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【ありふれた歌】 詩。

恐ろしい
心底震へるやうな
独りぼつちの
悪夢を見る
あなたを
慰めるものとてなく
そんな時 どう生きる

夜更けて珈琲淹れる
本当はXXX入れるXXXX慾しいが
あなたは何となく
面倒にも思ふ
さうしてオネストには
なりきれぬ
訓練が必要なのだ
チャンスはあつたのに
あなたはすつぽかした

仕様がない -
詩でも書かう、と
恥の上塗り
冷めた珈琲で
デパスを流し込んで

かうした「ぼつち」のイメージは
使ひ古しで あなた自身を
腐らせる、
非常にマイナーな気持ちの
解説に過ぎず
誰もが
いちいち云はなくても
知つてゐるものだ

突然だが京都の記憶
そこで自由に
歩いたこと
濁り酒 / 髙歌放吟 / 仲間とゐる事
あなたの今は
挫けさうだが
愉しきは思ひ出よ
まだ若かつた!

この幸福と
今 寂寥が
互ひ違ひに來る
- あなたは どう生きる
どのみち生きる方にしか
針は触れない
心音メーター
何一つ異常なし、と
内科醫の誤診..

最近は中毒氣味
あなたは病氣なのだが
それさへも陳腐だ

独りごちる癖がついた

- そんな時 どう生きる?

〈昨日より若くと人云ふ大歳よ くにを〉

©都築郷士

筆者近影。

〈ありがたき言葉たゞたゞこつじきするやうな夜だぞ乞食のお前 くにを〉

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