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ファシリテーター体験プログラム(岡山県教育委員会)

この記事では、ベネッセアートサイト直島が学校や団体、企業の様々な目的やテーマに応じて実施した、2022年度の教育プログラムについてお伝えします。

プログラム概要

生徒との対話やコミュニケーション、チームビルディングなどを課題に感じている教員向けに、対話型鑑賞のファシリテーション実践も含めたプログラムを実施。

■開催日時
2022年7月21日
■参加者
8名
■対象
岡山県教育委員会 職員、高校教員
■問い合わせ日
2022年5月20日
■認知経路
ベネッセホールディングス経由

スケジュール

9:00  BASNレクチャー
10:00 家プロジェクト
11:30 李禹煥美術館(カードワーク)
14:00 ベネッセハウスミュージアム(対話型鑑賞)
15:00 ファシリテーター養成講座
16:00 ファシリテーター実践
17:00 ラップアップ、終了 

特徴

プログラムの特徴

教員の方々の課題意識として、生徒との対話力や、良いところを伸ばすコミュニケーション、チームビルディングなどが挙がっていたため、対話型鑑賞のファシリテーション実践を含めたプログラムを設計した。また、アートを活用する可能性を体感いただくためカードワークも組み込んだ。

参加者の声

・ファシリテーションが大事だとは思っていたが研修に参加したことはなかった。アートの大切さもわかった。初めての経験でいい勉強になった。学校に持ち帰って生徒にも体験させたい。

・どんな内容なのかイメージが湧かないまま参加したが、今回得られたことですでに学校での活用イメージが3つくらい浮かんだ、早めにやってみたい 。

・生徒に自己開示させたり、自分の言葉で話させることが難しいという課題意識があった。これまでは教員が導きたいように話させてしまっていたと反省。アート鑑賞は自分の意見を皆の前で堂々と言葉にできるトレーニングになる。教員も相手が欲しい答えを探してしまう人が多いので、この研修を受けてほしい。

・やってみるとファシリテーションは難しく、自分が破綻していくのがわかった。普段自分は予定調和にしてしまっていることに気づいた。問いとは何か?ものの見方をひっくり返すのが問いなのではと思ったし、その為の問いの設定は難しいと思った。

・アートを鑑賞しているうちに、想いを伝えたいという気持ちが強くなっていった。ファシリテーター体験では、答えに意識的に引っ張ろうとしてしまっていて、悔しかった 。

・ファシリテーター実践では、メンバーからせっかく色んな言葉がでてきていたのに、自分が取り上げたいものを選択してしまったのがはずかしい。「なぜ」を深めることで新しいものが作れる、当たり前に思ってるものも新しく思えるのではと可能性を感じた。

・教育現場では「ねばならない」が強い。枠をでていくためには、教員がもっているものを壊さないように壊す、否定しないが壊すことができるという点で対話型鑑賞が適していた。新しいものもつくっていけると思う。もっと多くの教員、生徒が活用できるように考えたい。島の人たちと作家の関係性から、まちづくりの中で学校の役割も感じた。カードワークでは「文化はリズム」について考えたが、リズムで共鳴する学校内の文化も創っていきたいと思った。

・主体的で多様な学びを目指しているはずなのに、レールに乗せてしまっているのが現状。生徒を平等に扱いながら、意見を交わらせていくことがしたいのに、先生の顔色を見ながら正解を探す生徒が多く、それを打破したい。全部正解だということを経験し学ぶのが現代アートであり、価値があると思った。教員の役割を言葉でいうのは簡単だがやるのは難しい。

企画担当者より

■満足度

5/5点

■再利用意向

4/5点

■良かったこと

・対話型鑑賞とファシリテーター体験ができたこと。対話型鑑賞そのものも得るものが多いが、ファシリテーターを体験することにより、対話型鑑賞のねらいや、それを達成するための場づくりの難しさ、必要な視点等について体感することができた。

・対話型鑑賞の視点やファシリテーションのスキルが学校の現場でも効果的に使えることが体感できた。

■要改善

・今回は体験だったが、スキルを習得するには宿泊したほうが良い。

・教育現場にも広げたいが、価格・日程の設定等、課題も多い。

まとめ・考察

・ 日帰りの行程となったため、部分的な体験となってしまったが、アートを活用することの効果や生徒向け・教員の方々向けの両面を体験いただけたと思う。
・ファシリテーター実践では自分なりのスタイルが出るところまでは到達できなかったので、より自己理解に繋げるためにはもう少し時間が必要。(藤原)

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