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旅の記憶 1994・夏 トルファン #6


30年前の夏
 僕は中華人民共和国 新疆ウイグル自治区
トルファンにいた


ベゼクリフ千仏洞

写真を整理していて気がついた
この写真はベゼクリフ千仏洞という仏教洞窟
ここでの写真は
なぜかこの一枚しか撮っていない

移動中の休憩時に撮ったのだろうか

一方この写真
見晴らしの良い丘で移動中の
休憩時間だったのだろうか

アサイくんを勝手に撮ったのかモデルになってもらったのか

ここでは3枚撮っている
人を撮るのが好きだったのと
ただの景色よりも
こっちの方が絵になると
思っていたのだろう

こんなのとか

このシルクロード旅行は
僕にとって人生2度目の海外旅行で
一度目の旅の時は
まだ写真にあまり興味がなく
コンパクトカメラしか持っていかなかったから
良い写真が撮れなくて悔しい思いをした
帰国後にその足で
中古カメラ店に飛び込み
中古の一眼レフカメラを入手した
そして大学の写真部に入部
モノクロ写真を覚えて
この旅の時には
30本ほどのモノクロフィルムを携えていた

火焔山を遠目に見ているのだろうか
これはもしかしたら火焔山から移動する
軽トラの荷台から撮ったのかもしれない


当時はまだ、デジカメがなかった時代だから
36枚どりフィルム30本分
1080枚が
この旅で撮ることのできる全てだった
必然、大事に大事に撮影するものだから
自ずと好みの写真しか撮らなくなり
当時、かっこいい写真を撮りたいと
強くおもっていた僕は
(写真の腕は置いておいて笑)
何を撮るのかを
かなり選り好みしていたようだ

『 もっと色々撮っておこうぜ 』
と、当時の自分に言ってあげたいが

大学生の僕にとっては
フィルム代も現像代もプリント代も
安くなかった

お金をかけずに沢山撮るには
モノクロフィルムはうってつけで
フィルムも長巻と言って
ロールになっている長いフィルムを
自分でフィルムケースに詰めて作って

現像も、お店に出すと高いものだから
大学の写真部の部室で
黙々とフィルム現像と
暗室でのプリント作業をやっていた

ものすごく時間のかかる作業だったが
旅の写真を
自分で現像するのは
とても楽しい時間だった

今はデジカメがあるから
モノクロもカラーも撮り放題だけど
こうしてモノクロばかりの
旅の記録を見返しながら
これはこれで悪くなかったなと思っている

昨日、もうすぐ大学生になる娘が
フィルム写真に興味があると言っていた

不自由であることの楽しみを
感じてくれたら嬉しいなと
ちょっとだけ思った

捨てずに撮ってある
僕のフィルムカメラに
もう一度出番がくるかもしれないな

トルファン編も
もうすぐ終わりが近づいている

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