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プレーヤー必見!2023年4月からのルール変更【バスケ】※2023/5/30追記

2023年から適用される新ルールをまとめてみます。

今回は見ている人からも分かるちょっと大きな変更があります。
FIBA主催大会では2022年10月から変更になっており、W杯予選ではすでに適用されていますので、直近の日本代表の試合を見ていて違和感を感じた人もいるかもしれません。

■攻撃する方向が前後半で反対になる

チームが攻撃するバスケットと、ゲーム開始前のウォーミングアップを行うバスケットに関する変更です。スコアラーズテー ルからコートに向かって左側のバスケットは相手チームのバスケットとなり、自チームは前半そちらのバスケットを攻撃することになります。またゲーム開始前のウォームアップを自チームのチームベンチ前のハーフコートで行うことになります

2022 FIBA バスケットボール競技規則 変更点サマリー

今までは、前半は相手ベンチ側、後半は自チームベンチ側に攻める、ということだったのですが、逆になります。

何だそんなことぐらい、、、と思うかもしれませんが、プレーヤーにとっては長年の習慣が変わる大きな変更です。

なんせ、ゲーム開始前のアップが自チームのベンチ前で行える!

今までは、相手ベンチ前でアップすることになっていてお互い気まずい感じがしていた長年のもやもやがようやく解消されました。
(逆にハーフのアップは相手ベンチ前になりましたが)

個人的にはこれが一番大きな変更ですね。

■ファウルと終了時間の関係が明確になった

クォーターもしくはオーバータイムの終了間際にファウルが宣せられた場合の取り扱いに関する変更です。
審判はそのファウルが競技時間内に起きたかどうかを判断することがルール化され、ファウルと競技時間の終わりに前後が存在することが前提となります。 したがって、審判が「ファウルは競技時間の終了より先に起きた」と判断した場合、たとえ短い時間でも競技時間が残っている必要があり、試合はゲームクロックに少なくとも 0.1 秒以上を表示して再開されます。
これに伴い、プレーのインターバルが 始まる前にゲームクロックに 0.0 秒を表示した状態で、誰もリバウンドの位置に着かずにフリースローを行うことはなくなりま す
審判が「ファウルは競技時間が終了した後で起きた」と判断した場合、そのファウルはアンスポーツマンライクファウル、テクニカ ルファウルもしくはディスクォリファイングファウルで、後に続くクォーターやオーバータイムがない限り、競技時間の終了後に起きたものとして、なかったものとみなされます。

2022 FIBA バスケットボール競技規則 変更点サマリー

簡単に言うと、Q終了の直前にファウルが起こった場合は0.1秒以上残っているものとみなします、ということ。

一見当たり前やん、という感じではあるのですが、今までファウルと同時に終了のブザーが鳴った場合に、「残り時間なし」ということで全員引き上げた状態で一人でフリースロー、ということを行ってたものがなくなりました。

また、これに関連する条文で

【条文 34-2-2】
シューターがファウルをされたときは、ファウルをされたプレーヤーに以下のとおりフリースローが与えられる:
・そのショットが成功したときは得点が認められ、さらに1 本のフリースローが与えられる。
・そのショットがツーポイントフィールドゴールエリアからのショットで不成功だったときは、2本のフリースローが与えられる。
・そのショットがスリーポイントフィールドゴールエリアからのショットで不成功だったときは、3本のフリースローが与えられる。
・ファウルが起きたその直後あるいはほとんど同時に、各クォーターや各オーバータイムの競技時間の終了のブザーまたは ショットクロックのブザーが鳴ったときに、ボールがまだショットの動作(アクトオブシューティング)中のプレーヤーの手の中に ありその後ショットが成功しても、得点は認められず 2 本または 3 本のフリースローが与えられる。(削除)

2022 FIBA バスケットボール競技規則 変更点サマリー

と、削除された条文があるのが注目すべきところ。

これを読み解くと、
終了直前のシュートファウルで、
 ①シュートモーション中のファウル
 ②ブザー(終了)
 ③シュートモーションを継続してシュートが入る
という順番があったときに、これまではファウルにはなるが、得点は認められない(なぜならシュート自体は終了後に行われたから)、となっていたものが、一連の動作中の出来事なので得点が認められるようになった、ということです。

これもちょっと大きな変化。

■スローインファウルでフリースローが1本

第 4 クォーターや各オーバータイムで、ゲームクロックに 2:00 あるいはそれ以下が表示されている状態で、スローインを行うプレーヤーの手からボールが離れる前に起きたディフェンスファウルに関する変更です。 これまではアンスポーツマンライクファウルが宣せられていましたが、今回の変更によりパーソナルファウルとして扱う事となり、その罰則として 1 本のフリースローがファウルをされたプレーヤーに与えられ、ゲームはファウルが起きた場所に最も近い位置から ファウルをされたチームのスローインで再開されることになります。これに伴い、アンスポーツマンライクファウルのクライテリア(判 定基準項目)は 5つから 4つに減ることとなります。

2022 FIBA バスケットボール競技規則 変更点サマリー

これも地味ですが影響のある変更だと思いました。

いままでは、第4Qとオーバータイムの残り2分を切ってから、スローイン時のファウルはアンスポとされていました(意外とこれを知らない人が多いのですが)。
これはこれでやりすぎだと思っていたのですが、普通のファウルであればアンスポではなく、スローインファウルというパーソナルファウルになります。
で、大きな違いは、フリースローが1本与えられる(+マイボール)ということです。

<疑問>
これ、チームファウルが5つ目以降の時はどうなるんでしょうか?
パーソナルファウルとする、とあるのでチームファウルにカウントしてフリースロー2本になるはずですが、フリースロー1本の後はマイボールという特殊ルールなので、もしかして別のカウントになるのか?というのが気になりました。

(⇒3/29追記)
JBAの解説動画がアップされていました。
5つ目以降のファウルであってもこのスローインファウルが適用されるとのことです。なのでフリースローは1本&マイボールです。チームファウルにはカウントされます。

■ポゼッションアローの確定は審判からボールを渡されたとき

ゲーム開始のジャンプボールの後でオルタネイティングポゼッションアローが示す方向に関する変更です。 これまではゲーム開始のジャンプボールの後でオルタネイティングポゼッションアローがどちらのチームを示すかは、いずれかのプレ ーヤーがコート上で最初にライブのボールをコントロールするまでは確定しないルールでした。例えばジャンパーに弾かれたボー ルが誰にもコントロールされないまま直接アウトオブバウンズになったとき、その後のスローインの時点で実際にはボールはスローインを行うプレーヤーによってコントロールされているにも関わらず、ポゼッションアローの向きはその時点では確定しないなど、いくつかのケースでは複雑なルールでした。 今回の変更により、ゲーム開始のジャンプボールの後でのポゼッションアローは、コート上でコントロールがあったかどうかに関わらず、ライブのボールを最初にコントロールしたチームの相手チームの方向を示されることになります。これにより、先の例ではア ウトオブバウンズの後でスローインを行うプレーヤーにボールが与えられた時点でポゼッションアローの向きが定まることとなり、誤った方向を示してしまうなどのミスを回避することにつながる変更となっています。

2022 FIBA バスケットボール競技規則 変更点サマリー

ポゼッションアロー(ヘルドボールの時の攻撃の順番)に関する変更です。
これまでは、ポゼッションの判定を「コート上でのコントロール」としていたとことろを「ライブ」にしたという変更です。
「ライブ」状態になるのは、「審判にボールを渡されたとき」なので、スローインでボールを渡された瞬間に「ライブ」になります。

めちゃめちゃ細かい変更なのでそこまで気にする必要はないのですが、何が起こるかというと、、

最初のジャンプボール時で両チームともボールをコントロールしていない状態で、チームAの選手に触れたボールがアウトオブバウンズになったとします。そうなるとチームBのボールでスローインになるのですが、この時点ではコート上でのコントロールが行われていないので、ポゼッションアローの向きが決まらず、チームBのスローインボールをコート内でどちらかのチームがコントロールした時点でポゼッションアローの向きが決まる、というのがこれまでのルールでした。
なので、チームBがスローインボールをチームAがカットすればチームAのポゼッションということになるので、次の攻撃を示すアローはチームBを指すということになります。

これだと、なかなかアローの向きが決められず、TOが迷うことになるので、「ライブ」すなわち、「審判がボールを渡した時」にポゼッションが確定する、ということになりました。なので、先ほどの例では、チームBのスローイン前にポゼッションアローは確定しているので、スローインボールをカットされてもアローの向きは変わりません。

これでTOの時に迷わなくなりました。
(が、そもそもどれだけの人が元々のルールを知っていたのか、、、)

■アンスポの基準の明確化

アンスポーツマンライクファウルのクライテリア(判定基準項目)の 1 つである「クリアパスプレーヤー」に関する変更です。相手チームのバスケットに向かって進行しているプレーヤーに向かってパスされたボールが空中にある状況において、ファウルがなければそのボールを本来コントロールできた状況など、実際はアンスポーツマンライクファウルに該当すると判断できるものを条件として追加することになり、その判定がゲームの中でより受け入れられやすいように変更されます。

2022 FIBA バスケットボール競技規則 変更点サマリー

これは今までとあまり変わりませんが、ボールをコントロールしていなくてもファウルになるよ、ということです。

■得点表示の変更 (※2023/4/27追記)

競技規則にはありませんが、TOに関する変更がありました。
得点表示を前後半入れ替えず、固定にする、という変更です。
これに関してはちょっと問題もあるので以下に詳しく解説しています。

■【U15、U12のみ】マンツーマンの基準規則改訂で赤旗1回目の再開方法が変更(※2023/5/30追記)

U15 、U12カテゴリーに限った話ですが、マンツーマン推進(=ゾーンディフェンスの禁止)の基準に変更がありました。
共通して細かくは基準の改定があるのですが、大きくはU12カテゴリーで基準や適用方法が改定されております。

一番大きな変更は、U12でもトラップが認められることになったことです。基準が緩くなったことで黄色旗、赤旗が振られる機会が少なくなりました。

また、これまで赤旗1回目は警告だけで、ボールの保持は変わらなかった(止まった状態から再開)だったのが、赤旗1回目から違反された側のボールで再開されることになりました。(U15、12共通の変更)
さらに、第4Q(及びOT)の残り2分からは赤旗1回目からペナルティ(フリースロー)が適用されます。(U15は元からこの規定あり、今年からU12でも適用)

詳しくは以下に解説しています。


■その他

・ユニフォームに関する規定
・インスタントリプレーシステム(IRS)に関する規定
・レフリーのコールの変更(ファウルの基準には変更なし)

がありますが、プレーヤーには大きな変更がないので割愛します。
詳しくは以下をご覧下さい。

http://www.japanbasketball.jp/files/referee/rule/2022fiba_rule_summary_20220810.pdf


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