オレとビートルズ

断っておくが「ビートルズとオレ」ではなく「オレとビートルズ」である。

つまり、主体はオレ自身だ。ビートルズ論評みたいなのは一切出てこないし、そういうのは他にいくらでも詳しい人がいるから探してくれ。


オレはビートルズに三回出会った。

一回目は中学の時だ。英語の授業で先生が「みんなで歌ってみましょう」と洋楽を持ってくるのだが、それが Love Me Do だった。

Let It Be や Hey Jude を持ってくる先生もその後出会ったが、いきなり Love Me Do 持ってくるとは、今にして思えばその先生もなかなかのセンスである。

最初に抱いた感想は、「え、これがビートルズってやつなの?!」だった。

もちろんビートルズの名前はテレビで、来日当時の熱狂などを伝える内容とかで知ってた。たぶんそういうコーナーも BGM にはビートルズが流れていたんだろうが、おそらく She Loves You とか A Hard Day's Night とかだったんだろう。ただ BGM はそれほど気にとめてなかった。

「伝説のロックバンド」みたいなことだけ知っている中で、初めて意識的に聴いたのが、Love Me Do だったのである。


これがロック?このゆるいのが?ロックってもっとやかましい音楽なんじゃないの?

初めてビートルズに持った感想はそんなとこである。ここで「衝撃の出会い!電流が全身を駆け巡った!」とか書ければカッコいいんだけど、残念ながらそうじゃないんだなぁ。


ただ、「なんかいいなぁ」と思った。当時の自分は CD 買ったこともないし、ミュージックステーションとかの音楽番組も観ていなかった。なんか、テレビから流れてくる音楽に興味が持てなかった。けど、英語の授業で聴いた Love Me Do は、なんかよかった。


そしたら、ある日、うちの親が CD を二枚買ってきて、それがビートルズの「1」とカーペンターズのベストだった。両方ともめちゃくちゃ聴いた。特にビートルズは Can't Buy Me Love や She Loves You が好きになり、この辺が今の音楽の好みに繋がってるんだと思う。


最初の出会いはこんなところ。九州の、海も山も見えるド田舎での少年の出来事。長くてすまんな。でもまだまだ続くぞ。


二回目の出会いは大学のとき。

同級生でそこそこ仲良くなった奴がビートルズ好きだった。で、CD を全部貸してもらい、MD に入れて聴いてた。ビートルズの初期のアルバムは短いから、一枚の MD にアルバム二枚分入れて聴いてた。ラベルも全部手書きしてたよ懐かしい。当時すでに iPod が流行っていて、誰も MD なんて使ってなかったけどね。

で、まあ一応聴いてはいたが、ビビっときたのは、短期の語学留学で初めてイギリスに行ったとき。シャーロック・ホームズが好きなオレはベイカー街に行ったのだけど、たしかそこにビートルズのショップがたまたまあって、入ったら I Saw Her Standing There が流れてた。初めて英国の地でふいに聴いたビートルズ。なんか、おお!めちゃくちゃかっこいいぞ!と思った。

ちなみにショップではなんにも買わずに出た。そのあとベイカー街のホームズの家でお土産買いたかったから。ちょっとだけ後悔してるよ。


で、三回目は、2015 年くらいか。

ベティ・ザ・トーイ加入前で暇を持て余してたオレは、なんかどっかで演奏できないかな、と思ってたところ、ビートルズのバーみたいなのがあって、そこでビートルズ曲だけを演奏する、お客さん参加のセッションをやってると知った。

そこに行ってビートルズの曲を色々弾くうちに覚え、またベティ加入後もそのお店以外にいろんな店のビートルズセッションに顔を出すようになって、ビートルズ好きの知り合いが増えた。

Rudy Red に加入する前まで通ってたから、2017 年までかな。

セッション行く前は、なんとなく聴いてる好きなバンドのひとつ、くらいだったが、この頃になって、オレはようやく、ビートルズを自覚的に深く聴くようになったと思う。

コピーするにも細かく聴かないといけないしね。改めて、コード進行やベースライン、楽器の妙に触れていった。


出会いの話としては、こんなところ。

個人的にはストーンズやフーの方が好きだけど、時々やはり今でもビートルズを無性に聴き続けたくなるタイミングがあるし、聴いてると、数多いる 60 年代のバンドの中で天下を穫れたのはやはりビートルズだな、と思わざるをえなくなる。かっこいいもん。すごいもん。


以上、長くなったけど思い出話。

またなんかのバンドとの出会いを書くよ。


またね。

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