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【陥穽】 散文詩。

人間放つておくと
色々なところが臭くなつてしまふ。
足指などは典型的で、
指股を柿澁石鹸のやうな
滅菌能力の髙いsoapを使つて洗はないと
1・2日ですぐ黴菌臭がやつて來る。
それからピアスを耳たぶに
してゐたりする人は
清潔さ(でいゝのか?)に氣を取られるものだ、
私もピアスしてゐるが
開けた穴は案外簡単に不潔状態に
なつてしまふ。
100均ショップでピアスホルダー(私の命名)
を求める時が來てゐるやうだ-
詳細はまた機会を改めて、と云ふ事で
これは便利グッズであり
私の如き「金属アレルギーなのに」
ピアッシングしてゐる者には
尚のこと利便的である。
人体には他にも
日を空けず手をかけるべき部位はあるが、
それは鼠径部であつたりする
ので、こゝでは触れない。
全く以て莫迦ばかしい限り、
だがそれも「身体に纏はる文化」の
一環であると
思はなくてはいけない。色気の枯渇
したよな生活は嫌なものだ、
そしてそれなら
或る程度の面倒は
ケアすべきなのだ。
現代の常識には、それなりに
手を焼かされて、それなりそれなり
であらう。
私たちは人間である。

©都築郷士
〈腐クタるが先か洗ひ救はれるが先か日常にある陥穽わが一部 くにを〉

筆者近影。

〈靴下をポケットに入れ足洗ふ くにを〉オマケは柳で。

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