公正に評価を行います。これは1番目と共通することですが、メンバーは上司の記憶で評価されると「あぁ あの人は好き嫌いで判断してるんだぁ」と考えてしまいます。

リーダーシップの変革

  • 上司自身がオープンで透明性のあるコミュニケーションを実践する。これも1番目と共通する部分です。透明性とは明確でお互いに共感できる記録です。これがなければ信頼関係は構築できません。

3.「心理的安全環境」の作り方

オープンなコミュニケーションの奨励

  • 記録を取る:メンバーから上がった報告や、言葉のやり取りを時系列に要約をメモし、それをメンバーと共有すること。

  • フィードバックセッション:定期的に記録したメモを元にしたフィードバックセッションを設け、部下の意見や提案を積極的に聞く機会を作ります。

  • カジュアルミーティング:週に一度、カジュアルなミーティングを開催し、仕事以外の話題も含めて自由に意見交換ができる場を設けます。

失敗を許容する文化の醸成

  • 失敗事例の共有:ミーティングで失敗事例を共有し、それを学びの機会とする文化を作ります。これにより、部下は失敗を恐れずに挑戦することができます。

  • ポジティブフィードバック:失敗に対してもポジティブなフィードバックを行い、次にどうすれば良いかを一緒に考える姿勢を持ちます。

評価システムの見直し

  • 意見や提案の評価基準の設定:意見や提案が評価される具体的な基準を設定し、その基準に基づいて公正に評価を行います。

  • 透明性の確保:評価基準や評価結果は絶対に記憶でしないことです。時系列に記録したメモをメンバーと共有し、メンバーが自分の意見や提案がどのように評価されているかを理解できるようにします。

リーダーシップの変革

  • トレーニングの実施:上司向けに心理的安全性を高めるためのリーダーシップトレーニングを実施し、オープンなコミュニケーションの重要性を理解させます。

  • ロールモデルの設定:上司自身が率先してオープンなコミュニケーションを実践し、部下に対して良いロールモデルとなるよう努めます。

まとめ

心理的安全性を保つことは、メンバーとのコミュニケーションを円滑にし、組織全体のパフォーマンスを向上させるために不可欠です。

上記のような手法で心理的安全性を高められれば、豊かで成果を上げる職場となります。

皆さんはいかがお考えでしょうか?

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