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12シトライアル第一章       13日の金曜日part7

第七話 蛇睨み
 そしてその後、ちゃんと席も決まった。俺の席は廊下側から二列目の前から三番目。何とも言いがたいポジションだ。隣、どんなヤツなんだろう。そう思って右を見ていると、

「何?さっきからジロジロあたしのこと見てきて、あんた変態か何かの類?」
「初対面でそれは結構心にくるな…」
こんなやつの隣で一学期は過ごすのか。先が思いやられる。

「別に俺はそっちを凝視していたつもりなんかないな。俺はただせっかく隣になったんだから話しかけておこうと思ってタイミングを窺っていただけだ。」
「結局そのためとはいえあたしのこと見てたことに変わりはないわ。殺人犯だって、殺してなければ無罪なの?違うでしょ?」
暴論だ…でも殺したいと思っているだけでまだ一切手を出していないのなら、それは無罪なのでは…?って、俺がこんなことを考えて何になる…にしても、コワイ…単純だが、それ以外の言葉が浮かばなかった。だがここで折れたら負けた感じになるからそれは避けたい。何か言うんだ、俺。

「なんか、ごめん。」
しっかり折れてしまった。我ながら死ぬほど情けねぇ。でも!だって怖いんだもの!!
「わかればいいのよ。わかればね?一応隣になったから名前くらいは教えておいてあげるわ。あたしは信岡しのおか朋美ともみ。」
「俺はき…」
岸徹きしとおるでしょ?さっき委員長との会話で普通に聞こえてたから知ってる。そうね、一学期の間よろしく頼むわ、岸。」
これで、いいんだよな?正解は何なんだ。やっぱわからねー。何だ、コイツは…

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