12シトライアル第一章 13日の金曜日part15
第十五話 楽な委員会は?
「今日のロングホームルームは、みんなの委員会を決めていきまーす!」
なぜか委員会決めの一週間前にはすでに学級委員長というポジションを手に入れていた芹奈がそう言い出した。
(できれば楽なのがいいな。部活にもバイトにも影響を及ぼしにくいような。あと、人間関係で困りたくないしな。ある程度知り合いがいるところ…頼む…!)
「それじゃあ一つずつ読み上げていくので、自分がやりたいやつに立候補してくださいねー!」
どうしようかと思い悩んでいる間もなく芹奈は投票を始めた。
「えーっと、最初は、学級委員長から決めないと!!学級委員長やりたい人ー?」
(お前じゃねぇか!!)
心の中でツッコんだ、つもりだったのだが、
「あっ、えっ?あれっ?!ホントじゃん!わたしだったー、ごめんなさい!!」
声に出てたようだ。ホントにコイツ、ただのアホだな。と、毎回思ってしまう。心の声を思いきり声に出してしまう俺も負けず劣らずのアホだが。
「じゃあ図書委員会やりたい人ー??」
図書委員会ねー。放課後の拘束もなさそうだしいいな。あれ?そういえば図書委員会に知り合いいたような…
(あっ、大城先輩だ!)
「俺やります。」
「他にいませんかー?」
誰も手を挙げない。
「じゃあ図書委員会はてっちゃんで!」
ホントにいつまで俺はてっちゃんで通されれのだろうか。まあ、そんなことはどうでもいい。知り合いを確保することで人間関係で困るリスクを抑えられた。
そして15分後、
「これで全員委員会決まりましたね!ご協力ありがとうございました!!先生、何かありますか?」
「じゃあ早速この後の7限の時間は各々委員会だから、集合場所に忘れずにいくように。それじゃあ、解散。」
図書委員会をとれたらそれは勝ちに値する。これほどまでに拘束時間も少なく、仕事内容もハードでない委員会が他にあるだろうか。これは、やっと一歩理想の学園生活に近づいた、んだよな?
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