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「ベイトマンニュース」ミッション番外編

ミッションを抱え、スコットランドからイギリスに向かった初日、私たちはかつて暮らしていたミルトンキーンズで一泊することにしたんです。2か月ぶりに帰ってきたミルトンキーンズ。たった2か月しか離れていなかったのに、なんだかなつかしくて、しっくりきて、あぁ、私たちはここにしっかり根を下ろして暮らしていたんやなぁ、と改めて実感しましたね。

ミルトンキーンズに到着したのが午後3時ごろ。とにかく時間がないので、夫とは別行動をとることにし、夫は息子家族(夫には前の結婚でできた息子がいて、奥さんと小さな子供が2人います。)、合気道の仲間、そして長い付き合いの友達に会う(ここで私と合流)予定。私はどうしても行きたかった日本人がやってくれるヘアカットに行き、その後元同僚とパブで一杯。その後夫も共通の長い付き合いの友達の所で夫も合流、と分刻みのスケジュールとなりました。

改めて感じたのは、私たちはここミルトンキーンズで、いい人たちとご縁を結ぶことができていたんやなぁ、ということ。元同僚と再会した時、ほんの2か月ぶりやというのに、彼女たちは涙を流して喜んでくれて、ほんまにびっくりしましたね。
元同僚が言うには、今の職場は前とは雰囲気が全く違う。そう、たまたま私が辞める同時期に、古株のドクターが2人、アシスタント(私がいたチーム)が2人、外科チームが3人と、メンバーがごそっと入れ替わったんです。新しいチームになってからは、以前とは全く雰囲気が違うらしいです。

私は職場でもなんでも、一人が抜けても仕事は今までと変わりなく、どんどんあたりまえに続いていく、と思っていたんです。実際に業務自体に変わりはない。でもそこに漂う雰囲気やカラーは、その時のチームによって全く違うんですね。
人生はタペストリーみたい、というけれど他人が織った部分と私が織った部分では違いがあるんやな。そこには私やその時のチームにしか出せない風合いや色合いがあるんやな、と思います。
一緒に時間を過ごせて、一緒に仕事できて、ほんまにうれしかった、と元同僚と再会して改めて思いましたね。ほんまにありがとう。

その後に会いに行ったのは、子育てを一緒にしてきた日本人の友達。子供たちはすっかり成長し、私たちは年齢を重ねました。久しぶりに会ったけど、そこには時間の隔たりを全く感じない、家族ぐるみで刻んだお付き合いがありました。イギリスで暮らす外国人として子育てに奮闘した日々。イギリス人の夫には理解してもらえないことも多い中、愚痴を言いあい、支えあって過ごしてきました。友達やけど、同志というか、もう家族やな、と思います。彼女たちがいなければ、今まで頑張ってこれなかったかもしれない。そんな大切な友達です。

そして義弟夫婦。25年前に日本からきた、ろくに英語も話せない私をただ受け入れてくれました。そして長い間一緒に過ごす間に、いつの間にか家族になっていました。義弟も、義弟の奥さんも人として普通のちゃんとしたいい人で、ほんまに私はラッキーやったなぁ、と思いますね。

今回義母のためのミッションでイギリスに帰ってきたんやけど、なんだか私たちがご褒美をもらった気持ちです。ここイギリスで暮らした25年、ちゃんと頑張ってたよ、ご縁を大切に暮らしていたよ、と言ってもろたみたい。私たちはこれからもイギリスで暮らしてきたように暮らしていけばいい。そのままでいいよ、と皆が言ってくれたみたいに感じました。

今回思いがけずイギリスの友人や家族に勇気をもらい、(疲れ果てたけど)うれしい気持ちでスコットランドに帰ってきました。
スコットランドは相変わらず大きな自然とゆったり流れる時間が待っていてくれて、(たった2ヶ月しか暮らしていないけど)帰ってきたなぁ、という気持ちです。

義母と義弟のためのミッションやったけど、このタイミングでイギリスに帰ることができてよかったです。
季節も春になり、なんだか物事が動き出しそうな、そんな予感がする今日この頃です。

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