12シトライアル第一章 13日の金曜日part16
第十六話 図書室のペアリング
さあ、早速やって参りました!図書室!図書委員会!ドアを開けると、やはりそこには後光が射した人影があった。
「こんにちは、大城先輩。」
「君は、あの時の。たしか岸くんだったかな。まさか図書委員に入ってくるとはね…驚いたわ。」
こうして先輩と話していると思い出したことがある。先輩は学園のマドンナである。他の図書委員の生徒が入ってくるたびめちゃくちゃ痛い視線を送られる。この感覚、思い出したくなかったな。ああ、本当に視線が痛い!
閑話休題。程なくして図書委員会全員が集まった。
「みなさん、ようこそ図書委員会へ。委員長の大城流唯です。みなさん、一年間よろしくお願いします。」
大城先輩の一言でこの委員会は幕を開けた。
「図書委員会は、昼休みと放課後の本の貸し出し業務、そして月毎のお薦めの本のポップ作りを主に行います。なお、月曜日の放課後は図書室は解放していないので、今日は各曜日の昼休みと月曜以外の放課後の当番を決めたいと思います。まずは部活などで放課後は入れない人から決めます。放課後無理な人いますか?」
正直めちゃくちゃありがたい。放課後は部活だったりバイトだったりで忙しいからな。
「はい。二年の岸です。放課後は部活があるので入るのは厳しいです。」
「わかりました。他にいませんか?」
こうして俺の他に8人が名乗りを挙げた。ちなみに昼休みは2人ペア、放課後は3人ペアでの業務だが、ちょうど俺が担当する金曜日の昼休みはまだ一人しかいない。
「残りは抽選で決めますね。」
その結果、
「二年G組の田辺早苗です。一年間、よろしくお願いします。」
「俺は二年A組の岸徹。こちらこそ、これからよろしく。」
俺は同級生の女子と金曜の昼は当番をすることになった。
「はい、それでは全部の割り振りが終わったので今日の集まりは以上になります。ご協力ありがとうございました。早速明日の昼休みからよろしくお願いします。」
こうして今日の委員会はお開きとなった。
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