12シトライアル第二章 アンカー番号12番part13
第三十一話 不幸のツーペアⅡ
その放課後、2Aの教室で、この訳のわからない四人組でのレクリエーションが始められようとしていた。
「とりあえず、よろしく。軽く紹介から始めるか。コイツは俺のクラスメートの信岡。」
「信岡朋美よ。二人とも、よろしくね。」
「「よろしくお願いします。」」
「んでコイツらが俺の後輩の下北と金本。」
「下北心愛と申します!」
「金本玲です。」
沈黙が流れる。なんか気まずい…!とりあえず何か始めないと…
「それじゃあ早速、始めようぜ!」
「二人ともやりたいゲームあるかしら?」
二人は考え始めた。
何も案が出ずに5分が経過した。本当に気まずい…!もう適当に出すか!
「ポーカーでもやらないか?みんなルールわかるか?」
「ええ、わかるわよ。」
「私もわかります!」「あたしもです!」
なんか知らんけどポーカーで同意をとれた。というわけで、ポーカーが今回のゲームだ。
「じゃあ俺きるぞ。」
そう言ってきり始めた。すると、
「徹先輩って、右利きなのに左手できるんですねー。」
下北が尋ねてきた。たしかに俺はずっと左手できっている。右利きなのにだ。まあいつもそうだから気にしてはいないが。コイツ、よく気づいたな。そうこうしている間に四人分のカードを配り終えた。俺たちはカードを確認した。そして俺のカードは、
(ハートの3、クラブの6、ハートの7、スペードの8、ジョーカー)
なかなかついている。あとは4か5か9、または10のどれかを引けばストレートが成立する。ストレートさえ出せば流石に俺の勝ちだろう。俺はスペードの3と一枚を入れ替えることにした。頼む!4種類のうち1つでもくればいいのだ。来てくれ!!結果、
「13のワンペア…」
俺が引いたのはダイヤの13だった。ジョーカーによるお情けワンペアである。一生の不覚だ。
「私は9と11のツーペアでした!」
「嘘?!アタシもなんだけど!!」
コイツら、仲が良いのか悪いのか最早全くもってわからない。こんなところまでぴったりになるとは…一見すると仲良しペアにしか見えないのに…世界は広いんだな…
「じゃああたしの勝ちね。あたしは4のワンペアと5のスリーカードでフルハウスよ!」
あれ?これ、ストレートでも勝ち目なかったんじゃね?というか俺が狙ってた4と5と9はほぼ出払ってたから割とストレート狙い無謀だったんじゃね?
そしてその後もゲームは続き…
「先輩、弱すぎませんか?」
「流石に全敗って、あんた逆にスゴいわ。」
そう、めでたく俺は30戦30敗というおそらく前にも後にも出ない記録を打ち立てた。無念だ。まあでも、コイツら楽しそうに親睦深めてくれたし、いっか。そう思った俺なのであった。とは言え30戦全敗って…
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?