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アートと経営について考え、主体性な姿勢を身に付ける(IXホールディングス株式会社)

この記事では、ベネッセアートサイト直島が学校や団体、企業の様々な目的やテーマに応じて実施した、2023年度の教育プログラムについてお伝えします。

プログラム概要

日程:2024年2月21日~22日
対象:IXホールディングス社長、グループ会社社員 計9名(公募制)
問い合わせ日:2023年10月19日
認知経路:前回別プログラムに参加したことから


スケジュール

■1日目

12:35 宮浦港着、タクシー移動
12:45 ベネッセハウス ミュージアムにてレクチャー、対話型鑑賞、問いのワーク
16:00 ベネッセハウス チェックイン、自由時間
18:00 夕食(ミュージアムレストラン 日本料理 一扇)
ベネッセハウス 宿泊

■2日目
10:00 家プロジェクト(カードワーク)
12:00 昼食(島内飲食店)
13:00 地中美術館(個人自由鑑賞)
14:45 ラップアップ
15:30 宮浦港にて解散

特徴

プログラムの特徴

グループ会社の社員ではあるが日頃あまり接点のない社員同士の研修。ベネッセアートサイト直島の活動プロセスを学ぶことによる経営視点のインプットと、自信の課題設定や主体的な思考体験のバランスの取れたプログラム。

参加者の声

研修で最も印象的だったのは、「問い」の重要性。何が正解か分からない作品を様々な角度から問い続けることで、作品への理解だけでなく自分自身の思考も深堀していくことが刺激的だった。物事を多角的にとらえて本質を観る力に繋がると思った。ベネッセアートサイトの地域に根差した作品に触れることで、自身の仕事やモノづくりにおける「思い」をどのように形にするかを考えていきたいと思った。「思い」は生き物のように変化し続けるため、答えを見つけるのは容易ではないですが、問い続けることで見えてくる景色があると信じて、手探り状態でも一歩ずつ前進していければと思った。

家族や社員・スタッフの行動や意見・異見に対して「そういう見方もあるな」と一旦受け入れることを意識するようになった。

本当に優先したいものやその理由、さらにその先を言語化までできるよう、「自身の心との対話」が必要だと感じた。ついつい外から入ってくる(見たり聞いたりの)情報が頭に残り左右されがちになるが、自分の心、本当の気持ちを確認することが必要だと考えるようになった。

直島の芸術作品に触れることで自身の感性が刺激され、普段は見逃してしまうような美的な要素や独自の視点に注意を向けることができるようになった。また、私はこれまで自己表現に対し抵抗感を持っており、自身の意見や感情を表現することが苦手だったが、直島での体験を通じて自己表現の意義を理解し、自己表現の機会を増やしたいと感じた。

人や物事に対して、自分が見えているものは一部であり、見えているものや考えていることはみんな違うという意識を強く持つようになった。まずは「よく見る」ことが大切であり、「よく見た上で、言葉で表現する」ことをしていきたいと思う。アート鑑賞に限らず色々な場面で「対話」という方法が共感や異なる部分を見出す有効な方法であると感じた。共通の価値観から共創するこの時代において、互いに表現し合うことでしか、新しいものは生まれないような気もします。表現力を身に付けて色々な方とたくさんの対話をしながら、新規事業創出につなげていきたいと思った。

私たちは長く続く”本物”をテーマに事業をしているが、何が一時の「流行」で何が長く続く”本物”なのかを考える際のひとつの視座を得られた。二回の直島体験を経て、私は現代アートという面白い人生の伴侶を得たように思う。時々現代美術館を訪れるようなライフスタイルをこれから楽しみたいと思う。

直島で現代アートの世界に触れて、どの作品も「一歩踏み込んだ視点」を「ユニークな技法」で見せつけられているように感じた。“物”や“事”がもつ魅力に気づき、それを大切に見つめ、育んできた歴史やその先の未来を表現する力に圧倒された。
私も“物”や“事”が持つ力に感動したりときめいたりした経験はある筈なのに、「その時どうして、もう一歩踏み込まなかったのか」、「どうしてもっと純粋に面白がらなかったのか」と悔しく思ったし、その事に今回の研修で気づけたことを有り難いとも思った。

企画担当者からの評価

■満足度

 4/ 5 点
内容は満足でした。ただ、他のアート作品も観て感じてみたい等の欲求がでてきたのと、地元住民からも話を伺うことができれば面白かったかも、と思いました。

■再利用意向

 4/ 5 点
・非日常的な空間から様々なコトを感じられ刺激となり、そこから現実とどう向き合うのかを考えさせられました。
・自然に似合ったアートの存在がユニーク。先入観を持たずにアートを鑑賞できたため、自由な発想や空想ができました。シンプルに楽しい。
・多角的な視点や思考、そして問い続ける姿勢によって、作品やモノ・コトだけでなく自分自身を深く観て、考察する貴重な機会を得ることができます。単なる知識の吸収ではなく、内省と学びが融合した研修だと思います。

■コメント

【良かったポイント】
■正解のない問いに対して考えること
問い続けることはモノ・コト、そして自分自身を深堀することで様々なことに気付き、その気付く感度を上げることで洞察力が向上すると感じた。
■共感性
アート鑑賞を通じて自分以外の感性を触れる・共感することで多角的な視点を養うことに繋がります。モノやコトを継続していくためにも相手(顧客)との共感が必要不可欠だと感じた。
■ファシリテーターの重要性
人の考えや思いを引き出し共有するための場つくりの重要性を認識しました。適切なサポートによって参加者同士の相互理解が深まり、考え方や視野が変わると感じました。

【要改善点】
■研修の共有と振返りの時間
対話型鑑賞で、作品や自分自身の理解を深める上では良かったです。しかし参加者同士で意見交換をする時間が少し足らなかったように感じた。

まとめ・考察

異なる立場や業種の参加者と様々な視点を共有することができ、視野が広がる機会となった。事後レポートと事後オンラインセッションを実施したことで、直島での体験や考えたことが日常生活や仕事の場面にどう影響したかや、活用の可能性などを一緒に考えることができた。(藤原)


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