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都築郷士 ちよつとはみだ詩・❲四四❳ 附・詩人の為の(秋冬)ワードローブ集

ガンバたちは空を見上げましたが、つい先ほど薄い雲と思っていたのが、今では、太陽の光をさえぎるほどに、厚い暗い雲が、空全体をおおっています。
「ともかく、このまま行けばいいんだろ」
そのネズミはそうなげやりにいうと、また走り始めました。-『ガンバとカワウソの冒険』斎藤惇夫

巻頭、こんな感じですかね、この國の現状は、と言ふことで、名作ジュヴナイルから引用させて貰つた。

【ガキ】

あのガキをやぢ、
なんで三人平等の語らひに
己れのセーシュンばなし許り
になる、と
分かり切つた あの店を選んだ。
だからガキで、
をやぢだつてんだよ
幇間女衒を引き連れ歩く
決局カネ持ちの御曹司らしい
いかにも..と言ふ振る舞ひだつた。
今ごろは氣づいてゐる、と
それでも己はお人好しなんだ
Mさんのことも考へよ!
兎に角己の怒りを理解せぬ人らよ
かくかくしかじか..したつて
虚しいよ。

©都築郷士

徒然のむぐら花にさへ花言葉「捜神」えゝゝ本当かそりや
(©都築郷士)短歌 tanka

「捜神」は前川佐美雄の代表的歌集のタイトル。雑草の花にその花言葉があつた訳。びつくりしたわ。

歯磨(しま)にえづく親父譲りと喜色見せあやつはたぶんバカなんだらうな
(©都築郷士)短歌 tanka

佐美雄の影響はあるやうだ。ときどき彼の見せた生への皮相な態度を、である。

日本のフォーク·シーンは恐らく二つの理由で失敗だつたと言へる
(©都築郷士)短歌 tanka

恐らくだが..プロテスト·ソングの貧弱、それから、カネを落としてくれるのが大企業と言ふ本末転倒、ではないか。むしろニューミュージック期の方が盛り上がりを見せた。だがそれは藝能界のスタアシステムとなんら変はるところなかつた。

以上註も都築。

衣かつぎ滋味粘り歯に快し
(©都築郷士)俳句 haiku

これは..註入れちやふと興醒めかな?里芋は粘り氣が命です。

庶民だろ秋刀魚髙価けりや何食はす
(©都築郷士)俳句 haiku

やつぱ食欲の秋晴れで、氣温下がつてくれば反比例的に腹が減る。老母には悪いが私は海の物がないと駄目な方で。つー句。見りや分かるね。

冬瓜に煮ふくめたるや秋の味
(©都築郷士)俳句 haiku

あ。これ素直でよろしいな。じゆわつと出てくる訳だ。スキするポイントはこーゆーところにあるんだよなー。バカには分からないだらうけど。

【虚言箴言】

食文化の礎となつたのは手づかみで食べる、からフォークとナイフを使ふ食卓、に移行の時代だ。- ラ=ロシュフコオ (大嘘)

うむ、ビミョーだな。贋ラ公は「移行の時代」と言つてゐるけど、そこに何物かゞひそんでゐるのだらうか。例へば熱い物 - あ、そつか、必要は発明の母つてことね。そこに消えて行つた名もなき天才たち!

えー、写真は随分以前に撮つたもんですね。随分つつても一週間ぐらゐかにや笑?相変はらず引用文だけ見てスキつける人ゐて不快。一発ブロックにしましたよ。そんではまた。アデュー!

膨れつ面やめて一緒にメシ食はう秋の神さま降りて來てるよ
(©都築郷士)短歌 tanka

知り合ひの反抗期の子に。オマケでした。

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