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12シトライアル第二章       アンカー番号12番part21

第三十九話 連休間の連日登校 1日目
 「あっ、てっちゃーん!元気だった?」
「お前はどうしたらそんな発想に行き着く?寝込んでたって聞いてないか?」
「あっ、そうじゃん!だいじょぶだった?」
騒がしい日常が始まった。

 「あら、きしじゃない。治ったのね。もうちょっと休んでくれてもよかったのに…」
「しれっと心の声を漏らすなよ。」
「でも、馬鹿そうなあんたがどうしたのよ?馬鹿は風邪ひかない、もとい風邪に気づかないんでしょ?それとも馬鹿でも気づくくらいの重症だったのかしら?」
コイツ今、しれっと酷いこと言った。

「失礼な。少なくともお前よりは頭悪くないと思うぞ。」
「へー、言ってくれるじゃない?わかったわ。次の中間テストで勝負よ。せいぜい逃げ出さないように頑張ることね。」
舐められてるんだな。そう感じた。

 時は流れ昼休み。
とおるー、いるー?練習行こー?」
桃子とうこが教室まで俺を呼びに来た。
「ああ、行くか。」
桃子は頷いたかと思うと、何やら鋭い視線をどこかへ向けた。その視線の先を見ると、信岡しのおかがいた。しかもその視線に気づいたのか、信岡はどこか震えているように見えた。いったい俺が休んでいる間に何があったのだろうか。

 「徹先輩!大丈夫でしたか?!心配してたんですよ?!」
「すまんな、心配かけて。」
「まったくですよー、センパイ?」
グラウンドに着くと卓球部の後輩二人が駆け寄って来た。あれ?コイツら、以前こんなに息があっていることあったか?そんなことを思いつつ、俺たちはぼちぼち練習に入った。

 しかし、結果…
「だ!か!ら!何度言ったらわかるのよ、あんたは!」
「ちょっ!!待った!ギブ!ギブ!!」
体が鈍ったのも祟ってうまくバトンを繋げられなかった結果、信岡にチキンウィング・フェイスロックで締め上げられる俺、それを止めようとして相変わらず蛇睨みに遭いビビる下北しもきた、信岡に鋭い視線を送り続ける桃子なのであった。にしても、信岡のやつ、最近サソリ系以外の技も使い始めやがった…コイツの引き出し、どんだけあるんだよ…!ってか、今のところ全部サブミッションなんだが?!

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