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12シトライアル第二章       アンカー番号12番part6

第二十四話 リレー出場枠争奪戦
 ついにこの時が来た。リレー出場枠争奪4wayマッチ!ルールは簡単。本番と同じ200m走で一位だったヤツがリレー出場権を獲得できる。それだけだ。

 「それじゃあ始めるよー!上原うえはらくん!佐々木ささきくん!河本こうもとくん!てっちゃん!こっちに集まってー!!」
芹奈せりなに呼びかけられ俺たち四人はスタートに集まった。いよいよ始まるのだ。レーンは、第一レーン河本、第二レーン佐々木、第三レーンが俺で、第四レーン上原だ。内側から2番目のレーン。昨日の練習の時と同じレーンだから、俺にとっては好都合だ。

「みんな準備おっけー??」
「いいぞ。」「できてます!」
「うん!」「もちろんだよ。」
「じゃあいくよー!!位置について…よーい…どん!!」
しまった!!タイミングが遅かった!!少し遅れをとってしまった。なんとしても巻き返さねば!それだけ考えてひたすら走る…

「基本的にフォームは綺麗なので、それはキープしてほしいです。それと、もう少しだけ前傾姿勢を意識してください。」
ふと真凜まりんのアドバイスが脳裏を過った。
(そうだ、こういうときこそ、平常心でいつも通りの走り方を心掛けるんだ。そして少しだけ前傾姿勢で。このレースは俺のためだけじゃない。協力してくれた真凜のためでもあるんだ。)

全力を尽くすんだ。昨日の真凜とのラストレーンで出した120%。いや、もっとだ。150%だ。なんかこれ、アニメとか漫画の主人公みたいだな。そんなメタ思考を一旦振り払い、俺は全力で走ることに集中した。そして、二位まで順位を上げていた。あとは河本だけだ。

(今年もリレーに出るのは僕だよ、君には悪いけど、手を抜いたりはしない!勝負だ、きしくん!)
(何がなんでも、今年は俺がリレーに出るんだ!そのために河本、お前は引き摺り下ろさせてもらう。悪いな。勝負だ!)
 壮絶なデッドヒートの末、

「ゴーーーール!!」
俺たちはほぼ同時にゴールした。
((どっちだ?!))
俺にはどっちが速かったかわからなかったけど、それは河本も同じなようだ。
「一位は…先生、どっちでしょうか?」
(お前もわかってないんかい!!)
コイツやっぱりダメだな。そして例によって
「ごめーーん!!ホントにわかんなかったんだよーー!」
まあなんとなくそんな気はしてたからいいんだけど。あとは先生の審判に委ねられた。

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