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【安吾「風博士」拾遺】詩。

私のやる氣を喪失させる
烏合の衆、
ふと、衆愚政治は駄目だと
言つてゐたあいつを
思ひ出した-
ぢやあ一党独裁でいゝと
おまへは言ふのか?
問うた私が
莫迦だつた。
かう云ふ己みたいな
半覺醒の讀書人が
一番間抜けなのだらう。
早春のそよ風が
春何番かになつて吹き荒ぶ、
私は安吾の「風博士」のやうに
一陣の竜巻となつて消滅したかつた。
が、ご存知の通り
初期の安吾は
ファルス狙ひで
それに殉ずるなんて
余りに若やぎ過ぎる。
結局私には
真似できないのだ。
©都築郷士

〈この括弧を選べばあとは愚昧なる傳統半分の何か生じて 郷士〉うじうじして嫌だなあ朝から。だがそんな時もある-マナブさんぢやないが-んだから、それは致し方ないのだ。

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