地方に”溶け込む”力

こんにちは。浦幌町地域おこし協力隊のすみです。5月からBATON+の広報の領域で、2か月研修としてBATON+に関わっています。今回は「地域に飛び込んだ若者の働く姿を知りたい」という声を受け、新卒で浦幌町に移住した私の日々の奮闘をご紹介します.

地方で生きるために重要なことってなんだろう

浦幌に来た当初私は、「浦幌では珍しい若者」「札幌ナンバーの若葉マーク付きの自動車を運転している」「新品のピカピカのつなぎと長靴を着ている」からか、目立っている気がしていました。
当たり前ですが、どこに行っても”お客様”状態です。しかし、三年間という協力隊の任期の中で浦幌という地で地域と共に自分が何を成し遂げたいかを考えていくためには、地域の方々との関わり合いの中で、浦幌という町はどのような「魅力」と「課題」を持つ町なのかを理解していく必要があります。
そこで私は地方で自分らしさを大切にしつつ、この地域と共に成長していくためには、地域に”溶け込む”ことがとても重要であると考えました。その中で私が意識的に大切にした「口だけ星人にならないこと」「はじめてを楽しむこと」「好きだからこそ、色んな面から見つめること」についてご紹介していきます。

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(先日お手伝いに行かせて頂いた、竹をゴムで束ねる作業。膨大な量で、手の皮がべろべろに剥けてしまいました。これから蔓が伸びてきて竹にくるくると巻きついていきます!)

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(農作業は疲れますが、地域の方とおしゃべりしながら作業をしたり、「一服」の時間に一緒にお菓子を食べたりするのがとても楽しいです。)

口先から出た言葉を本物にする

はじめましてのその先へ

浦幌に来たばかりのころ、顔と名前を覚えて頂くために地域の農家さんのお宅へ挨拶まわりを行っていました。お宅にお邪魔した際最後に言う言葉が「また、伺います」でした。”また、伺います”が社交辞令にならないように空き時間を見つけた際は農家さん宅を訪ねる様にしています。思いついた時にすぐ行けるよう長靴と軍手は常に車に積んでおく癖がつきました。

やってみたいのその先へ

浦幌には”上浦幌太鼓”という団体があります。私自身大学時代に和太鼓をやっていたためその団体の存在を知った際とても嬉しくなりました。しかし、実態として地域のお祭りがすべて中止となってしまっている今、団体存続の危機を迎えていました。団体の方に「私も太鼓をやってました!練習したいです!」と言っても「お祭りがないからねぇ、、、」という歯切れの悪い返事が。何事も自分から動いてみたら何かが変わるかもしれないと考え、出勤前の朝8時から30分間公民館にて和太鼓の練習を1人で始めました。太鼓は楽しいけれど、1人で叩く太鼓はやはり少し物足りなく感じていました。そう思いながらも練習をはじめ1週間位経った頃、団体のメンバ‐の方から「いいリズムやな」と連絡をいただきました。農作業をしていた際に太鼓の音が聞こえてきたそうです。そこから会話が広がり、上浦幌太鼓のことを沢山教えて頂けました。一緒にやろうという気持ちも大事ですが、まず自分からアクションを起こすことの重要性を実感した出来事でした。

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(学生時代は和太鼓に全てをささげた‼と言っても過言ではないほど熱中していた私。また和太鼓を叩ける環境に身を置けてとても幸せです。)

はじめってしまえば何も怖くない

浦幌に来てから、沢山のはじめてと出会いました。
中でも特に印象深い経験は、牛の直検体験でした。直検とは、牛の肛門から腕を肩口まで差し入れ、手や指で直腸を隔て内臓や子宮を診察することです。話だけ聞くと、やる側もやられる側も相当な気合がいる検査に感じると思います。私自身も「やってみる?」と言われた際に様々な不安が頭をよぎりましたが、実際にやってみると全く怖くありませんでした。牛も全く動じていませんでした。その時、物事は始める前が一番怖いと感じるのかもしれない、と思いました。やったことがないからという理由で一歩を踏み出さなければ、浦幌で得られる新たな経験や知識を取りこぼしてしまうのでは、とも思っています。新しいことにも進んでチャレンジすることによって農家さんからも「意外とやるじゃん!」と言っていただけるので、そこからさらに新たなチャンスを得ていきたいです。

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(まさかこの後直検することになるなど、微塵も思わずのんきに牛と触れ合っている様子)

好きだからこそ他を知る

浦幌はとても素敵な町です。自然が豊かで食べ物もとても美味しいです。その一方で、少子高齢化などの町の存続に関わる問題も山積みです。私が協力隊に就任したころ、先輩が「浦幌が好きだからこそ、外を知ることが大切なんだ」と話していました。当時はその言葉の意味が理解できませんでしたが、今は少し分かる気がします。浦幌にいるとその中のことしか知ることが出来ません。協力隊の武器として外の世界からやってきたという点が挙げられると思います。先ほどの段落では、地域と溶け込むことが重要であると話しましたが、元々持っている外の目で地域を見つめる冷静さも大切です。好きになり過ぎると、いい面ばかりが目に入ってしまうのは仕方がないことです。しかし協力隊という立場で町に入った以上「好き、だからこそもっと好きな町にしていきたい」という向上心を持ち、多角的な目で町を見つめていく役割を担っていきたいと思います。その点では、BATON+の研修は浦幌の魅力を客観的にみることができる良い機会であったと感じています。なぜなら、十勝の暮らしを楽しむブランド「LIVING IN TOKACHI」を町外の人に伝えるためには、浦幌の何を発信するべきか?を考えるようになったからです。浦幌の景色をInstagram上で定期的に投稿する中で、浦幌にいながら受け手である町外や都市部に住む方々の視点で考える難しさを体験しました。浦幌が好きだからこそ、一歩近づいたり一歩引いたりと、様々な視点で浦幌を見つめることが重要であると学びました。

学びの先に何があるのか

浦幌に来て、早3か月。私はこの地域に溶け込めているのだろうかとふと瞬間に考えます。地域の方々と関われば関わるほど浦幌のことを愛おしく感じますが、それと同時に自分ができることは何だろうかとも思います。協力隊の任期は3年間。長いようで短いです。答えを出すのにまだまだ時間がかかりそうですが、謙虚な姿勢を忘れずにでも学ぶ時は貪欲に今後も取り組んでいきたいです。

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(今の時期の帰り道は空がとても綺麗です。もう夏至も過ぎてしまったので、これからはどんどん暗くなっていくと思うと少し悲しいです。)

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