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体幹トレーニングはジャンプ力にどのように影響するのか?

こんにちは。

体幹のトレーニングの重要性が認識されたのはここ数十年ですが。実際どの程度ジャンプ力に影響があるのかを調べた研究があったので紹介します。

この研究では、若いバスケットボール選手におけるコアスタビリティ(体幹の安定性)トレーニングがジャンプ性能に与える影響を調べています。

これまでの文献では、主に運動選手や運動不足の成人に対するコアスタビリティトレーニングの効果が報告されていますが、この研究では子どもたちのバスケットボール選手を対象にしています。

研究には44人の若いバスケットボール選手(19人の女子、25人の男子、平均年齢7.07±0.3歳、平均身長114.4±4.3cm、平均体重26.8±2.7kg)が参加し、介入群(EG)と対照群(CG)に分けられました。トレーニングプログラムは4週間(週に2回、1回1時間の8回のセッション)で行われ、EGではスポーツ特有の運動に加えて、ウォームアップ時に4種類のコアスタビリティエクササイズが導入されました。筋力は片足立ちジャンプと垂直ジャンプで評価されました。

結果として、4週間のコアスタビリティトレーニングプログラムによって、左足(p<0.05)および右足(p<0.001)のホップテスト、左足と右足の6メートルタイムドホップテスト(p<0.0005)が向上しました。
一方、対照群は両足での垂直ジャンプでのみ統計的に有意な改善(p<0.01)が得られました。

この研究では、文献が示唆するように、コアスタビリティエクササイズを総合的に取り入れる必要性が確認されました。
また、この研究は、思春期前のバスケットボール選手において、コアスタビリティとジャンプ性能の機能的な関係を明らかにしています。


研究の結果は、若いバスケットボール選手にとって、コアスタビリティトレーニングが重要であることを示しています。
トレーニングプログラムを受けた選手たちは、片足でのジャンプ力や、タイムドホップテストでのパフォーマンス向上が見られました。
これらの向上は、選手たちの総合的な運動能力やバスケットボールのパフォーマンスにも寄与することが期待されます。

また、対照群にはコアスタビリティトレーニングが行われていないため、その効果が明確に比較できることが研究の強みとなっています。
対照群の選手は両足での垂直ジャンプのみに改善が見られましたが、これは通常のバスケットボールトレーニングによるものであると考えられます。

総じて、この研究はコアスタビリティトレーニングが若いバスケットボール選手のジャンプ性能に与えるプラスの影響を示しており、今後のトレーニングプログラムに取り入れる価値があると言えるでしょう。

(注1)ホップテストは、運動能力や下肢の筋力を評価するために使用されるフィールドテストの一種です。特に、運動選手のリハビリテーションやトレーニングの効果を評価する際に利用されることが多いです。ホップテストは、片足でのジャンプ距離や安定性を測定することで、選手の筋力や動きのクオリティを評価します。
ホップテストはいくつかのバリエーションがありますが、一般的なものには以下の3つが挙げられます。
1. シングルホップテスト:片足でできるだけ遠くまでジャンプし、着地した地点までの距離を測定します。
2. トリプルホップテスト:片足で3回連続してジャンプし、3回目の着地地点までの距離を測定します。
3. クロスオーバーホップテスト:片足で、前方に設置されたラインを交互に飛び越えながら、できるだけ遠くまでジャンプし、着地地点までの距離を測定します。
これらのホップテストは、選手の筋力や安定性、バランス、爆発力などを評価するのに役立ちます。また、リハビリテーション中の選手が復帰に向けてどれだけ進んでいるかを把握するのにも有用です。



参考文献:イタロ・サンニカンドロ、ジャコモ・コファノ(2017)。若いバスケットボール選手におけるコアスタビリティトレーニングとジャンプ性能。International Journal of Science and Research、6(5)、479-482。
著者:イタロ・サンニカンドロ、ジャコモ・コファノ
出版:International Journal of Science and Research、6(5)、479-482、2017年

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