スタイルを理解して演奏する3つの利点(音楽様式)
多くの音楽には"それっぽさ"というものがあります。
例えば金管バンド、サンバ、ジャズ、ロック、ポップス、吹奏楽や管弦楽のようなジャンルでもありますし、バロックやロマン、現代曲という風に時代の名前で説明する場合もあります。
こんな事を少し難しい言い方をすると様式とかスタイルなんて呼び、それらがただの楽譜や音だったものにノリや感情を乗せ我々に感動や喜怒哀楽を呼び起こさせます。
この記事ではスタイルの簡単な学び方や付け方、更にその重要性を説明します。
1, やり方
聞いて頂く方にどのように聞いてもらいたいか、そして自分がどのように表現したいかなど方法は様々ですが、演奏の練習と同じように自分がこれまでどのくらいの種類の音楽を聞いたり学んだりしたかで自分の中にあるスタイルの在庫数が変わります。
その在庫数を増やすために
・さまざまな音楽を聞く
・実際に歌ったり吹いてみる
・どのような特徴があるかを理解する
このような積み重ねが必要になります。
恐らく多くの人が好きな音楽があったりしてそれをよく聞くと思いますが、それ以外にも好奇心の名の下に様々なCDや演奏会を聞くことは実際にそのような曲を演奏する際に表現の説得力にもなります。
またカラオケで歌ってみたり吹いてみることによってどのような特徴があるか、例えばポップスやロック、ジャズの曲であれば裏拍やダウンビートに重みがのったり、反対にクラシックの曲であれば表拍にのったりと様々な”感じ”が実際に聞いたものを模倣してみることによってわかることもあります。ぜひ試してみましょう。
2、アーティキュレーション(表現記号)の意味を知る
アクセントやテヌート、スタッカートなど有名どころのアーティキュレーション(Articulation)、つまり音楽を表現するために音符についている記号があります。
これらはアクセントなら強調して、スタッカートなら前後の音と区切ってとただ表現するのではなかなか表現としては表しにくいです。
しかし、あらかじめスタイルを知っておけば
・ジャズだからこんなスタッカート
・ロックだからこんなアクセント
・クラシックだからこんなテヌート
という風にその曲、スタイルにあった表現記号、説得力のある表現が可能になります。逆にこれがないと自信をもって表現し切れません。
ご存知の通り、アクセント1つとってもテヌート、スタッカート1つとっても色々な表し方があります。
それらをどう表現するのかの主軸の1つがスタイル=様式となります。
3、音色に変化を
例えば金管バンドにおいて行進曲を演奏している時の演奏と賛美歌と演奏している演奏
演歌歌手がロックを歌う時、サンバを踊る方が日本舞踊を踊る時
極端な例を出しましたが、確実にそれぞれ吹き方、歌い方、踊り方を変えるはずです。
それはそれぞれにあった音があるからです。
静かな大聖堂で賛美歌の伴奏が金管バンドだったとします。そのバンドが行進曲を演奏するような雰囲気や音色で演奏をしたら確実に違和感を感じるわけです。
これがスタイルの重要性です。
これを理解し、それぞれの曲にあった音色や演奏法を学ぶために1で示した様々な曲を聴いてみたり実際に演奏法のトレーニングが必要になってきます。
わざと演歌歌手にロックをそのまま演歌っぽく歌っていただくというような企画mのでない限り金管バンドで管弦楽曲を演奏するのであれば弦や木管楽器、あるいは打楽器の音色の種類も変わってきます。
常日頃自分の好きな音楽のジャンル以外にも演奏する可能性があるもの、また好奇心がわく普段とは違う他ジャンルの音楽は勉強になりますし、何より
楽しいです
ぜひお試しを
まとめ
型を破るにはまず型を知らねば破れぬとはよくいいますが音楽も全くその通りです。
素晴らしい音楽家の演奏はその表現方法に様々な模倣やモデルをたった1音から感じシンプルな音楽と思っていたものに想像を絶する音楽的背景を感じるものです。
それはソロや室内楽、そして大編成アンサンブルどれをとってもか関係ありません。何を演奏していても先人たちが積み上げてきたそれらしさというというものがあります。
ぜひ様々な音楽家たちが表現してきた素晴らしい音楽をたくさん聞きご自分の表現の肥やしにしてあげてください。そうするとだんだん音楽を聴いたり楽譜を見た瞬間「あっ、〇〇っぽいねこれ」なんていう風になってきます。
それとご自分の個性と楽器、その場のお客様が混じり合って名演が生まれるのではないかなと思っています。
ご読了ありがとうございました。
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